体験こそがリスクへの免疫を造る

●新型インフルエンザと免疫!?
「楽待」も協賛している「お宝不動産セミナー」が5月23日に開催されました。
講師の小川先生と工藤先生のお話は、銀行融資、税金という、皆さん最も興味をお持ちのテーマだけに、3人掛けの会場は満席の熱気でした。

当日は、連休中に海外から進入した新型インフルエンザで日本中が大変な時で、全国から大家さんにご出席頂くので、果たして出足はどうか?と思っておりました。
しかし、いざ受付を開始するや、大家さん界の著名人の方々にもご出席いただき、満員御礼でした。

開場前に、主催者&受講者の沢孝史さんへ
「新型インフルエンザ流行で心配しましたけど、満席で良かったですね」と、お話しましたら、

「弱毒性だもんで、いっそ、かかっちゃった方が、免疫ができて、いいんだよね」
とおっしゃいつつ、それを、そのまま開講のご挨拶にもされておられました。

私の知り合いのリタイアなさったある方は、感染を回避するため、外出は控えて、ご自宅での籠城作戦をとり、可能な限りネット通販だけで買い物を済ませて、生活している方がいらっしゃいます。

それに比べ、さすがに沢さん!リスクに対する姿勢が積極的でいらっしゃる!
と感心しました。

一度インフルエンザを体験してしまえば、それが免疫となって、以降はリスクでなくなるわけです。

私は医学の素人ですが、弱毒性とはウィルスによる細胞破戒が呼吸器系だけに限定されるもの。一方、強毒性は、臓器全体の細胞が破戒される症状へ発展する怖いものだそうです。
ただし、弱毒性でも肺の細胞破戒の危険性はあり、自分の肺の炎症で溺死してしまうこともあるそうです。
WHOは6月に、パンデミックであるレベル6を宣言しています。
1918年のH1N1スペイン風邪の際も2度目、3度目の流行の山でウィルスが強毒性へ変異したそうです。
また、感染すると、その周辺の濃厚接触者を含め、7~10日間の自宅待機や、最悪、入院となり、病気そのものよりも、職場など、周囲の経済活動への影響が極めて大きい場合があります。注意は必要です。

こういうとき、どう行動したら良いか?は、後になって振り返ると誰でも簡単に分かるものですが、その時、その場での適切な判断はとても難しいと感じます。

不動産経営も同様で、体験によって、身に付いたことは、そのまま自分の財産となり、リスクに対する免疫となって、次回からは、積極的にそのリスクを取れるようになります。

このあたりは、ロバートキヨサキ氏著、筑摩書房さん刊「金持ち父さんの起業する前に読む本」や「金持ち父さんのファイナンシャルIQ」の中で語られている、「潜在意識脳を活用し、リスクに直面した際、適切な行動を取り、失敗を次に生かせる」という事例にも当てはまると感じました。

学校の普通教科の勉強では、左脳は鍛えてくれても、「潜在意識脳」のトレーニングは皆無だというのも、こういった例にあてはめれば、頷けます。

最近はそれ程でもありませんが、何年か前は、「不動産投資体験談」が流行した時期がありました。
読者の方は、語り手の体験した事実を見聞することで、ご自分なりに、その中から、色々なことを免疫としたかったからだと思います。

他の方の体験談を聞けば、リスク、時間、エネルギーを取られず、免疫にできる「何か」を吸収できるからです。

そんな意味から、セミナーでも、多くの方から、本に載っている以降の最新事例を聞きたい。というリクエストを頂戴するのだと思います。

読者の皆様のご感想も、特にこれから不動産投資へ入門なさる、という方からは、本の前半にある具体事例がとても参考になった。
というご意見を頂戴することが多いです。

一方で、最近は、ある一つの特定物件事例を見ることには興味がない。
その人の物件自慢?か、自己満足でしかなく、得るものが少ない。
或いは、自分の手法とは異なるジャンルなので興味がない。
という御意見もあります。これは百戦錬磨の大家さんのご感想として多いようです。

そこで、いささか旧聞で、今は流行らないかもしれませんが、今月から、何例か私の最新の具体事例をご紹介させて頂きます。
読者に疑似体験をエミュレーションして頂くため、重箱の細部を突くようなお話もあります。

