賃貸管理の方法も色々
先月は、日経マネーさんからの取材の裏話をさせて頂きました。
その翌月、年末最終日・仕事収めの夜、お宝不動産セミナーの講師、著作や教材でも有名な、投資家けーちゃんさん、コテツさん、松田さんから取材のお招きを頂き、横浜へ伺いました。
その時の様子は、けーちゃんさんのブログにございます。
コテツさんとも、お互いの住まいが同じ市内のご近所同士だったときもあり(笑)、不思議なご縁で、ローカルな話題まで、お話が合ってしまいました。
お互い、同じ市内に、現在、ファミリー区分物件を3名にルームシェアして賃貸運営しているのですが、コテツさんの家賃設定は私の約2倍でも満室とお聞きして、たまげました!さすがとしか言いようがありません!この一言を伺っただけでも、私としては十分勉強させて頂きました。
皆様、それぞれの御著書の他にも、お宝不動産セミナーでのご講演内容は、DVDでご覧頂けます。もちろん、私は「生」で受講させていただきました。素晴らしい内容なので、是非推薦させて頂きます。
コテツさんのDVD
けーちゃんさんのDVD
松田さんのセミナー
お三かたとも、大家さん界のスーパーマンでいらっしゃいますので、私への取材というのは、話が逆なのですが、何を隠そう、取材して頂く私の方が、非常に勉強になると同時に、私への取材が、運営されていらっしゃるビジネスのお役に立ち、ひいては、そのクライアントの皆様のご参考にもなるのでは?と考え、二つ返事でお伺いさせて頂くことにしたのです。
しかし、中々時間がとれず、年末ギリギリとなってしまいました。
こういった面でも、サラリーマンをご卒業になっていらっしゃるプロの大家さんは、ご自分の時間を最大限活用され、広い人脈ネットワーク形成と、有利な情報収集にエネルギーを注げ、不動産経営へ、よりプラスの加速がかかり、素晴らしいと思います。
さて、この時の会合で、特に実感したのは、
「一棟物件と区分物件ですと、同じ賃貸・管理でも随分と違うものだ!」
ということです。
というわけで、今月は、賃貸募集、賃貸管理について、お話させて頂きます。
「楽待」会員の皆様も、百年に一度或いは、資本主義始まって以来の大恐慌に、空室は?家賃下落は?募集管理方法は?どうなのだろうか?
これから不動産投資を始めよう、という方々は、特にご興味がおありだと思います。
区分独自の賃貸管理
物件を運営なさっておられる方は、既に実感されていると思いますが、家賃下落や空室の要因は、周辺の類似ランク物件との競争です。
換言すれば、景気動向に、すぐには影響されにくいのです。
この性質は、景気に対して遅効性があるともいわれています。
株式相場よりも安定といわれている不動産の売買価格の変動よりも、なお更に、家賃は変化が無いことは、大家さんの皆様は経験的に十分御存知の通りです。
●最近の実例
それでは、最近の私の実例をいくつかご紹介させて頂きます。
アメリカのサブプライムショック後の昨年5月に2DK物件の退去がありました。しかし、リフォーム後、家賃6,000円アップで募集し、約1週間で埋っています。
このリフォーム(内装全面改装ですが、単に新築に近づけただけなので、昨年10月25日の第20回お宝不動産セミナーでの内海さんの定義ではリノベとは言えないので単にリフォームと呼ぶことにします)の写真は、先月ご紹介の2009年2月号の日経マネー誌にビフォアー・アフターの比較をご紹介しています。
その後、年末に中野区の1R(3点ユニット)、今年1月に世田谷区の1R(3点ユニット)と、立て続けに退去がありました。
約半年間で3部屋連続というのは、’90年後半以来のレアケースでしたので、さすがに、これは世界恐慌の影響かな~!?と感じました。
しかし、退去理由は、景気が原因ということでもなさそうでした。
そして、詳細は後述しますが、いずれも家賃据え置きで、中野は募集後1週間。世田谷は募集後4日で埋まりました。
一方、滞納は2部屋(世田谷区と横浜の物件)あります。これは景気動向というよりも、常習犯的な色彩が濃く、ルパン三世(滞納入居者)と銭形警部(私)のようなことを、購入以来長年続けております(笑)。
いずれもオーナーチェンジ購入による、前オーナーさんからのお土産(引き続きの入居者)です。
