PHOTO: うぃき/PIXTA

不動産会社が、売り主と媒介契約を結び、土地や建物を販売する「物上げ」。ふだん、不動産投資家が購入する物件の中にも、こうして仕入れられた物件もあるだろう。

だが、その「物上げ」を行う不動産会社は、いったいどのようなプロセスを経て物件を仕入れているのだろうか?

静岡県や愛知県を中心に、収益物件専門の売買仲介を行う株式会社「M’sアセットマネジメント」代表の平野正欣さんは「平均で1、2年。長いと4年ほどかけながら物件所有者と信頼関係を結び、媒介契約をもらうこともある」と話す。

だが、長期間の労力も「契約直前におじゃん」になることもあるそうで…。

なかなか知ることのない「物上げ」や、物件の仕入れ先として、平野さんがふだん接することが多いという「地主」の実態を赤裸々に明かしてもらった。

管理会社の「エサ」になっている「地主」も… 

―平野さんは、不動産業界歴25年とのこと。業務を通して、地主系大家さんと数多くの取引をされてきたそうですね

そうですね。もともと別の会社に7年半ほど勤めていて、それから独立して現在の不動産会社を設立しました。あわせて25年ほど不動産業界には携わっています。

今の会社は収益物件専門の売買仲介を行う会社で、物件を仕入れる際には、物件の所有者に直接交渉して物件の売却(媒介契約)を依頼してもらう「物上げ」を行っています。物件所有者にはいわゆる「地主」さんがほとんどで、日ごろさまざまコミュニケーションをとっています。

ここでいう地主とは、もともと自身の所有する土地にアパートを建てた一次オーナー、あるいはその相続を受けた人です。戦後GHQによる農地改革によって払い下げられた土地を取得して、おじいさんがアパートを建てたなどのケースもあります。

年齢は一次オーナーであれば70代半ばから80歳前半が大半かなと思います。いわゆる団塊の世代の方が多いです。

―「地主」というと、一般的には裕福なイメージがあります。実際にやり取りをする機会が多い平野さんから見て、「地主」はどのような方々ですか?

長年、さまざまな方々を見てきましたが、決してうらやましい生活をしている方ばかりではないのが事実です。

体感ですが、大きく立派な家に住んでいる人が3割、普通の一般的な家に住んでいる方が3割、古く荒れたような家に住んでいる方が3割…といった印象です。必ずしも立派な家に住んで、いい暮らしをしている方ばかりではないです。

良い暮らしをしている方に話を聞くと、相続税などで悩むより「働かない子供」への悩みを抱えている人も散見されます。

一方、アパート2棟程度の規模で、きちんと理解しないまま「地主業」をしている方は、管理会社のエサになってしまっている人も多いように思います。

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