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近年開発が進む街「北綾瀬」が、より一層便利になりそうだ。

三井不動産は6月14日、東京メトロ北綾瀬駅前にてライフスタイル型商業施設「(仮称)三井ショッピングパーク ららテラス北綾瀬」が着工したと発表した。2025年夏の開業を予定している。

ライフスタイル型商業施設「ららテラス」や「ララガーデン」は、三井ショッピングパークシリーズとして有名な「ららぽーと」より規模は小さいものの、住民の日常的なニーズに寄り添った地域密着性が高い施設だ。

北綾瀬駅北改札からペデストリアンデッキ(高架型の歩道)で直接接続される予定で、地上4階、地下1階建、駐車台数は約200台。

スーパーマーケットやファッション、雑貨、飲食など約50店舗を揃え、幅広い世代が楽しめる施設を目指すという。さらに、綾瀬エリア初となる大型フードコートを設け、地域のさらなる賑わいに寄与するそうだ。

「(仮称)三井ショッピングパーク ららテラス北綾瀬」外観イメージ(三井不動産プレスリリースより)

三井不動産のライフスタイルパーク型商業施設としては、2024年春開業予定の「ららテラス HARUMI FLAG」(東京都中央区)に続いて、12店舗目となる。

綾瀬駅「0番ホーム」から行けた駅

東京メトロ千代田線が停車する北綾瀬。都内でも落ち着いた住宅街であり、住みやすいという声も多いが、実は少し前は使いづらい駅として知られていた。

かつては千代田線の「支線」であり、綾瀬駅の「0番ホーム」から北綾瀬駅までの1区間のためだけに3両編成の電車が存在していた。北綾瀬駅からは、どこへ行くにも綾瀬駅で乗り換えが必要だった。ところが足立区の都市計画により、2019年の3月に千代田線「本線」へ昇格。10両編成の電車が止まるようになり、大手町や表参道などの都心部へのアクセスも非常に良くなった。

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また、千代田線は小田急線と相互直通運転を行っている。本線に昇格したことにより、北綾瀬駅から乗り換えをせず、2時間弱で伊勢原駅まで行くことができるようになった。何処へ行くにも乗り換えが必須の「不便な駅」から脱却できたのだった。

今後北綾瀬はどう変わる?

足立区と三井不動産は、2021年にエリアを活性化する覚書を交わし、土地の区画整理と商業施設の建設を進めてきた。特に駅の北側について、改札や駅前交通広場に直結するペデストリアンデッキを造ったり、駐輪場を整備したりした。

今回の「ららテラス北綾瀬」の建設も、その施策の1つだ。駅直結の大型商業施設の開業で、北綾瀬の駅前は大きな変化を見せるだろう。

東京メトロが発表した、2021年度の北綾瀬駅の乗降人員数は1日平均約3万3000人。年々利用者数を伸ばしている。地域居住者のデイリーニーズに応じた商業施設にする、と三井不動産は発表しているが、街の活性化により賃貸需要にも変化があるかもしれない。

かつての「不便な駅」も、2019年の千代田線本線昇格から5年足らずでここまで印象を変える。エリア選定の際は開発計画などを十分に調査して、魅力あるエリアなのかを判断してほしい。

(楽待新聞編集部)