
PHOTO:rim2/PIXTA
預金保護を行う米国の公的機関、「米連邦預金保険公社(FDIC)」は、カリフォルニア州の「シリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank=SVB)」が3月10日に経営破綻したと発表しました。
さらに3月13日には、ニューヨーク州を地盤とし、資産規模が全米29位の「シグネチャー銀行」の破綻も報じられています。シリコンバレー銀行の破綻との関係は今のところ不明ですが、いずれもFDICの管理下に置かれ、預金は全額が保護される見込みです。
10日に破綻したシリコンバレー銀行は、テック関連のスタートアップへの融資で知られる中堅銀行です。シリコンバレー銀行の親会社である「SVBフィナンシャルグループ(SVBFG)」の連結総資産は、2022年12月末時点で2117億ドル(約28兆5000億円)、預金は1731億ドル(約23兆3000億円)です。資産規模は2022年末時点で全米16位であり、リーマンショック以降、米銀としては史上2番目の破綻規模です。
全米16位と聞くと、そこまで大きな銀行には感じないかもしれませんが、日本の地銀最大手である「コンコルディア・フィナンシャルグループ」(横浜銀行と東日本銀行の持ち株会社)の総資産は24.6兆円です。シリコンバレー銀行は決して小さな銀行ではないのです。
今回は、シリコンバレー銀行破綻の背景や、今後の影響などについて考えてみたいと思います。
この連載について
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ブロガー、(自称)銀行評論家。現役銀行員であり、法人営業および人事業務に主に携わる。不動産証券化協会認定マスター取得および宅地建物取引試験合格。2017年よりブログ「銀行員のための教科書」を立ち上げ、銀行員のみならず一般の読者に金融関係の記事を発信中。
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米シリコンバレー銀行が破綻、想定すべきリスクシナリオは
2023.3.13
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