「このまま大家業を続けても、食べられるようになるには10年かかる…」
2021年に不動産投資を始めた元看護師の「あーこ」さん(30)は、購入した物件での度重なるトラブルに、そんな不安感を抱いたと明かす。そこであーこさんが見出だしたのは、「宅建業者」という道だった。
開業後3カ月は閑古鳥が鳴き、売り上げゼロに悩んだことも。もともと働いていた医療業界ともまったく違う世界に戸惑うこともありつつ、それでも、「とにかく不動産沼にはまっている」というあーこさんの、「これまで」と「これから」を聞いた。
夢叶え看護師に…現実とのギャップに悩む
1993年生まれのあーこさんはもともと、大学卒業後の5年間、看護師として病院などに勤めていた。「医療従事者」は、小学生の頃からの夢。心臓の悪かった父親が目の前で倒れてしまったのが大きなきっかけだったという。
「子供ながらに、何もできない自分に悲しさや悔しさがあったんです。だから、将来は医療に従事したいとずっと考えていました。父親は、今は元気になったんですけどね」
夢を叶えて看護師となると、循環器系の病棟に配属された。だが、働き始めて間もなく、夢と現実とのギャップに悩むように。
「大勢の患者さんがいるので、ひとりひとり丁寧に対応することができないんです。本当はもっと患者さんに寄り添ってあげたいのに…。先輩から理不尽な扱いを受けたり、夜勤で生活リズムが崩れたりで、自分自身の体調が悪くなることもありました」
体力仕事でもある看護の現場では、妊娠中の先輩が、激務で流産したのも目撃した。「今後、ライフステージが変わった時に、自分はこの環境で両立していくのは無理だ」と感じるようになったという。

看護師時代のあーこさん(左)
「それで、いつか転職することを考え始めました。そんな時に、あるあるですけど『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んで、衝撃を受けました。不動産が働いてお金を稼いでくれたら、自分の時間も増える…と、不動産の世界に興味を持ったんです」
この連載について
バックナンバーを見る
全3話
不動産投資である程度規模を拡大した時、自身で「宅建業」を開業したい、と考える人もいるかもしれない。果たして、「宅建業者」になることにどんな魅力があるのか? さまざまなメリットやデメリットを実例から明かす。
-
3
「大家業では食べていけない」、元看護師の女性投資家が選んだ「宅建業」の道
2023.11.16
PR
プロフィール画像を登録