成り行きでスタートした”事業”

今回は「次に狙っている他の事業展開」について書く予定でしたが、その前に、成り行きで手掛けることになった”事業”について書くことにしました。

それは不動産投資アドバイザリー事業です。

不動産投資アドバイザリーとは、クライアントの建物のプランニングから、業者の選定、資金調達、税金対策、法人化、相続対策など、そういった不動産投資に関わるすべての流れに対しアドバイザリーを行なう業務です。

正直言いますと、サラリーマンを辞めた2年前の時点で、自分がアドバイザリーとしてクライアントをとり、フィーを頂くなどということは想像もしていませんでした。
むしろ、個人投資家としてアグレッシブにどんどん投資していくというのが独立当初の戦略だったのです。

ところが、サラリーマンを辞めた直後、当たり前ですが、いきなり会社に行かなくなり、時間があってもスケジュールが全然埋らない状況で不安が募っていきました。
今までは、部下がいて、上司がいて、クライアントがいて、仕事の上で分刻みのスケジュールをマネージメントするのが大変でしたが、今日からは何も無い状況です。

個人投資家としての成績は順調で生活も安定していましたが、傍から見れば贅沢な悩みに映ったかもしれません。
それでも、私の中では、このまま不動産投資だけでやっていくのかという自問自答が続き、今後どうやっていこうかと約1か月にわたり考え込んでいました。

そんなとき、ある資産家の方から、「今後、持っている土地の有効活用を考えていきたい。」という相談を受けたのです。
私も時間があったものですから、「いろいろ検討してみます。」と快諾した。
これが独立後、はじめての”仕事”になったのです。でも、そのときは、フィーを貰う気はなく、無償サービスのつもりでした。

それまで私は、建物を作る作業やいろいろなパターンの不動産投資をやってきたので、資産家の土地活用アドバイザリーは非常に楽な、そして楽しい作業でした。

まず、相続をどう考えるか。
そのクライアントの全資産の背景を見て、どういう形にもっていくのがベストか。複数のプランを出し、クライアントや税理士と話し合いながら、最終的には、その土地に新築マンションを建てることになりました。

新築マンションを作るということは収益物件ですから、コストのかかる業者にお願いしたら意味がありません。そこで何社かに見積りをとり、私は”プロ”としての仕事を始めたのです

不安から開放されたのか、仕事をしている自分が楽しくて、どんどん突っ込んで話を進めていきました
まるで自分のマンションを作るかのように事業計画の策定、資金調達、デザインや基本設計の打合せ、コストダウンについての検討、現場での監理(一応、一級建築士なものですから)、賃貸募集及び管理についての検討など、気が付いたら全てのことを行っていました。

そしてあるとき、そのクライアントから「今後のこともいろいろと相談したいので、きっちりとフィーをとってくれないか。」といわれました。
「はじめからフィーを取るつもりはなかった。」と伝えたのですが、クライアントはこう言いました。
「いや、これだけのことをアドバイスして貰い、行って頂いているのだから、フィーを払わないと言うのは、非常に気持ちが悪い。逆に今後のことを相談しづらくなってしまう。」
それで初めて、そういうものかと気づいた次第です。

確かに、アドバイザリーにフィーを払うのは欧米では当たり前の話。とはいえ、私はフィーを貰うスタンスでやっていなかったので、「じゃあ、いくら貰えるのですか?」とクライアントに質問したところ、「それはあなたが考えなさい。」と言われてしまいました(笑)。

こうやって、投資家の私にしては予想外な展開から、不動産投資アドバイザリー事業がスタートしたのです。

アドバイザリーとコンサルティングの違い

日本の不動産業界では、このような業態をコンサルティングと言うのが一般的です。
しかし、私はコンサルティングとアドバイザリーを分けて考えることに拘っています。

コンサルタントとは、クラインアトの立場で考えるのではなく、あくまでもプロフェッショナルとして、自分のノウハウでコンサルティングしていく 。
つまりクライアントの全立場を背負っていません。ある一定の線を引いているのです。

しかし、アドバイザリーは違います。
アドバイザリーは、自分が今まで経験してきたことを基にアドバイスをしていくことだと私は考えています。ノウハウをクライアントに与える部分は同じですが、立場が違います。
不動産コンサルタントの中に自らも不動産投資をガンガンやっていて、だからコンサルタントなんだよ、という人はあまりいないでしょう。

私の場合は、自分がやっていてそれを基にアドバイザリーとしてアドバイスをしていく。
だから、クライアントの立場に立つことができる。

それ以外にその人の家族のことまで突っ込んで、その人の家族全体にとって将来どの様もっていけばいいかを考える。
それを基にアドバイスしていくのが私のアドバイザリーという考え方です。
普通、コンサルタントはそこまで突っ込まないですよね。

ただし、アドバイザリーの危険なところは、お互いの信頼関係が一歩崩れると成り立たない世界ということ。非常に怖い世界ですよね。
常にクライアントと私がWin-winの関係でないと成立しません。

例えば私が失敗者なら関係が成り立たないし、私がうまくいっていてもクライアントが失敗したらその時点で関係は終わりです。
ところがコンサルタントというのは、そこまで突っ込んでやりません。リスクヘッジのため、ある程度のところで線を引く。

そんなWin-winの関係でいけるアドバイザリーが私の目指す姿です。
前回書いたプライベートバンクにも繋がる部分があるかもしれません。

じゃあ、プライベートバンクもどこまでやるのか。という部分があります。
彼らもそこの線引きを明確にしているわけではなく、クライアントがお願いするとそれにあわせて動いてくれます。ただし、彼らはリスクを取りません。

あくまでもクライアントのリスクで、判断するのもクライアントです。私も常にクライアントにはそれを説明しています。

「これは私のリスクではありません。判断するのも私ではありません。私が話していることには、意見と情報が含まれています。それを基に理解しから、判断して下さい。」と。
そういった欧米的な考え方が私の目指すアドバイザリーにはあります。