セミナーこぼれ話

第26回お宝不動産セミナー

第26回お宝不動産セミナー

1月30日(土)、第26回お宝不動産セミナーは、以前「楽待コミュニティ区分版」にご一緒して頂いた石渡浩先生でした。

↓第26回お宝不動産セミナーの詳細はこちら↓
http://www.otakarafudousan.com/seminar/seminar_26.html

学生時代、株の裁定取引を得意とされていらっしゃっただけに、株の世界と不動産投資の世界を異次元接続して、誰も切ったことのない断面で切断した。
それを融資という異次元にワープして接続した。
と形容できるような、驚くべきノウハウを大公開して頂けました。

無限のかなたの空間にゴールがあるような、かつてない投資方法。
これからどうなって、更に何処へワープして行くのか、凡人の私には全く想像だにできない脅威の世界を見せて頂きました。

こうした深く体系的なお話は、セミナーだからこそじっくり伺えるお話で、普段の会話だけでは(私の頭では)なかなか難しいことです。

不動産セミナーでは、こうした自分だけの頭では全く気付くことすらできなかった見地から、投資の境地に開眼させて貰えます。
それは、先生のお話からのみならず、参加者同士で情報交換させて頂くことからも広がります。

あるセミナーで知り合った区分投資家の方は、偶然にも10年以上も前、私が住んでいた自宅マンションの隣のマンションにお住まいだった方でした。
ご近所同士でも顔も御名前も存じ上げなかったのですが、それが不動産投資セミナーでお知り合いになれたのですから何とも奇遇です。

その方は、200~300万円程度の地方の区分物件だけを現金購入専門で投資しておられます。
そして、それら物件の管理組合理事長になり、管理組合集会を運営するのがご趣味なのだそうです。

現在は既に定年退職されておられるので、奥様とお二人で全国管理組合集会の旅に出るのが何よりの楽しみなのだそうです。

管理組合の理事長手当ては一般的に1~2万円ですから、とても引きあう金額ではありません。
しかし物件の大規模修繕工事の際は、業者見積3000万円の全棟大規模修繕工事を、合い見積もりと交渉によって1000万円以下で契約したこともあるそうです。
外壁施工方法や部材などについても非常に専門的な知識と情報をお持ちでした。

「それだけの建物管理の実力をお持ちなら、一棟物件に投資されてはいかがですか?」
とお話してみたのですが、
「高額の投資が自分に向いていないことは自分が一番良く分っています。家内と二人、全国区分物件の旅を続けるのが何よりも楽しみで、自分にはあっているんですよ」
とのことでした。

一方で先日の「楽待コミュニティ区分版」には、わざわざ中国地方の知人区分投資家の方が遠路、参加してくださいました。
彼は地方の区分ワンルームだけに投資しており、多くの物件を根抵当に入れて国金の融資を引く方法を得意とされておられます。

区分物件といえば、地震によるリスクは災害保険では完全にはリカバーできないのが大きな悩みです。
その対策として神戸で、阪神淡路大震災の震源地直近の物件でダメージ無く、生き残っている良い物件を買った。と言って、その物件情報を見せてくれました。

なるほど、実際の震災で生き残ったものだけを買う。
これ以上の安心はないのではないでしょうか?

これも、私が思いもしなかった視点でした。

都市部区分の立地ならではのコンバージョン

何度かコラムで申し上げているように、他の投資に較べて不動産投資の最大のメリットは、融資が引けることとリスクを自分でコントロールできることにあります。

株式投資などの紙系投資の場合、買った株が下落したからと、その会社の業績を自分の力で回復させて株価を戻すことはできません。
せいぜいコールとプットのオプションで上下両方のポジションを取っておき、相場の動きに応じて売買するなどになるのではないでしょうか?

