最近の売却物件情報をみていると一年前とあきらかに条件が変わってきています。
皆さんお察しの通り、利回りが上がってきていますよね。

しかし、融資環境も厳しくなり魅力的な物件を手に入れるためにはそれなりの努力が必要です。

2009年は売る側、買う側ともに過酷な環境になるのは間違いありません。
こんな環境だからこそ逆風に負けずに立ち向かう気持ちが必要です。

私を含め数年後には成功者として皆さんとお会いできるように祈っています。

そんなアホな まさかの白紙撤回

T市の物件の買付けが通って交渉優先権を獲得し、気持ちはやる気満々!
今まで交流のある金融機関とのアポ取りも着々と進み、後は融資関係書類の提出を売主側から待つのみです。

4月頃は前年より融資が厳しくなったものの、地方銀行ではまだ話を聞いてくれる状況下にありました。
今まで検討した物件を数行の金融機関に持ち込みましたが、いずれも前向きな回答で、1億~1.5億以内なら勝算があり余裕です(笑)

そんななか業者から、売主側と面会で諸条件など今後の打ち合わせがしたい旨の連絡が入り、その時に物件の詳細資料をくれるとの事。

数日後、待ち合わせ時間より少し早く出向いて、とても和やかな雰囲気で世間話をしていると、売主側の業者(モトヅケ)が現れました。
ちょっと緊迫した雰囲気に変わり、私も要望を伝える体勢に入ります。

ところが・・・
開口一番
「今朝、1億2000万現金で買いたい人が出たので、今回の話はなかったことでよろしく」
とモトヅケ業者のいきなりのコメントで、現場の雰囲気は完全に凍りつきました。

買付け客は地元で有名なマチ金業者で、かなり堅いとの事。

モトヅケ業者の「あなたに用はない、帰ってください」
と言わんばかりの言葉が続き、唖然としながら退席しました。

私側の業者はモトヅケのコメントと態度に何度も申し訳なさそうに頭を下げ、外まで見送りしてくれました。

「不動産取引はこんなものですよねー はっはっはっ」
と余裕をかましますが、心の中は悔しさで怒り心頭でした(苦笑)。

その後、打ち合わせの日を知っている銀行からは物件の資料は整いましたか?
と積極的な電話もかかってきますが、正直に答えるしかありませんでした。

売主側として堅い方を優先したい気持ちは分かりますが、あまりにもひどいですよね!!
信頼関係を壊さない為にも、安易に買付けを入れたり撤回したりするのはやめましょう(笑)。

舞い戻ってきた物件! この手に掴めるのか

それから2週間後、事情があって現金購入の客が買付けを取り下げたとの連絡が入りました。
私は即座に購入の意思表示をするのですが・・・
その2日後、買付けを取り下げた客の息子さんが母親にお金を出してもらって現金購入するとの事、物件は再び私から離れていきました。

またか・・・いいかげんにしろ!!
と心の中でつぶやき、それから納得できない悶々とした日々が続きました。

「いったいどうなってるんだ!こうなったら意地でもその物件以上のモノを探してやる!!」
こう自分を奮い立たせて、新規の不動産開拓を始めました。
そして数社の業者と関係をつくり、取引のアドバイスをしてもらったりしました。

「安藤さん、買付けが通ったと同時に『売り渡し承諾書』を業者に取らせないと駄目だよ!
その業者もプロならもっとしっかりしないとね・・」
とある業者よりアドバイスを受けました。

「売り渡し承諾書」とは「買付け証明」の逆で、買主にこの金額で譲渡してもいいですよ、という意思表示なのです。
法的拘束力はないのですが、サインすることで意思を固めさせる効果と他の買主の参戦を抑止する効果があります。

その後も物件探しに奔走するも値する物件がなく、好きな女性にふられ未練たっぷりな気持ちと同じで、風呂の中でもGWに家族で出かけているときも、頭からこの物件の事が離れませんでした。

そして数週間経ち5月の後半になりました。
業者から連絡が入り、例の買主の息子さんが親と意見が合わず、援助してもらえなくなったとの事。

3度目の正直で、今度ばかりは私も冷静です。

「売り渡し承諾書をきっちり取ってきて下さい。それでなければ私は受けかねます」

と逆に私が強気な態度にでました。
翌日、売り渡し承諾書と謄本など融資関連資料がFAXで届きました。
それと同時に、任意売却のため抵当権者がタイムリミットを6月20日に決定しているとの事。
それまでに決済するという条件が提出されました。

「リミットまでちょうど一ヶ月か・・・なんとかなるだろう」

一般的に融資内諾までには、だいたい2~3週間かかります。

「仮に期限までに決済できないにしろ、融資内諾を受けていれば交渉の余地は十分にありうる。とにかく内諾を獲得しよう・・・」

そう考えながら活動を再開したのでした・・・が