これは、不動産投資の方向性として、「どのような構造の物件からスタートすれば良いか」を判断するための質問です。
億単位の投資(借入金)ができる方であれば、最初から一棟RC(鉄筋コンクリート)マンションの検討も可能です。そうでない方は、区分マンション、一棟W(木造)アパート又は一棟S(軽量鉄骨・鉄骨造)アパート・マンションからのスタートをお勧めします。
■質問その4「自己資金は?(資産の棚卸しをしましょう!)」
自己資金額がわかれば、購入できる物件の最高額がわかります。赤枠内は、自己資金1,000万円、購入諸費用を物件価格の6%と仮定した場合で、「物件価格の何割を借り入れるか」によって、購入できる物件価格を逆算した例です。
・フルローン(全額借り入れ、自己資金は諸費用のみ)の場合 1,000万円÷6%=1億6,666万円(物件価格) ・自己資金1割(9割借り入れ、自己資金は物件価格の1割と諸費用)の場合 |
この例からも、投資家様の半数以上はフルローンをご希望になります。なお、弊社が取引しているフルローン融資の可能性のある金融機関は、そのほとんどが、対象物件を一棟RCマンションとしています。
また、投資家様の属性(収入条件、資産状況、居住地、勤務先、家族構成)と、投資物件の内容がマッチングしないとフルローンは組めません。よって、皆様のおかれている状況をきちんと把握する必要があるのです。
そこで、後述します「簡易バランスシート」を作成して、資産全体を把握することをお勧めします。
以上「4つの質問」をとおして、お互いの不動産投資に対する認識を共有化させ、投資家様の資産状況や属性と、ご希望の不動産投資スタイルにミスマッチはないか、どのような構造の物件に投資していくかを検討していきます。
不動産投資のロードマップ
● A型
区分マンションの複数戸購入から始め、次に一棟アパートや一棟マンションを購入していく
● B型
積算が高い一棟アパートを購入し続け、いずれは一棟RCマンションを視野に入れる
● C型
一棟RCマンションを購入し続け、いずれはリスク分散として、一棟アパートを視野に入れる
最近は最初から一棟マンションを購入するC型を選択する方が非常に多く、実際に私の取引事例は一棟RCマンションがほとんどです。
下の表は、区分マンション、一棟アパート、一棟マンションのメリットとデリット等について、代表的なものを簡単に整理したものです。
項目 | 区分マンション | 一棟アパート(W・S) | 一棟RCマンション |
---|---|---|---|
投資金額 | 小 | 中 | 大 |
空室リスク | 0か100※1 | 分散可能 | 分散可能 |
部屋条件 | 階数選択可 | 必ず1Fがある | 必ず1Fがある |
入居条件 | 管理組合調整有 (ペット・リフォーム等) |
自由 | 自由 |
立地条件 | 駅近選択可 | 積算高は駅から離れる | 積算高は駅から離れる |
立地リスク | 分散可 | 火災、事件リスク有 | 火災、事件リスク有 |
手間ヒマ | 数を増やす場合 費用・時間を要す |
一度で数戸 | 一度で二桁戸数 |
5棟10室定義※2 | 時間を要す | 短期間で達成可 | 短期間で達成可 |
管理委託費 | 下げにくい | 下げやすい | 下げやすい |
担保価値 | 低 | 高※3 | 高※3 |
借入機関 (中古購入の場合) |
クレジット会社 信販会社等 |
地銀、信用金庫等 | 都銀、地銀 信用金庫等 |
※ 1 戸数を増やすことによって回避可能
※ 2 個人事業の場合、青色申告特別控除(65万円)が利用可
※ 3 区分マンションを基準にした場合(物件による)
他にもありますが、物件毎のメリットとデメリットを理解し、自分の投資スタイルにあった物件からスタートしてください。
この連載について
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世界金融危機・不動産不況の真っただ中。自ら戦略を立て、コンサルティングを実施し、半年で19億円の取引実績を誇った大野晃弘さん。「不景気な時代にどう動くべきか」という購入の戦略と戦術を、事例を交えてお伝えします。
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