PHOTO:akey/PIXTA

11月25日、「富山第一銀行」の株式に買い注文が殺到し、ストップ高で取引を終えるという事象が発生しました。Yahoo!ニュースでも取り上げられたので、記憶に新しい方もいるかもしれません。

ストップ高の要因は、元芸人で有名投資家の井村俊哉氏が、同行の大株主に名を連ねていたことが判明したため、と報道されています。

マスコミの報道では井村氏に焦点が当たっていましたが、富山第一銀行に焦点を当てた記事は見られません。富山第一銀行はどのような銀行なのか、なぜ、井村氏が富山第一銀行に投資したのか、読者の中には興味が湧いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、全国規模では知名度の低いと思われる富山第一銀行に焦点を当ててみたいと思います。

そもそも何が起きたのか?

まずは、今回の騒動についてもう一度振り返っておきたいと思います。

以下は、富山第一銀行の四半期報告書における、2022年9月30日現在の大株主一覧です。北陸銀行、福井銀行、東京海上日動、三井住友海上、日本生命のような機関投資家が名を連ねる中で、発行済株式の2.22%の大株主として、井村俊哉氏の名前が掲載されています。

(出典:富山第一銀行「四半期報告書」)

井村氏は芸人時代、「キングオブコント」というテレビ番組で準決勝に進出した経歴を持つ一方、投資家として通算運用益30億円を達成したとされています。2021年には、上場企業の三井松島ホールディングスの大株主となり話題となったこともある人物です。この有名投資家が、富山第一銀行という地方銀行の株式を買っているのです。

今の時代にはそぐわない表現かもしれませんが、株式投資は「美人投票」と評されます。これは有名な経済学者のケインズによる表現です。ケインズは「株式投資は、自身が最も美しいと思う候補者を選ぶのではなく、他の投票者の好みに最も合うと思われる候補者を選べば賞品が与えられるような、美人投票に見立てることができる」と説明したとされています。

株式投資は、投資家個人が好きな銘柄ではなく、市場参加者の多くが値上がりを期待する株式に投資できれば利益を得られます。井村氏が大株主に登場した富山第一銀行の株式に投資家が殺到し、株価が大幅高になったのも、これと同じ考えに基づくものでしょう。

「富山第一銀行」とはどんな銀行なのか

では、井村氏が投資した富山第一銀行とは、いったいどんな銀行なのでしょうか。

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