魅力的なアメリカの商慣習

昨年10月のアメリカ(ボストン、サンフランシスコ、ロサンジェルス)への出張では、多くの人に会いました。
不動産業者、銀行、保険関係者、ビザ関係の弁護士、税理士など。
アメリカの面白いところは、電話すれば、まずは会ってくれることでした。日本ではファーストコンタクトするまでにあれほど苦労した銀行も、すぐにOKが出ました。

アメリカでの資金調達の特徴は、その道のプロであるファイナンスアドバイザーがいることです。物件調達では、不動産ブローカー、ビザに関しては弁護士、税金はCPAと専門家が出てくる。
そして、資金調達においては、私たち購入側はファイナンスアドバイザーにお金を払う必要はなく、その費用は銀行が負担します。いろいろな銀行で相見積もりを取り、最終的には一番条件のいい銀行に決めることができるのです。

当然、銀行はファイナンスアドバイザー経由を嫌がりますので、直接に融資したがります。それを利用して、ファイナンスアドバイザーよりも好条件の融資で有れば、そちらを利用すれば良いのです。

また、アメリカの不動産売買では、エスクローと言う機関が売主と買主の間に入るシステムとなっており、非常にディスクローズされた状態で売買を行うので、不正ができない仕組みとなっています。

ところが日本では、不動産業者が全てを取り仕切り、銀行は最後のチェック機能となる程度で、個人の不動産投資家には冷ややかな対応となるのが大半です。
この面だけをとっても、日本とアメリカはとても対照的な商慣習であるといえます。

私はサラリーマン時代に、イギリスにおりましたが、それと比較してもアメリカは格段にビジネスチャンスが拡がっている国だと実感しました。
また、アメリカのビジネスシーンでは、人種や老若男女なんて本当に関係ないですね。
ミーティングも日本語と英語交じりのメチャクチャなものでしたが、伝われば問題なしという感じなのです。不況で暇なのかな?とも思いましたが(笑)、みなさん気さくで、親切。
そして、「松村さん、次はこの人に会ったほうがいい」と次々に人を紹介してくれるのです。

もちろん、サブプライムショック以降、なかなか不動産が売れない時期です。
日本で不動産投資の実績がある私みたいな者が行くわけですから、彼らの中に「カリフォルニアの不動産投資はいい」と日本へ発信してもらいたいという気持ちがあることは織り込んでいます。

それらを差し引いても、アメリカのオープンマインドな商慣習には魅せられるものがありました。

アメリカの不動産事情

昨年10月の時点では、「アメリカの不動産価格はまだまだ落ちていくだろう」という私なりの読みがありました。
今年4月に再度渡米した時に、その読みは的中しておりました。

下落率は、立地がいい人気の地域は、ピーク時の2割減程度に止まっています。それでも10年前の価格に比較すると2~3倍。現在50万ドルの物件を、97年当時に買っている人は20万ドル以下で買っている。10年前の価格を見てしまうと割高感はあります。
(アメリカ不動産の特徴の一つに「過去の履歴、物件が出来た時から現在までの売買価格や所有者が全てわかること」がある。よくわからない日本の不動産登記簿とは対照的)

しかし、サブプライムショック前の半値になっている地域もあります。
その一例がラスベガスです。今年の夏に完成予定で施工を進めている75万ドル新築物件(ラスベガスの一等地)があります。昨年のサブプライムショック前にその物件の手付け金15万ドルを支払った人がいたそうですが、現在、40万ドルでも売却できないと嘆いているそうです。不動産投資として、非常に怖い例ですね。

ところが逆に言うと、サブプライムで家を追い出された人々の賃貸ニーズが上がっているのです。つまり、今のラスベガスでは、仕事があるけど住むところのない人が増えているということ。ラスベガスの市街地へ車で15分程度の住宅地に、20万ドル程度の物件を購入すれば、利回りが10%程度になる計算です。
私にとってラスベガスに住むのは微妙ですが、不動産投資案件としてはアリだと思いました。

「ベガスに不動産を持っていて」っていうと、話のネタになりますしね(笑)。

まだまだ厳しい市場の中で

アメリカの不動産市場はまだまだ厳しい状態が続くと見ています。

それでも私は、今年の夏を目処に、立地のいいL.A.のオレンジカンウンティやトーランスあたりに物件を購入するつもりです。
前回のコラムに書いた通り、そこには私なりの戦略とライフプランが密接に関わっております。

9.11以降、自由の国アメリカも外国人に対して規制が増えており、住所がないと、ソーシャルセキュリティーナンバーや自動車運転免許書が取得できません。また、クレジットヒストリーがないと通常の融資を受けることもできないのです。更には、クレジットカードさえ作れません。

私が購入しようと思っている地域の物件は、ネット利回り6%程度。
純粋な不動産投資、収益還元法で考えた場合、金利も低いし日本のほうが条件はいいでしょう。
アメリカでは公定歩合の引き下げは続いていますが、ローンに関する長期金利は6%台と高いままです(変動金利で借りる手法もありますが、外国人にはプレミアムが乗り、変動でも6%程度。しかし、アメリカ人やクレジットヒストリーのある現地在住の日本人であれば5%程度になる) 。

それらを考えると、現在の想定利回りから、自己資金を半分ぐらい入れないと税引き後のキャッシュフローが合いません。45万ドルの物件を買う場合、20万ドル程度は自己資金を入れないと、投資戦略上、上手くいきません。

そこまでして、なぜ私がアメリカへの不動産投資に拘るのか?

繰り返しますが、そこには私のライフスタイル、人生設計があるのです。