
PHOTO:koni-film/PIXTA
「満室物件を買った直後、退去が相次いだ」
「入居者がいるはずなのに、生活している様子がない」
こんな経験をしたことはないだろうか。もしかしたら、それは「満室詐欺」だったかもしれない。
満室詐欺とは、実際は空室があるのに、満室のようにみせかけて収益物件を売却する行為のこと。このような行為が行われるのは、入居率が高ければ高いほど売却に有利になるためだ。入居率は、売主と買主の間で売買価格を決める上でも重要な判断材料と言える。
実際、物件売買の現場では、どのような実態があるのだろうか。満室詐欺とみられる経験をしたという投資家に話を聞いた。また、買主側が取り得る法的措置や、満室詐欺に巻き込まれないための対策について、不動産問題に詳しい関口郷思弁護士に解説してもらった。
不動産会社から「悪魔のささやき」が…
「高値で売りたいなら、空室じゃだめですよ。息子さんを賃借人にして契約書を偽造して、買主が見に来る時だけ、部屋に電気を付けておけばいいんですよ」
関西地方を拠点とする不動産投資歴10年の「摩耶夫人」さんは今年初め、保有する空室の区分マンションを売却を依頼した。その際、仲介会社の新人男性営業マンから、思わぬ話を持ち掛けられ、耳を疑った。
プロフィール画像を登録