ご興味の無い方は、早送りで飛ばしてくださいませ(笑)

一つの実例のご紹介ですので、読者は、物件運営を疑似体験なさることにより、リスクゼロで、「免疫」だけをゲットできるメリットはあります。
百人百様、お一人お一人で異なる何かを僅かでも収穫して頂ければ幸いです。

※尚、本節でのインフルエンザ免疫のお話は、一つの例えであり、読者の皆様へ感染を奨励しているわけではございません。対策はあくまで自己責任にて対応方法をお決めください。

中野区物件の賃貸募集顛末

●物件概要
賃貸募集のお話に入る前に、物件概要をご紹介いたします。
読者の方の、中長期での賃貸経営の参考データにして頂ければと思います。

中野区の某駅徒歩7分。駅前の商店街を抜けて、幹線道路沿いに2~3分歩いた場所にある、5階建て、約30室の15m2 3点ユニットの平凡な物件です。
最上階、角部屋、南向き、終日日照、3方向開放面、広いルーフバルコニーが付いています。

1999年に570万円で購入しました。珍しく、指値無しの売値買いでした。
理由は、売主さんが指値に応じていただけなかったこと。
更に、物件自体の立地と、上記のように建物内での区分では最も競争力のあるポジションの部屋と判断したためでした。
1983年築で、購入時、築16年。現在、築26年です。

当時現金買いで、現在は、ほぼ投下資金が回収し終わる物件です。

購入時、入居者家賃5.3万円(+管理費5千円)。前オーナーからの家賃保証を引き継ぎ、手取保証額4.25万円(管理費は管理会社もち、積立修繕金控除後)でした。

その3年後の管理会社との賃貸管理契約更新時、入居が継続していたので、家賃保証契約から、家主代行契約へ切替えました。
これにより、手取は4.4万円(管理費・積立修繕費控除後)にアップしました。

その後、1度空室となりましたが、家主代行契約のまま、4.9万円(+管理費5千円)に家賃を下げ、内装リフォーム期間を含めて約2ヶ月弱で入居が付きました。
この時は、私は全く何もせず、募集家賃を指定しただけでした。

家賃を下げた分、手残りキャッシュフローは約4.1万円(管理費・積立修繕金控除後)にダウンしました。

非常にざっくりと計算すると、毎月の手残キャッシュフローだけの単純計算で
(4.25万円×12ヶ月×3年)+(4.4万円×12ヶ月×5年)+(4.1万円×12ヶ月×2年)=515.4万円
となります。

ただし、退去に伴う、内装修繕が1回あり、約10万円。空室2ヶ月間の家賃損失、約9万円。それと、固定資産税2.5万円/年、毎年の所得税・住民税がマイナスされます。大規模修繕は、前オーナーが済ましており、臨時負担支出はありませんでした。

つまり、あと1~2年間で、家賃の手残キャッシュフローの、経費、税金込みで、元が取れ、買値が無料に等しい物件になるということです。

ここまでを振り返ると、購入後10~11年目、築26~27年で、漸くスタートラインに立てたわけです。
長いといえば長く、あっという間といえば、そんな気もします。

今売却すれば、売値が利益ですし、今後、賃貸し続ければ、手残りキャッシュフローは全額利益です。
この不動産投資をどうとらえ、どう考えるかも、人それぞれだと思います。

私、個人的には、この間のキャッシュフローは、家族の生活を支え、次の物件購入の資金に活用もでき、非常に有効にキャッシュを活用できたので、有難いと感じております。
この物件が、私や家族を支えてくれたことは事実だと思います。

この10年間で、物件管理に関して私がやったことは、購入手続き以外には、管理契約の切替書類への捺印と、1回あった空室時のリフォーム工事承認と、募集家賃指示の電話1本だけです。

5月の第2回コラムでご紹介したシミュレーションのパラメータに対して、実際の10年間の実験値を対応させてみます。

家賃下落率0.75%/年(シミュレーションでは1%/年と仮定)。稼働率98.3%(10年間、120ヶ月間で2ヶ月間空室)(シミュレーションでは90%と仮定)が実績です。