
岡山大家さん提供
「賃貸需要が高いエリアにあって、一見『良さそう』な物件でも、『こんな物件買ったら死ぬ」って感じる物件はありますよ」
そう語るのは、17年前に不動産投資を始めた「岡山大家さん」。もともとは賃貸仲介会社の営業マンだった岡山大家さんは、自身の経験も生かし、「希少性の追求」という投資方針にたどり着いた。現在は岡山県内に約100戸を所有し、年間家賃収入は約4000万円になる。
岡山大家さんが「買ったら死ぬ」と感じた物件とは、どんな物件なのか。規模を拡大してきた今、感じることは。
1日500円生活、「大家なんてやるものか」から一転
岡山大家さんが不動産投資を始めたのは、2006年。今から17年前だ。当時は岡山市内の賃貸仲介会社に勤めるサラリーマン。ただ、それまでは「大家なんてやるものか」と思っていたという。
「現場にいると、マイナスなことばっかりあるんですよ。自分のとこは管理もやってたけど、管理物件にも山ほど空きがある。空室で困った大家さんからは毎日のように電話が来るし、一生懸命仕事して客をつけても、なんやかんやクレームがある。それでも満室になった大家さんに『良かったですね』と声をかけたら『いや、実は家賃下げてるから赤字なんよ…』って。大家さんって大変だな、としか思ってなかったですね」
トラブルになりそうな入居希望者に接したり、市内に1万を超える空室がある現実を目の当たりにしたりしていた岡山大家さん。自分が不動産投資に手を出すことはないだろう―。そんな決意めいた考えが覆ったのは、会社の社長が勧めてくれた書籍、『金持ち父さん・貧乏父さん』がきっかけだった。
「忙しいのに、なんでこんなん読まないといけんのよ…と思いながら、一応読んでみたんですよね。そしたら面白くって。読み終わったら、『なんで今まで不動産を持つことのメリットに気づかんかったんや!』って後悔しました。『自分で客付けしたらいくらでも客付けできるのに!』って(笑)」
その時32歳だったが、「貯金が0円だったんで、まずはお金貯めるところからでした」。食費や交際費をとにかく削って、月に5万円を貯金するようにした。「1日500円で朝・昼・晩を乗り切ってましたね。スーパーの見切り品とか、豆腐3丁で100円とか、そんなんばっか買って。自販機なんてもってのほか」。こうして、まずは1年で100万円を貯めた。
月に8万円がなくなる不安
それまで貯めたお金を頭金に、ようやく2006年、岡山駅近くの区分マンションを購入し、大家デビューを果たす。賃貸仲介営業マンとしての経験から、客付けには自信はあったが、それでも最初は不安を覚えたそうだ。「5月に引き渡しを受けたんですけど、繁忙期も終わってるから埋まらんかな、決まらんかな…って不安でした」
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全30話
不動産投資家・大家がいったいなぜ、不動産投資を始めたのか。どのような考えで、どのように規模拡大をしてきたのか。その戦略や思考に迫るインタビュー連載。
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