はじめに
今回のコラムが掲載されるのは年末あたりと伺っています。
読者の皆さまは、今年1年どうでしたでしょうか。
物件の購入は計画通りに進んでいますでしょうか。自分の経験上、「物件を増やしたい!」という時期には、集中して購入活動をすることが効果的だと思っています。
売り物件の検索をするのも、現地に行って調査をするのも、継続していくことで不動産会社さんに「購入意欲の高い見込み客」と認識してもらえるようになりますし、地域ごとのキャップレートや家賃相場の勘も養われていきます。
「集中的に購入」→「しばらく休んで既存物件の経営を強化」→「再び購入活動」
というようなサイクルが良いのではないかと思います。
今回の物件はこちら!!
![]() 画像はイメージです。 |
所在地 | 静岡県袋井市 | ||
---|---|---|---|
沿線交通 | JR袋井駅 徒歩15分以内 | ||
販売価格 | 約3500万円 | ||
表面利回り | 約24% | ||
間取り | 1K | 構造 | 鉄骨造 |
築年数 | 1994年 | 用途 | 住居 |
総戸数 | 約30戸 | 現況 | 賃貸中 |
建物面積 | 約600㎡ | 土地面積 | 約1300㎡ |
「高利回り物件」の性質とは?
さて、今回は「高利回り物件をチェックして下さい」ということで、楽待スタッフさんから、表面利回り20%越えの物件を5件紹介いただきました。
ピックアップの前に、「高利回り物件」の性質について説明しておきたいと思います。
ほとんど全ての売主さんが、物件を少しでも高い値段(=低い利回り)で売却しようとしています。
だから「利回りが高い」というのは、そういう値段じゃないと売れない何かの理由があるということを念頭に置く必要があります。
つまり、何かしらのイマイチなところがあったり、非常に売り急いでいたりというものです。
不動産投資の専門的な勉強をすると「リスクと利回りは比例する」なんてことが、難しい数式で書かれていたりしますね。
それから、同じ面積の敷地に収益物件を建築する場合の法則として
・建坪率や容積率をフルに使うほど利回りが高くなる。
・各戸の面積が狭いほど、利回りが高くなる。
という性質があります。
ただし、駐車場スペースも取らずに建物をぎゅうぎゅうに詰め込んだり、年々広い部屋が好まれているご時世で、極端に狭い部屋のアパートを供給したりするとどうなるか。
もちろん、空室に苦しむことになります。
空室が増えれば家賃も下がりますので、長期的には高い利回りも維持できなくなる危険が高まるということです。
ですので、高利回り物件大好きなぼくですが、物件価格に占める土地値の割合(建坪率や容積率を目一杯にするほど、物件価格に占める土地の割合が下がります)や、戸あたり面積はしっかりチェックするようにしています。
以上の前提を理解いただいた上で、今回の物件を見てみましょう。
高利回りの理由を探る!
候補の物件の中からこちらを選んだのは、販売価格に占める土地値の割合が第一の理由です。
広大な敷地面積(約1,300㎡!)に2棟が建築されており、路線価ベースの土地値だけで販売価格を大きく上回っていました。次に、延床面積を戸数で割ってみると、残念ながら1戸あたりの面積は21㎡ということでかなり狭いということが分かります。
室内の写真が載ってないので分かりませんが、3点ユニットバスの可能性も高いです。
入居付けには苦労しそうですね。
入居付けに懸念がある物件(高利回りの売物件はほとんどそうですが)の場合は、現在の募集家賃や募集条件(敷金や礼金など)を、しっかりチェックしましょう。
幸い、この物件の掲載ページには、仲介会社さんのコメントが詳しく書かれており、想定利回り24%というのは、なんと募集家賃2万円での計算とのことです。
さらには、「2.5万円でも入居は決まると思います」という記載もありました。
業者さんの意見を鵜呑みにしてはいけませんので、賃貸情報のポータルサイトなどで、袋井市の賃貸相場を確認することを忘れないようにして下さい。
実際に調べてみたところ、家賃2.5万円/月で募集した場合、同市の中では4番目くらいに安いアパートになりそうです。
ただし、2万円台後半で募集しているアパートはたくさんあって、そのほとんどが敷金&礼金ゼロでした。
かなりの供給過剰地域であることはネット上からも読み取れますが、最初に書いたように「何かイマイチなところがあるから利回りが高い」のです。
どこに高利回りの理由があるのかが分かったら、自分がそれを克服できるかどうかを見極め、行けそうなら購入に進みます。
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