■質問その3「億の投資(借入金)はできますか?」
これは、不動産投資の方向性として、「どのような構造の物件からスタートすれば良いか」を判断するための質問です。

億単位の投資(借入金)ができる方であれば、最初から一棟RC(鉄筋コンクリート)マンションの検討も可能です。そうでない方は、区分マンション、一棟W(木造)アパート又は一棟S(軽量鉄骨・鉄骨造)アパート・マンションからのスタートをお勧めします。

■質問その4「自己資金は?(資産の棚卸しをしましょう!)」
自己資金額がわかれば、購入できる物件の最高額がわかります。赤枠内は、自己資金1,000万円、購入諸費用を物件価格の6%と仮定した場合で、「物件価格の何割を借り入れるか」によって、購入できる物件価格を逆算した例です。

・フルローン(全額借り入れ、自己資金は諸費用のみ)の場合
  1,000万円÷6%=1億6,666万円(物件価格)

・自己資金1割(9割借り入れ、自己資金は物件価格の1割と諸費用)の場合
  1,000万円÷16%=6,250万円(物件価格)

この例からも、投資家様の半数以上はフルローンをご希望になります。なお、弊社が取引しているフルローン融資の可能性のある金融機関は、そのほとんどが、対象物件を一棟RCマンションとしています。

また、投資家様の属性(収入条件、資産状況、居住地、勤務先、家族構成)と、投資物件の内容がマッチングしないとフルローンは組めません。よって、皆様のおかれている状況をきちんと把握する必要があるのです。

そこで、後述します「簡易バランスシート」を作成して、資産全体を把握することをお勧めします。

以上「4つの質問」をとおして、お互いの不動産投資に対する認識を共有化させ、投資家様の資産状況や属性と、ご希望の不動産投資スタイルにミスマッチはないか、どのような構造の物件に投資していくかを検討していきます。

不動産投資のロードマップ

既に複数の収益物件を保有している方の傾向を大別すると、以下の3パターンになります。

● A型
区分マンションの複数戸購入から始め、次に一棟アパートや一棟マンションを購入していく

● B型
積算が高い一棟アパートを購入し続け、いずれは一棟RCマンションを視野に入れる

● C型
一棟RCマンションを購入し続け、いずれはリスク分散として、一棟アパートを視野に入れる

最近は最初から一棟マンションを購入するC型を選択する方が非常に多く、実際に私の取引事例は一棟RCマンションがほとんどです。

下の表は、区分マンション、一棟アパート、一棟マンションのメリットとデリット等について、代表的なものを簡単に整理したものです。

項目 区分マンション 一棟アパート(W・S) 一棟RCマンション
投資金額
空室リスク 0か100※1 分散可能 分散可能
部屋条件 階数選択可 必ず1Fがある 必ず1Fがある
入居条件 管理組合調整有
(ペット・リフォーム等)
自由 自由
立地条件 駅近選択可 積算高は駅から離れる 積算高は駅から離れる
立地リスク 分散可 火災、事件リスク有 火災、事件リスク有
手間ヒマ 数を増やす場合
費用・時間を要す
一度で数戸 一度で二桁戸数
5棟10室定義※2 時間を要す 短期間で達成可 短期間で達成可
管理委託費 下げにくい 下げやすい 下げやすい
担保価値 高※3 高※3
借入機関
(中古購入の場合)
クレジット会社
信販会社等
地銀、信用金庫等 都銀、地銀
信用金庫等

※ 1 戸数を増やすことによって回避可能
※ 2 個人事業の場合、青色申告特別控除(65万円)が利用可
※ 3 区分マンションを基準にした場合(物件による)

他にもありますが、物件毎のメリットとデメリットを理解し、自分の投資スタイルにあった物件からスタートしてください。