はじめに

購入する時も賃貸に出す時も、そして売却するまで不動産会社のサポートなしでは不動産投資ができません。
優秀で良心的な不動産会社に、強力なサポートをしてもらえれば、不動産投資は成功したのも同然です。
ただ、大きなお金や権利が動く不動産取引のシーンでは、ちょっとした行き違いやミスをきっかけに、トラブルに発展することもあります。
トラブルの度に不動産会社と絶縁状態になっているような大家さんも見かけますが、せっかくできたご縁がつまらないトラブルで切れてしまうのはもったいないものです。

そこで今回は、そんなトラブルをできるだけ早く解決し、元通りの良い関係に修復する方法についてお話します。

一口に「トラブル」と言ってもいろんな種類がありますが、タイプ別に分けるとだいたい以下のように分類されると思います。

1.「相手がしっかりやってくれない」

入居を決めてくれない、リフォームを素早くやってくれない、良い物件を紹介してくれない、連絡が遅い、追加で教えて欲しいことの回答がない、指値を通してくれない・・などなど。

ほぼ100%、大家さん(不動産投資家さん)が、不動産会社に対して一方的に怒りの矛先を向けることでトラブルになります。
大家さんは、不動産投資におけるほとんどの場面で「お客さん」なので気が楽ですね(笑)

まず、ここで注意しなければならないのは、しっかりやってくれない根本的な理由についてです。
具体的には、「相手の能力や会社の組織的な理由で、自分の求める水準の仕事ができない」なのか、「何かの理由で、自分の求める水準の仕事をしたくない」かの区別を付けるということです。
後者について「?」という方が多いと思いますが、不動産会社も暇ではないので、限りある時間の中で、仕事に優先順位を付けています。

大家さんが依頼している業務の内容があまり重要ではないので、他の仕事より後回しにされたり、いわゆる「やっつけ仕事」になってしまったりする可能性があることは、ある意味仕方がない訳です。

特に、物件を購入するまでの「資料提供」「詳細調査」「価格交渉」などの業務は、その仕事単体で報酬が発生する訳ではなく、契約から決済まで完了してはじめて不動産会社は「仲介手数料」を得ることができます。

ですから、もっと確実に手数料がもらえるような案件や見込み客を優先するのは、相手の立場になってみれば当然のことです。
売り物件の問い合わせをしてくる投資家さんが数多くいる中では、

 

・属性や金融資産などをオープンにしていて、当該物件を購入できる見込みが高い。  
・過去にもしっかりとしたやりとりがあり、人間的にも安心できる。  
・購入意欲が高く、どんな物件を購入したいかが明確になっている。

といった「良い見込み客」からの問い合わせが優先される訳です。
不動産会社が「能力的にしっかりやれない」のではなく「やりたくない」場合には、自分が変わらなければいけません。

2.ミスが原因のトラブル

最近、ぼくが購入した区分マンションで、契約の直前になって「毎月1300円くらいの有線放送視聴料が発生する」ことが分かったということがありました。

不動産会社さんもそれを知らないまま価格交渉などを進めていて、重要事項説明書を作成している中で発覚したというものです。
少額の支出ではありますが、同じネット利回りを確保するためには、提示額より15万円ほど安く購入しなければならなくなりました。

このように、相手の業務そのものでミスがあった場合は、不動産会社のミスそのものを責めないほうが良いと思います。
相手を反省させたところで、問題の解決にはならないからです。
ここでぼくが優先すべきは「金銭的な損失をしない=利回りを下げない」ということでしたので、以下のような伝え方をしました。

「気づかなかったこと自体はしょうがないですよね。でも自分は投資目的でこのマンションを購入しますし、買付の金額も利回りから逆算したものです。
利回りが確保できれば、売主さんに価格を下げていただいても、仲介手数料を下げていただくのでも、どちらでも構いません。
どちらも無理な場合は、申し訳ありませんが購入できません。」

相手を責めず、かつ選択肢を残していることが功を奏し、自分の悪い印象を与えることなく要求を通すことができました。
(契約直前でしたので、結局は仲介手数料を下げて頂きました)これが例えば

「いったいどういうことですか!ちゃんと調べて資料を作るのは不動産会社の義務じゃないんですか?」

などと責め立てたとしたらどうでしょう。

気分を害して、もしかしたら売買がご破算になってしまったかもしれません。
相手に怒って良い結果になるようなことはレアケースです。

自分の怒りを相手にぶつけてすっきりするよりも、「実利」を取るべく冷静に対処することが、相手側のミスを大きなトラブルにしないための秘訣です。

次回は、トラブルのパターンの後半と、万一本当にこじれてしまった場合の修復方法についてお伝えしようと思います。