PHOTO:NOV / PIXTA

国土交通省は、単身高齢者らが賃貸住宅に入居しやすくなるよう、社会福祉法人などによる見守り機能が付いた「居住サポート住宅」を創設する方針を明らかにした。

高齢者や障害者などは、孤独死や家賃滞納のリスクがあるため、入居を拒まれるケースがある。

彼らの住宅の確保、居住の安定を支援するため、これまでも「住宅セーフティネット制度」が設けられていたが、今回の「居住サポート住宅」の創設によって、さらに支援の動きを拡大させる。

オーナーが安心して物件を貸し出すことができる環境を整え、単身高齢者などの受け皿を確保する。

新設される「居住サポート住宅」とはどのような仕組みなのだろうか。

高齢化社会で不足する住宅

高齢者、障害者、子育て世帯などの住宅の確保に配慮が必要な人(以下、要配慮者)は今後増加していくとされている。一方で、公営住宅の大幅な増加は難しいとの見方が強い。

そこで政府は、2017年より「住宅セーフティネット制度」を開始。

要配慮者が入居可能な民間の賃貸物件を、オーナーが自治体に登録することで、自治体などが入居の支援を行い、オーナーは改修費などの補助を受けることが可能になっていた。

しかし、高齢化が進む日本社会において、現行法の制度を維持するだけでは物件の数や質が十分とは言えないとの指摘も。

このため、入居者とオーナー双方がより安心できる仕組みを整え、住宅セーフティネット機能を強化するべく、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」の改正が検討されてきた。

見守りシステム付きの認定住宅

今回、国交省は、見守り機能付きの賃貸物件を「居住サポート住宅」として認定する仕組みを創設する。

地域の社会福祉法人やNPO法人などが訪問による見守りをしたり、人感センサーなどを活用して安否確認をしたりできる住戸を増やしていく方針だ。

なお、国交省の担当者によれば、見守りシステムの導入費用については基本的にオーナー負担になるという。どのような見守り機能を採用するかによって、オーナーの負担額も差が生じることになる。

ただ、こうしたシステム設置をしやすくするための補助金制度については、現在検討がされているとのことだ。

「居住サポート住宅」の認定にあたっては、一定の条件が定められる予定。それが物件の築年数や、構造、エリアなど、どういった要素で制限されるのか、詳細は今後決定される。

また、認定を受けた物件であっても、家賃の設定はオーナーに委ねられるという。金額を自治体が設定するようなことは、現時点では検討していないようだ。

PHOTO:うぃき / PIXTA

家賃保証会社も国が認定

また、入居の契約に当たっては、要配慮者が利用しやすい家賃債務保証会社を国が認定する制度も設けられる。

背景には、家賃債務保証会社との契約時、本人以外の個人の緊急連絡先を登録する必要があることが挙げられる。

家族がいない単身の高齢者などは、この連絡先を登録できないために家賃債務保証契約を結ぶことができず、入居ができないケースがあった。

そこで、緊急連絡先として社会福祉法人やNPO法人など、個人以外を登録可能な家賃債務保証会社を認定業者とする。

家賃債務保証契約を結びやすくすることで、オーナーにとっても安心して物件を貸し出せる環境を整えていく。

国交省は、上記のような内容を盛り込んだ「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」の改正案をまとめ、3月上旬に国会に提出する見通し。

新制度の開始時期、今後の具体的な動きについては未定とのこと。引き続き、動向を注目していたい。

(楽待新聞編集部)