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年収300万円台で、不動産投資をスタートさせた投資家がいる。

「ふく」さん(28)は、2020年に「転貸」での不動産投資を開始。そこで得た資金や経験値を元手に、規模拡大に勤しんでいる。

現在は、福島県内に所有する築古戸建て3つと、転貸の戸建て1つを運営。家賃年収は約220万円となった。もう1物件の決済も間近に控える。

「ほとんど勢い任せ」だったという、1棟目物件を転貸するまでの道のりは、いったいどのようなものだったのか。20代、若手投資家の挑戦を追った。

年収300万台、「本業とは別にお金を得たい」

ふくさんが最初に不動産投資に関心を抱いたのは、新卒で入社した会社を辞め、2社目として冠婚葬祭業に従事していた時だった。

ある不動産投資家・事業家のWebラジオを聴いて、「自分が働いていない時間も、物件がお金を稼いでくれる」不動産投資に魅力を感じたのだという。

「もともとは、不動産投資をやろうと思っていたわけではないんです。『もうちょっと本業とは別にお金を得られれば』と、副業について調べていたときに、たまたま不動産投資について知って」

和式便所の残る古いアパートに家族4人で暮らすなど、「決して裕福とは言えない」子供時代を過ごしたふくさん。高校生の時にはアルバイトも始めたが、「お金に対する執着はあった」という。

「ゲームを買っても、即クリアして、早めに売っていましたね。お金を手元に残しつつゲームも楽しんで、友達との会話にはついていける、みたいな」

新卒で勤めたオフィス機器メーカーでは、営業職として働いた。だが、自社の製品を買ってもらうセールストークに、自分自身が納得いかず、「営業」ができなかった。

「当時の上司から、しこたま怒られました。2日間くらい、カンヅメで物を投げられて、詰められて。自分は営業職に向いていないんだな、と感じました」

その後冠婚葬祭業の経理職に転職したが、配置換えで営業に異動することになり、再び退職。現在は自治体などが発注する公共工事の下請けを担う会社で事務仕事を行う。年収は300万円台だ。

SNSきっかけに、勢いで「転貸」することに

2019年ごろ、Webラジオを通じて「不動産投資」の存在や魅力を知ったふくさん。仕事を辞める気まではなかったが、本業とは別の収入を得るために、自分自身も大家業に挑戦したいという気持ちが芽生えた。

自身の年収などを考え、戦略は「築古戸建て」に絞った。

Webサイトのコラムや書籍を数多く読みつつ、SNSで築古戸建て投資について発信する不動産投資家らを片っ端からフォロー。日々投稿される不動産投資家の活動状況や考え方を読みながら、1年ほど勉強を重ねた。

ふくさんがこの後、転貸で不動産投資を行う物件との出合いも、SNSでフォローしていた投資家がきっかけだった。

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