みなさんこんにちは。MOLTAこと盛太志(もるた・しるす)です。この連載は、初心者の方のための不動産実践講座です。
前回の記事では、「目利き力を養え! 金融機関への持ち込み物件はこうやって探す」と題し、星の数ほどある物件情報の中から、どうやって自分に合った物件を探し出すか? というテーマでお話させていただきました。
ただ、良い物件情報に巡り合えたとしても、すぐに金融機関に飛び込んではいけません。その前に、大事なプロセスが1つあるのです。それが「物件情報の精査(机上調査~現地調査)」です。
これから数回に渡り、得られた物件情報を元に、机上で、そして現地で、さらに深堀りして物件を見極めていくための手法についてお話ししていきます。今回のテーマは「物件資料」の見方です。
連載ラインアップ(予定)
第1回:まずは自己紹介 ~不動産って素晴らしい~!
第2回:自分に合った「ビジョン」の確立と、その実現計画の策定~MOLTA流不動産5W1H~
第3回:「金融機関」へのアプローチ法(前編) ~3ステップで分かる! 絶対に知っておくべき金融期間の基礎知識~
第4回:「金融機関」へのアプローチ法(後編) 紹介と飛び込みはどちらが有利? 訪問NGのタイミングは? 金融機関攻略のキホン
第5回:目利き力を養え!物件情報の収集と選定メソッド 金融機関への持ち込み物件はこうやって探す
第6回:1枚でここまで分かる!「物件概要書」の見方を極めよう
第7回:「収支シミュレーション」の考え方
第8回:「売買契約・決済」の取り組み方、事前準備
第9回:「管理会社」とのコミュニケーション術
第10回:どう切り抜ける? 「トラブル」対応テクニック
第11回:次を目指したい! 「2棟目」融資アプローチ
第12回:税理士任せにしない! 「決算書」を良くするノウハウ
第13回:判断のポイントは? 「物件売却」に必要なこと
第14回:専業か? 兼業か? スタンスの決め方
第15回:不動産賃貸業の「魅力」と「リスク 」
全物件を詳細に検討するのは「不可能」!
具体的な調査の方法についてお話する前に、物件探しのちょっとした「心構え」についてお伝えしておきたいと思います。
今後、みなさんが不動産投資家をめざして物件情報を集め出すと、日々、驚くべき数の物件情報が飛び込んでくるようになります。
楽待などのポータルサイトにアップされる新着物件や、不動産会社さんからのメールマガジン、個別に送られてくる物件情報、あるいは大家仲間からの紹介などです。
それらすべてを把握し、現地調査を行って選別していこうとすることは、まず不可能でしょう。それに、良い物件は、やはり足が早いものです。ため込んで時間のあるときにまとめてチェックするのではなく、物件の鮮度が高いうちに、どんどん見極めを進めていく必要があります。
ですから…
1.まずはざくっと情報を把握し、フィルタリングしていく
2.その結果残ったものについて、机上調査~現地調査と深堀りしていく
このような2段階のアプローチが必須となります。本章では、その見極め方法について、お伝えしていきたいと思います。
その前提として、まずは物件精査の全体の流れを把握しておきましょう。物件情報の紹介を受けると、概ね以下の流れで検討を進めていくことになります。
一次選考…書類調査(マイソク、レントロール、登記簿謄本など)
二次選考…ネット調査(次回解説予定)
最終選考…現地調査(次回解説予定)
今回はこのうち、一次選考にあたる「書類調査」について見て行きます。全体を俯瞰しつつ「ここだけは絶対に押さえておいてほしい」というポイントに絞って、分かりやすく解説したいと思います。
一次選考:書類調査
~ここが入り口! 多量の物件情報から、お宝を見つけ出す!~
不動産会社さんから物件情報をもらい、やり取りを繰り返す中で、以下の資料が手に入ると思います。
1.物件概要書(マイソク)
2.レントロール
3.運営費(ランニングコスト)
4.修繕履歴
5.固都税明細
6.登記簿謄本
7.その他(特記事項)
これらの資料にはさまざまな情報が書かれていますが、ただ漫然と見ているだけでは、「調査」にはなりません。以降では、順番に見るべきポイントを紐解いてみましょう。
書類調査は、物件の精査においてとても重要なパートです。チェックすべきポイントも多岐に渡りますので、解説もどうしても長くなってしまいます。今回は中でも特に重要度の高い「物件概要書」(マイソク)についてご説明します。
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