はじめに

楽待コラムをご覧の皆さま。こんにちは。

9月に入りまして、ぼくは29日に開催されるイベント「資産増殖ドリームマッチ」の告知や準備に大忙しです。

このイベントには、「購入総額40億円」とか「最初に購入したマンションが8億円」とか、そういうモンスター級の大家さんが出演しますので、ぜひご参加いただければと思います。

さて、不動産会社さんとの付き合い方。
続いての場面は現地でのやりとりです。

※これまでの流れはバックナンバーをご覧下さい
○気になる物件を見つけた!そんな時に使う「効果的」な資料請求方法

○「この物件は価格交渉が可能か?」
物件資料から判断する方法&少ない情報から推測する方法

気になる物件の見学、不動産会社の担当者にも同行をしてもらうべきか!?

まず、紙の資料の検討やネットで調査した結果、現地へ行く価値があると判断した場合に、不動産会社の方に同行してもらうかどうかについてですが、これはケースバイケースです。

ぼくの場合は、自分のペースで調査をしたいのと、待ち合わせをするのが非効率だと思っているので、基本は単独で現地に行きます。ただし、

・物件に空室があり、室内を見学したい
・担当営業マンとの関係を強化したい
・機械設備やポンプ室があるような大型物件
・大幅な価格交渉が必要な場合

などの場合は、同行してもらうようにしています。
当然、購入の可能性が高い物件を見に行くときの方が立ち会ってもらう確率が高いのですが、一緒に現地へ行ける日程を調整しているうちに、他の投資家さんに買われてしまうというリスクもありますので、よく注意して下さい。

不動産会社の担当者には「事実」のみを聞く!「意見」を聞くのはNG

現地に同行してもらう場合に陥りやすいミスは、「不動産会社の人に、購入可否について意見を聞いてしまう」ということです。
売買仲介会社は購入判断やアドバイス自体でコミッションを得ている訳ではなく、「物件を購入してもらう」のが仕事です。
意見を求められても、「購入」のほうに偏ったことを話してしまうはずですので、不動産会社の方をアドバイザーやコンサルタントのように考えてしまうのは賢明ではありません。
前にも書きましたが、不動産会社の方から聞いて良いのは「事実」であり、「意見」ではないということですね。

現地に立ち会ってもらった場合は、しっかり建物をチェックするようにしてください。
空き部屋の内見はもちろん、屋上に上らせてもらって防水状況のチェックなどもするとよいでしょう。
先述したとおり、現場に同行してもらうのは「担当者との関係を深める」という目的もありますので、ある程度長い時間一緒にいるのが効果的です。

物件調査のあとでお茶やランチに誘ってみるのもいいと思います。
電話やメールだけでやりとりをしている見込客と、大きな差をつけることができるはずです。

営業マンを介しての価格交渉は注意しないと失敗する!?

非常に良い物件なのだけど、収支や銀行評価を考えるとこの価格では買えない…という物件は多いと思います。
その際には同行してもらった担当者さんを介して、売主さんに価格交渉をしてもらうことになります。

ここで指値についての法則を整理してみますと、

1. 自分より高い価格で買う人がいる場合は買えない。
2. 売主が売る気にならないと買えない。
3. 仲介の営業マンが、価格に納得しないと普通は買えない。

ということになります。
市場原理や売主さんの事情や感情など、複雑な要素が絡まり合って、指値が通るかどうかが決まるのです。

ここで実際の現場でよくあるやりとりが「自分の指値買付を営業マンの手で握りつぶされる」というものです。
「こんな値段の買付、売主さんに持って行けないよ」という感じで、営業マン自身が価格に引いてしまうことで、もしかしたら通るかもしれない指値買付が、売主さんの手に渡ることさえなくなってしまいます。
特に、この「握りつぶし」は仲介が両手である場合に起こります。
完全に買主サイドに立ってくれる客付け側の仲介会社と違って、売主さんから直接案件を依頼された元付業者さんは、売主さんの味方だと思って間違いありません。

ここで価格交渉を成功させようと思うと、売主さんの前に目の前の営業マンを説得しなければなりません。
値付けの根拠をしっかりと説明し、今の売出価格ではいつまで経っても売れずに手間(問い合わせ対応や内見同行など)ばかり掛かってしまうこと、成果が出ないと売主さんが売却をやめてしまうリスクもあることなどを理解してもらいましょう。

そして、価格さえ折り合いが付けば購入する意思は堅いことも伝え、営業マンの心配を取り除くような心配りも必要です。
営業マンのスキル的な要因で「自分がその価格で購入したい理由」を、売主さんにしっかり伝えてくれそうにない場合は、買付証明を提出する際に価格の根拠をまとめたものを別紙として添付するなどという工夫をするとよいかと思います。
売主さんへのお手紙は、ぼくも購入する際によく活用します。

売買仲介の営業マンに求める3つのこと

いざ価格交渉がまとまれば、あとは流れ作業のように契約→決済と続いていきます。
ここでは、営業マンの事務的なスキルがよく分かると思います。とてつもなく仕事が早く、契約や決済も短時間で終えるスーパーマンもいれば、何をするにも二度手間三度手間になり、イライラするような鈍くさい営業マンもいます。

しかし、事務的なスキルに多少の難があったとしても気にしてはいけません。
愛想のない職人さんであっても、作業が早くて丁寧で安いのなら問題がないのと同じで、不動産投資家が売買仲介の営業マンに求めるものは、「良い物件情報を提供してくれる」「こちらの味方になって売主を説得してくれる」「金融機関を紹介してくれる」などというようなものです。

全てにおいて優れているような人はなかなかいないものですので、どうでもいい要素については暖かい目で見守り、必要ならばサポートもしてあげることで、さらに関係を強化することができるようになるでしょう。