しかし不動産投資の場合は購入後、物件の運営状態が悪化してきてしまった場合でも、大家さんが色々と対策することによってその業績を改善することができます。
つまり自分でリスクコントロールができるため、「ローリスク・ハイリターン」の領域へ投資を近付けられるわけです。

区分物件は不動産投資の中では最も自己裁量権が小さく、リスクコントロールしにくい物件です。
建物管理に一切手間がかからないメリットの半面(管理費・修繕積立金により、割高な費用はかかりますが・・・)、自己裁量権が自己所有の専有部分に限定されるからです。

しかしその自己専有部分だけの裁量権を使うことで、ある程度のリスクヘッジが可能なこともまた事実です。

今月は、リーマンショックなどの影響で家賃収入が絶たれた物件を、コンバージョンでリスクヘッジした事例を御紹介させて頂きます。

一棟新築物件を手がけていらっしゃるバリバリの大家さんとでは比較になりませんが、この事例を一つのサンプルにして、区分物件での特徴などを皆様とご一緒に復習できればと思います。

まずは小額で手軽な小さな区分物件でこういった工事を体験してみて、ご自身に適していると分れば大きく発展させれば良いでしょう。
一方、これは時間・エネルギーともにとても大変で付き合いきれるシロモノではない。
と感じたら、工事は必要最小限にして売買と賃貸にだけに留める投資方法に徹する。
いずれにするか、選択肢の判断としてトライアル素材にできます。

購入の経緯

物件は渋谷区にある駅徒歩4分の16m23点ユニット、1986年築で総戸数約200戸の区分の1室です。

売り手のオーナーさんは自営業を営んでいる傍ら、資産管理法人を別に持って区分物件だけを沢山お持ちで、懇意にしている業者さんだけを使っていつも売りに出される方でした。

自営業と資産管理法人との決算の都合で、売値に関係なく、物件を現金化される場合があり、その時は良く声をかけていただけます。

その場合、売値は無く
「芦沢さんの方で、好きな値段を言ってください」
といわれます。
この同じ法人さんからはこの物件を含めて4室をお譲り頂いています。

同じ売主、同じ仲介業者の担当者、同じ買主という一定のルートで、何物件も短い期間で売買実績回数が構築される。
というのも、個人レベルでは区分だからこそ出来ることだと思います。
このルートが構築されると物件探しの手間が劇的に軽減され、有利な物件を仕込めます。

2006年に480万円、家賃6.8万円、表面利回17.2%でお譲り頂きました。
前オーナーが借上保証契約をしていたのでそれをそのまま引継ぎ、保証家賃4.7万円に対するネット利回は11.8%でした。

渋谷区でこの物件規模と築年、借上保証でこの利回は悪くはありませんが、購入時は大きなリスクがあると考えていました。
それは、通常の居住用でなくホテルとして業者が借り上げていたので、保証家賃といっても実態はホテルの利益からの配当金と同じなのです。
つまりこのホテル会社の株か社債を買ったようなものです。
(といっても非上場会社ですからそれは不可能ですが・・・)

リカバリーストーリーを描いて購入

この運営形態を考えると上記の条件は簡単に手を出せる価格ではありません。
ホテルだけの運営に限定されるならこの半額程度がいいところかもしれません。
居住物件の家賃はある程度将来が予想できますが、ホテル事業の利益は全く別の要素から将来変わってくるリスクがあるからです。

つい先日も日本航空の経営破綻のニュースが話題になりましたが、ホテルや航空事業は利益を上げるのが大変なことで良く知られています(私の身内にもJALのパイロットや地上勤務員がおりますので事例に挙げさせて頂きました)。

私のような素人が申し上げるまでもございませんが、客数に関係なく固定費が一律にかかり、一方、部屋や座席を時間で切り売りするビジネスですから、売れ残った時間は形ある在庫とは異なり、永遠に取り戻せないからです。

一般居住物件の空室とは比較にならないほど、小口化した時間を切り売りしているわけです。

しかしこの建物全体の管理は、ホテルと一般居室が混在しており、共用部の外見をホテルとして保てば、専有部はオーナーの裁量で一般居室としてもOKとなっています。
つまり、ホテル事業の経営状態によっては借上げ保証を解約して、一般住居物件にいつでも切替できるわけです。

建物共用部がホテルというのは不便な面もありますが、[見た目]は「腐っても鯛」です。
ロビーや床には赤い絨毯が敷き詰められ毎日清掃されます。
一般マンションではとても考えられないハイレベルのメインテナンスです。
自主管理の一般居住用物件として運営した際は、同等の専有部他物件に対して自動的に差別化できます。

ホテル経営がこのまま順調に行ってくれれば、渋谷でネット利回り11.8%の家賃保証物件です。

万が一ホテル経営状況が悪化した場合は、借上保証を解消して一般居住物件で運営すれば、当然手取り家賃をアップさせたハイクラス管理の居住物件に変身できます。

どちらになってもOKなのが面白かったので購入してみました。