なぜ”プロ”のアドバイスが必要なのか?

2月22日、日銀が0.25%の利上げを決めました。
2月末からは、中国、米国の影響を受け、日本の株式も大きく下落。
もはやマネーに国境はありません。

激動するマーケットの中で、私は前回のコラム「第4回 物件調達のポイント」にも書いたように、年度末に出やすい掘り出しモノ物件に数多く出会い、忙しい毎日を過ごしています。

今回は、「事業としての不動産投資」を考えていきましょう。

個人不動産投資家の多くが、ローンを早く返したいと考えています。

しかし私は、元本を返し終わるまでの20~30年間は、税引き後のキャッシュフローが回っていればいいと考えています。

逆に言うと、20~30年間の長期に渡って回らなければダメだという考え方です。

ローンがゼロになれば金利は発生しませんが、その分、税金を納めることになります。
尚且つ、相続税対策にもなりません(不動産の評価は下がるので、一部、相続税対策になりますが)。
ローン(負債)も資産なのでそのまま引き継げるわけです。

借金も戦略の一つなのです。

不動産投資を事業として考えた場合、有効な方法の一つは、プロを使うということです。
そして、費用をケチらないこと。そこをケチると損をします。

税務やコンサルティングというコストを欧米では惜しみません。

プロはリスクをどのようにヘッジ(防衛策)するかを計算します。
金利上昇リスク、空室リスク、自然災害リスクなど、
これらをどうヘッジするかをシミュレーションして、限界値がどこかを見出す。

入居率が下がっても家賃がゼロ円になることはありません。
入らなくなったら家賃を下げればいいわけです。

例えば古い木造アパート(1DK)の家賃をいくらまで下げたら人が入るのか?

その地域では生活保護を受けている人の平均家賃が5万円だとすると、家賃のボトムを設定することができます。
最低でも家賃5万円を確保できるとし、その物件を買うべきかどうかを検証するのです。

私はクライアントにそういったことを説明して「それでもやりますか?」と判断を仰ぎます。
最終的にはクライアントのリスクですよ、あなたの判断ですよ、と。
私としては判断材料を与えるだけです。決して購入を進める事は致しません。

ここが不動産業者との違いになりますが、
彼らは仲介が成り立たないとフィーを貰えませんので、兎に角、売買が成立する様にがんばります。
不動産業者は、投資家が購入した後の事は考えませんので、要注意です。

いろいろなシミュレーションについては個人投資家でも考えることができますが、プロの方が正確かつ客観的です。
また、投資家としての経験があるアドバイザーの方が悩んだ時のアドバイスも的確です。

だから私は不動産を事業として考える上ではプロの意見を聞く必要があると言うのです。

法人化のメリットとデメリット

法人化するか、個人で不動産所有するかは、個人不動産投資家ごとに選択します。

簡単に言うと、事業を拡大するつもりなら法人化したほうがいいし、一棟でいい人は法人化しなくてもいいわけです。

法人化の決め手には、年収も関係があります。
年収に不動産収益がのった際、最高税率になってしまう方は法人化したほうがいいですね。

法人化は将来の相続税対策になるというのも大きい点ですが、あまり皆さん考えていないのが現実です。

そして、法人化には不動産売却時のメリットもあります。

会社法改正で会社を作るのが簡単になった今、私が考えているのは、“不動産一棟につき一法人”という戦略です。

不動産の売買には、移転登録費用や不動産取得税、抵当権設定費用などの様々な税金やコストがかかります。
ところが会社ごとM&Aすれば、理論上、株式売却で済んでしまうわけです。
いろいろな面で節税効果を生みます。

ただし問題もあって、その法人が借金をしている場合は、銀行の了解がなければM&Aできません。
銀行としては、次のオーナーに返済能力があるか、黒字化しているかなどを精査してきます。

ある意味これは”究極”の戦略です。
このメソッドを確立すると、不動産業者が必要なくなってしまいます。

仲介手数料がいらない。しかも安価で売買できる。

そのかわり株式売買のために、物件のデューデリジェンス(査定)が必要ですが、コストは不動産売買の諸経費に比べたら断然安いわけです。

以上のように、法人化はいろんなことを可能にします。

さらに節税対策の自由度も高い。
物件を買い増していく上でも、黒字化していれば銀行からの資金調達がしやすい。

もちろん、法人化には税理士などを雇うコストがかかる。
赤字でも税金を均等割りで年間7万円納めなければならないなどのデメリットもあります。

こういったメリットとデメリットを検証し、不動産投資を事業として考えていきましょう。