趣味と実益を兼ねたリハーサルスタジオ事業

学生時代から、私はドラマーとしてバンドをやっています。
いろいろな曲を演奏してきましたが、昔から、アマチュア向けのリハーサルスタジオ(以下リハスタ)を運営したいという夢を持っていました。そして遂に、夢が成立する直前まで来ています。

まずは渋谷の約20億円の物件。最終的には融資がつかず上手くいきませんでした。
次は麻布十番の物件。これも融資がつきませんでした。
私のように多くの不動産を所有する者でも、なぜ融資がつかないのか?
銀行マンはこう答えました。
「松村さん、不動産投資だったらいくらでも出しますよ。でも、新しい事業への融資は簡単にはいきません」

いくら不動産投資で実績があったとしても、この場合、銀行側は「新規事業リスクがある」という判断をします。
新規事業としてのリハスタへ、お金をひっぱるのは非常に難しいんですね。
更に、不動産投資ではない”ふつうの事業”の場合、仮に融資を受けられたとしても、5~7年程度で返済しなければならない。
それも、リハスタのように不動産が付随した事業となると、何億、何十億円単位の融資となる為、短期では不可能となる。

渋谷と麻布十番のケースで、融資を受けることが難しいとわかった私は、次の戦略として、不動産を購入せずに借りてリハスタ運営へのチャレンジを考えました。
実績をつくってから、物件購入しようとしたのです。
そして、自由が丘の物件を借りようとしたのですが、これも最終的には賃料で折り合いがつかず、最終的にオーナーさんに購入をすすめられるという展開になり、頓挫しました。
自己資金2000万円を投入し、融資を受けずに賃貸でやろうと腹をくくっていましたが。
惜しかったですね……。

リハーサルスタジオは、なぜ収益率が高いのか?

リハスタは、新規だと防音工事が大変です。
なので、既存のスタジオか防音工事が行ない易く、アクセスの良い建物を探すことになり、物件探しが困難を極めます。

でも、物件探しが困難で、初期コストのかかるリハスタですが、一度事業としてスタートすれば、潰れる可能性の低い事業なのです。
更にアマチュア向けのリハスタだとほとんど潰れたという話を聞かない。

だからこそ、自己資金2000万円を投入してでも、自由が丘の物件で実績をつくりたかったんですが、今回は縁がありませんでした。
今は実績を作るまで、自己資金の範囲内でできる物件を探しているのが現状です。

リハスタが潰れにくい理由として、まずは「需要増傾向」があります。
ビートルズ世代だった団塊世代が退職し、暇を持て余して、楽器を始めるという需要。
また、若いアマチュアミュージシャンたちの間ではインディーズが広がっていますから、安価でCDを出せる。
それをネット上で売買できる流通が出来上がっているという需要。

次に、リハスタ事業は一線を越えるとすべて儲けという「収益率の高さ」があります。

リハスタのランニングコストはアルバイトの人件費ぐらいで、あまりかかりません。
しかも、アルバイト希望者が結構いる。約3年で元がとれる計算です。

利益率は稼働率に影響されますが、一時期、カラオケボックスが隆盛したのと同じ理論で
(現在カラオケボックスは価格競争おこって大変ですが)、ボックス貸しは、ランニングコストが固定のため、収益が上にブレた分はすべて利益となる仕組みなのです。

リハスタ事業で一番難しい部分は、昼間の稼働率をどう上げるか、です。
17:00以降や土日は心配しなくても埋まってしまうので、昼間をどうするかが事業の鍵になります。
その場合に、音楽学校なり、団塊世代の音楽スクールなり、いろんな考え方があるんですけど、それらで稼働率を上げていく。
あとは、今の音楽メディアはCDですが、将来はCDが無くなり、レコーディングしたら光ケーブルを利用し、そのままインターネット上で流通に乗るというメディアに変わっていくはずです。つまり、スタジオで録音したものが、そのままレーベルに出せる世界が出来上がるわけです。
そういった時代へ向け、リハスタ内に次世代に対応したレコーディングスタジオの併設も考えています。

そして、リハスタ事業の醍醐味に、ミュージシャンの発掘があります。
私がいいと思う若手ミュージシャンをデビューさせてあげる。
不動産投資とまったく違う”音に対する投資”。
将来的にできたらいいなあと思っています。
まあ、音への投資は「当たればいいや」という感覚で、若い人を盛り上げる。
そんなふうになれたら最高。
でも、そこに到達するまではまだまだ壁があります。
焦らず、いつか実現したい夢ですね。

レジデンスを中心とした不動産投資と、このリハスタ事業の収益率を比べると、後者のほうが相当高い。
なんせ、上手く行けば3年で元がとれる世界ですから。
それでも、水商売ゆえ、あまり大手が参入せず、こじんまりできる商売でもある。
他の投資やビジネスもあるので、慌ててはいません。いずれチャンスが来るでしょう。
リハスタ事業は趣味の世界ではあるのですが、不動産と絡めて、尚且つ収益も上げられたら、最高ですよね。
そこからメジャーデビューするアーティストが出たりしたら。考えただけでも音楽は楽しくって、夢が膨らみます。