関田タカシさんは、投資歴10年の不動産投資家であるとともに、業界歴18年の不動産業者でもある。
「大家さんになりたい」。そんな思いで2005年、新卒で不動産会社に入社し、以来「プロ」として不動産業界を生き抜いてきた。
不動産投資家としては、「安く買い、バリューアップを行いつつ、売却も交えることで拡大する戦略」で、これまで約5億円、計12棟に投資してきた。現在は6棟62世帯を所有、家賃年収は約4780万円、税引き前CFで約2200万円だという。
そんな関田さんは、どのような物件にこれまで投資してきたのだろうか。業者と不動産投資家、2つの顔を持つ関田さんが感じる「生き残れる不動産投資家」とは? 全3回のインタビューでお届けする。
きっかけは「両親の老後に備えたい」
2005年、新卒で大手不動産会社に営業マンとして入社した関田さん。この時にはすでに、「いつか大家になりたい」という気持ちを抱いていた。
「私、両親が年を取ってからの一人っ子なんですよ。友人たちよりも親の世代が1つ上なので、若い頃から、『早めに両親の老後に備えないといけないな』という意識はありました。最近になって、姉が2人いたことが判明したんですが、その頃は知らなかったので」
大学生の時に、書店で見かけて手に取った『金持ち父さん 貧乏父さん』に感銘を受け、「不動産か金融で稼ぎたい」「ビジネスオーナーになりたい」と思うように。大家になる夢を抱きつつ、金融系・不動産系に絞って就職活動に勤しんだ。
「実際、学生時代に一瞬起業したこともあるんですよ。とても食っていけるレベルではなくって、すぐに取り潰したんですけど。ただ、この経験は就活でフル活用していました(笑)」
こうした努力も実を結び、晴れて大手不動産会社から内定を獲得。入社前に行った宅建士の資格の勉強が、本格的な「不動産の勉強」の初めだ。
こうした知識も味方につけつつ、営業マンとして経験も積み、いつか大家に―。入社時にはそんな希望を抱いていたが、現実はそう甘くはなかった。
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