
2023年1月16日 編集部撮影
16日午前、港区六本木のビルで火災が発生した。報道などによると、このビルに入る会社の従業員がスプレー缶のガス抜き作業をしている最中に爆発が起きたとみられるという。一部では、ガス抜き作業をしていたのはビルに入居する不動産会社の従業員との報道もある。
「スプレー缶のガス抜き作業中の引火が原因」で思い起こされるのが、2018年12月に札幌市内の不動産仲介店舗「アパマンショップ平岸駅前店」で発生した爆発事故だ。
マンション住民「大きな物が落ちたのかと」
報道などによると、16日午前10時45分ごろ、港区六本木の7階建てのビルで「火が出ている」などと通報があった。2階部分の約25平米が焼けたという。
出火元とみられるオフィスではスプレー缶のガスを抜く作業を行っていたといい、このガスに何らかの原因で引火し、爆発が起きたとみられる。少なくとも3人がやけどを負い、医療機関に搬送されたもようだ。SNS上には現場の様子を撮影した動画も多数投稿されている。
六本木一丁目で火事 大きな爆発音のあと民家が燃えています。消防車が駆けつけて消化活動中のようです。 pic.twitter.com/idybhxpn1B
— パトリック千秋レイシー (@PatrickClacey) January 16, 2023
現場には20台近くの消防車が止まり、騒然とした雰囲気。出火元とみられるビルの3階に住んでいるという女性は、「バァン! と大きな音がして、飼っている犬がワンワンと吠えた。最初は何か大きな物が落ちたのかと思ったけど、扉を開けたら近所の人に『避難したほうがいいよ!』と言われ、慌てて犬と一緒に避難した」と当時の状況を話した。
2018年には札幌で大きな事故も
スプレー缶による爆発事故としては、2018年、札幌市で賃貸仲介会社「アパマンショップ平岸駅前店」で発生したものが記憶に新しい。この事故では、同市内の賃貸仲介会社が120本もの消臭スプレーを廃棄するためにガス抜き作業をしていたところ、室内に充満していたガスに引火して爆発が起き、50人以上が負傷した。その後、当時の店長が「重過失激発物破裂罪」「重過失傷害罪」で起訴され、有罪判決を受けている。
なお東京消防庁の調べによると、都内のスプレー缶(エアゾール缶)による火災発生件数は、年間で100件前後で推移している。札幌の事故後も件数は減少しておらず、事故の教訓が生かせていない状況だ。

出典:東京消防庁
東京消防庁の担当者は「スプレー缶の処理に際しては、残存ガスがなくなってから廃棄をしていただきたいですが、中身を使い切れず噴射をする場合は、くれぐれも火気のない通気性の良い屋外で行ってほしい」と注意を呼びかけた。
(楽待新聞編集部)
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