運悪く、唯一、滞納中のこの2部屋のうち1つ、世田谷物件が、滞納家賃の一部がリプラスに入った状態で、昨年のリプラス破綻が発生。少々面倒なことになりました。しかし、今は無事回収して、現時点では取り戻し、問題解決できました。
ある意味、滞納や空室、家賃動向よりも、このリプラス破綻が、景気・経済状況に直結した事例といえます。
今年、2部屋とも無事(一旦)回収が終わり、家賃据え置きで契約更新を果たせました。しかし、お二人とも同じようにルパン三世的常習犯で、また、滞納が始まったことは言うまでもありません。
このうち、横浜物件の入居者の方が、今年の4月から生活保護となられました。
従って、唯一、家賃収入に関して景気動向に影響していそうな案件は、この生活保護になられた入居者の事例1件だけです。
つまり、現時点では、全物件、入居率100%。家賃下落無し。滞納(1~3ヶ月遅れ)2部屋。
というのが、私の実態です。
不動産賃貸開始当時がバブル崩壊直後、その後、大きな景気の波が2回あったわけですが、14年間ずっと、ほぼ上記のような状態が継続し、大きな変化はありません。
特に、私の場合、コラムでご紹介のとおり、都心周辺の、原則、駅近。生活に便利で、駅から物件周辺にかけての間で、なるべく競合物件が建築されにくい立地・街並を選んで投資しています。
少なくとも、こういった条件では、景気の動向には、さほど左右されず、上記程度の賃貸状況が続くことを、実感しています。
この当りが、前回までで、何度か申し上げている、
「区分物件は、誰でも不動産が欲しく、誰でも住みたい、都市空間の便利な利用価値に投資する」
ということだと思います。特別なことをしなくとも、空室は埋まりますし、家賃も下がりません。
●立地のメリットと昨今・懐事情
都心部、その直近周辺の便利な立地の場合、賃借人の方は、特に16m23ユニット1R程度の場合、場所と家賃だけで判断し、内見せずに部屋を決める入居者もおられます。
通勤、通学に便利な最寄駅徒歩数分で、しかも6万円程度で都心に住める。といえば、入居者が求めるものは、その便利な場所であり、極論すれば、16m23点ユニットであろうが、設備がなんであろうが、部屋の内部は関係ないのです。ユニットバス・シングルタイプのビジネスホテルが良い例です。極端な例は、急な転勤者などは内見無しに、ネットと電話だけで部屋を決めてしまうのです。
私の勤務先の実例では、
「単身者への住居補助は、面積20m2以下に限る」
という社内規定があります。
先般も、九州から単身赴任してきた私の同僚は、翌週から突然、東京への転勤辞令を貰い、あわてて九州からネットで探して、内見の時間も取れず、部屋を決め、中野区・築20年の16m23点ユニットの木造アパートへ引越してきました。東京の家賃を見て、通勤時間と勤務時間を考慮すると、この当りとせざるを得ないと言っていました。
一般論的にも、大変、失礼な言い方をしてしまいますと、東京都心で、家賃5~6万円以下では、ルームシェアとか、風呂無し物件など、かなり我慢を強いられる生活しかできません。
かといって、リストラ・給与削減される昨今では、家賃に10万円も支払う余裕は、とてもありません。つまり、特にこういう時代だからこそ、便利な場所であれば、3点ユニット1Rクラスの家賃が有り難い!という方が増加しているといえそうです。
●それでも最近は厳しい
とはいえ、’95~6年当時、私が不動産賃貸入門の頃は、本当に、何もしなくても入居が付きました。畳表替えや、壁紙張替えなしで、クリーニングのみでも、家賃据え置きで付いたほどです。
当時と今を比べると、やはり隔世の感があります。
そこで、以下に、私の実例をご紹介させて頂きます。
初回から何度も申上げている通り、一棟物件の大家さんが最も得意となさっておられる、賃貸付けノウハウが、最近は、非常にハイレベルとなりつつあり、そんな中で、私の方法などは、とてもノウハウなどと言えるものではございません。区分物件運営の一つの実例として、大家個人のリスクテイクと、複数の区分物件をポートフォリオでバランスさせる。という一つの考え方、サンプルという意味合いでご覧頂ければ幸いです。
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