金融機関から融資を受けて収益物件を購入するためには、年収700万~1000万円以上は必要なイメージを持つ人が多いのではないだろうか。

年収400万円台で築古戸建てから始め、新築アパートを建てたサラリーマン投資家と専業主婦の夫婦がいる。千葉県と茨城県でアパートと戸建て21棟47室を運営する30代の「ぶたどん」さん夫妻だ。現在の年間家賃収入は約2500万円、税引き前キャッシュフローは1200万円弱。

2015年に築古戸建てからスタートしたぶたどんさん夫妻。最初に融資の相談をした銀行では、年収を理由に一蹴された苦い経験も。やっとの思いで融資先を開拓し、購入した物件はリフォームが大変な築古戸建てや全空アパートばかり。DIYリフォームで心身ともに疲弊した結果、不動産投資だけでなく、本業のサラリーマンも数カ月の休業を余儀なくされた。

そんな夫婦だが、コツコツと資金を貯め、昨年ついに新築アパートを完成させた。ぶたどんさん夫妻は年収400万円台からどのように融資先を開拓し、規模拡大してきたのだろうか。苦難の連続だったが、「不動産投資によって救われた」と語るぶたどんさん夫妻。その足跡をたどる。

結婚4年で700万円貯金できたワケ

―不動産投資を始めようと思ったきっかけは?

夫:29歳の時、『金持ち父さん貧乏父さん』を読んだことがきっかけです。当時の私は社会人5年目。毎朝満員電車で通勤して帰宅は深夜0時過ぎという、いわゆる「社畜」状態でした。

すでに結婚していましたが、休日出勤も日常的にあり、毎日仕事でヘトヘトでした。たまの休日は体を休めるだけの日々に「何のために自分は働いているんだろうか」「こんな苦しい生活を続けるだけならもう人生を終わりにしたい」と思い詰めるようになり、深夜の駅のホームで涙を流していたこともありました。

たまたま「金持ち父さん」に出合えたことで、「不動産投資なら短期間で金持ちになって自由な生活ができる」と希望を持つことができたんです。

不動産投資を始めた時の収入や金融資産の状況は?

夫:私の年収は約450万円でした。妻は私の転勤をきっかけに結婚して1年後くらいに仕事を辞め、それからずっと専業主婦をしていましたので収入はありませんでした。

不動産投資を始めたのは結婚4年目の頃でしたが、貯金は700万円ほどありました。ただ、返済しないといけない私の奨学金が500万円ほどあったので、貯金をすべて不動産投資に充てられるというわけではありませんでした。

年収の割に貯金が多い印象ですが、どのように貯めたのですか?

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