「物件を貸している相手が、勝手にその物件を第三者に売ってた」。
2022年8月、不動産投資家の彦坂真介さんが、自身のTwitterにこんな投稿を残している。
物件貸してる相手が勝手にその物件第三者に売ってたんですけどww地面師やんけ。買った人カワイソス。あ、登記は移転されてないからワタシは無傷です。
— ちくわの国の大家HIKO (@HIKO_AICHI) August 3, 2022
彦坂さんが遭遇したのは、いわゆる「地面師」。所有者になりすまし、他人の物件を売って代金を詐取する人物だ。2017年に大手住宅メーカーが約55億円を騙し取られた事件を覚えている人も多いだろう。
彦坂さんは今回、ロレンソ河合(仮名)と名乗るブラジル人地面師に、保有物件を売られたという。河合は現在詐欺容疑で逮捕されている。愛知県と静岡県で戸建16戸を自主管理し、アパート2棟も運営している彦坂さん。不動産投資歴は4年になるが、このようなことは「初めての経験」だと語る。
今回は彦坂さんに、河合の手口や事件が明らかになった経緯、事件に使われた所有物件の状況などについて取材。また、河合から物件を買ってしまったと話すブラジル人や、河合に物件購入を持ちかけられたというコラムニストの「大津社長」さんにも話を聞く。法的な観点からは、不動産トラブルに詳しい阿部栄一郎弁護士に見解を聞いた。
※動画でご覧になりたい方はこちら
「この物件は誰のもの?」詐欺発覚の問い合わせ
彦坂さんが地面師事件に気づいたきっかけは、全く面識のないブラジル人Aさんからの1本の電話だった。
「この物件を買った者です。なのに、登記簿にあなたの会社の名前がある。この物件は誰のものですか?」
この連載について
バックナンバーを見る
全253話
不動産投資の気になるトピックを楽待編集部が徹底取材。
リアルな裏側を独自目線で掘り下げ、役立つ情報をお届けします。
-
233
悪質入居者に負けない! 「定期借家契約」活用する投資家たち
2023.1.30
232
狙われた築古戸建、「ブラジル人地面師」の手口をオーナーが激白
2023.1.20
PR
プロフィール画像を登録