不動産取引をめぐる消費税に関連して最近、注目すべき判決があった。
中古住宅のリフォーム・販売などを手掛ける株式会社カチタスが提起していた、消費税の更正処分等の取消請求訴訟。東京地裁は5月25日、カチタスの訴えを棄却する判決を出した。
この裁判では、カチタスに対して「リフォームによる付加価値の増加を建物価格に反映させるべき」として消費税の更正処分を出した、国税当局の判断の妥当性が争点となった。結果は、国税当局の主張が認められた。
カチタスは、この判決を不服として東京高裁に控訴することを今月8日に公表。消費税の課税事業者が中古住宅をリフォームして販売した場合の消費税の計算方法について、今後どのような司法判断が下されるかが注目される。
今回の裁判のポイントについて、消費税に詳しい税理士の霞晴久氏に解説してもらった。
何が問題となったか?
こんにちは。元国税不服審判官で、現在は霞晴久公認会計士事務所の所長を務めております、霞晴久です。
はじめに、今回の税務訴訟の当事者となった、カチタスの事業内容や問題となった点について、整理しておきます。
カチタスのビジネスモデルは、取得した中古住宅に一定のリフォームを行った上で、当該住宅を土地付きで転売するというものです。物件の売却にあたってカチタスでは、買主との間で土地および建物を一体として売買契約を締結していました。
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