楽待ユーザーのみなさん、今年もよろしくお願いします。
松村裕一です。

実は、前回のコラムを書いた直後に、私の人生に大きな変化がありました。
今回はそのお話から始めたいと思います。

人生、最大の危機!! 事業パートナーが突如、辞めることに!

2008年に日本法人、2010年にアメリカ法人の立ち上げに成功し、昨年の9月末ぐらいまでは社内旅行などもして、私もNさんをずっと一緒にやるパートナーだと思い、順調に来ていました。
前回のコラムでもお話していましたが、日本法人をNさんに任せ、私は今年アメリカに移住し、アメリカ法人での事業を本格的に進めていくという戦略を立てていました。

ところが、昨年、Nさんらの諸事情により、急遽辞める事になってしまいました。
日本法人もアメリカ法人も上手く行っていたので、私としては、「なぜ」と言う思いも有りましたが、こればかりは仕方の無いこと。

この2年間に日本法人には、今までの私の経験や仕事のノウハウ、ネットワーク及び経営感覚を全て蓄積してきました。
彼女もパートナーとして、一生懸命にやってくれていたのも事実です。

ただ、法人にとって代表取締役が辞めると言うのは、非常に大きく、大変である事は言うまでも有りません。

詳細は省きますが、結果的にNさんらは、日本法人から完全に手を引き、彼女は退任して、私が代表取締役となりました。

もちろん、経営者としては、パートナーや社員に何か有った時、つまり仕事を続けられなくなった時のリスクも想定していましたが、現実に起こるとは思ってもみませんでした。
私は既にアメリカの事業に専念し始めていて、日本法人に関しての仕事はNさんに任せていたので、さすがに頭を抱える状況になってしまいました。
人生、最大の危機です!

やはり拡大するためには1人ではできない。
そこで考えた結果、また新たなパートナーを探そうと動いてみることにしました。
ところが、ゼロからスタートするので話し合って決めるという状況とは違い、法人として形になったあとで、ある程度ブランドもでき上がってしまった会社にパートナーを探すとなると、まず初めに「じゃあ、一体いくらくれるの?シェアーホルダーはどうするの?」と条件交渉から入ってきてしまう。
そうなると、追い込まれていた私にとっては、厳しい交渉となり、時間もかかってややこしい。
結局、新しいパートナーを探すのは難しいという結論に至りました。

そこで一か八か、日本とアメリカを1人でやろうと決断したのです。
本来、組織であれば、一人で行うよりも大きな仕事ができます。
でも一人で行える仕組みを考えて、レバレッジを効かせれば、きっと大きな仕事ができると。

会社の経営もアウトソーシングやアメリカでも行われている、いろいろなマネージメント方式を採用すれば、それが可能となる。

このときNさんが抱えていた日本のプロジェクトが2つ、私がやっていたアメリカのプロジェクトが3つありました。
しかも、その全てのクロージングが10月と11月に重なるという、もう悲惨な状態で仕事をこなしていました。

日本とアメリカの両方をやるとなると、夜中の12時からニューヨーク、その後にロサンゼルスが開いてくるので眠ることができませんでした。

しかもタイミングが悪く、私の父が心筋梗塞で倒れて、緊急手術となり、病院での付き添いや、自分の会社のゴタゴタで、流石の私も精神的に参りましたね。

そんな状況でも私は、決して諦めませんでした。
経営者としての責任と夢を追い続けると言う信念から、逆にやる気が出て、「必ずこの厳しい状況を乗り越えてやる。」と自分に言い聞かせました。

妻にも色々と仕事を手伝ってもらいながら、なんとか無事に全てのプロジェクトを11月までに終える為には、今後の仕事を徹底的に効率化するしかないと思っていました。

私と妻だけで本当にやっていけるのだろうか。
彼女たちが辞めたら、パニックになるのではないか。
そんな不安があったのも事実です。

でも、実際に蓋を開けてみると、それは無駄な心配に終わりました。
なぜだったのか、その思いは私の中に納めておこうと思います。
実際に私がパートナーを選び、私の判断で進めてきたところが大きいので、やはり最後は私が責任を取るべきだと判断したのも自分自身だからです。

人と事業を行うのは、難しいものだと実感しました。
自分と同じ力、同じ考えを持った人が2人でも3人でも会社に居たら、事業拡大もできるし、成功もできると。

しかし、それは甘い考えでした。

ただ、そのことによって、一気に仕事の効率化を図り、現在は様々なことが、妻の手助けもあって、やりやすい状況になりました。

私は、もともとファミリーで仕事をする事に夢を抱いていました。
日本法人を立ち上げた時も、まずは自分の弟と妹に声を掛けたのですが、彼らにも家族が有り、直ぐにOKは出ませんでした。

私の弟は、某大手製薬会社のMRで、今は研究所にいます。
妹の夫は、某大手銀行ですし、私が手伝って、彼らも投資家としてマンションやアパートを所有しています。

ですので、弟が日本で私の代わりとなり、妹の夫が管理や財務を担ったら、最高のチームが作れると考えたのです。
しかしそれは、まだ実現していません。

彼らも会社内では、非常に良いポジションに就いていますし、年収も高く、「今は、仕事が面白いから、兄貴の会社へは行けないよ。そこまではリスクが取れない。」と言われてしまいました。

その様な経緯から投資家をパートナーとして探したのです。

ところが、今は、どうでしょう。
夢にも思わなかった妻と一緒に会社を運営している。

夢のファミリー会社です。
実は、これが非常に効率的なんですね。

どこに居ても打合せができてしまう。
スケジュールの事や管理の事、財務の事、今後の戦略やいろいろな事がいつでも話せる。
でも、気をつけないと朝から晩まで仕事になってしまいます。

それでも、これが今は、とても楽しい。
本当に今となっては、Nさん達に感謝しています。

別にこうなる事を狙っていたというわけではありませんが、また再び原点に戻ることで雨降って地固まりつつあるといったことなのかもしれません。

本来は家族で渡米し、地元の公立に入れるつもりでいましたが、日本法人が冒頭に書いたような状況ですので、すぐアメリカに移住するということが難しくなってしまいました。

ということで、完全移住を諦めたわけではありませんが、今年もしばらくは日本とアメリカを行き来するというライフスタイルが続きそうです。
ファミリー会社ですから、自由にのんびりと考えながらできますし、それも悪くないですね。
最初は、自分の人生も家族も、どうなるかと思いましたが、今では、2011年がどの様な年になるか、ワクワクしています。

次から次へと夢が膨らみますしね。ですので、皆さんも決して諦めない事です。

大変な事が有った後には、それを乗り切ると、必ず良い事が有ります。
そう信じていれば、どんなに辛くても、必ず乗り越えられます。

本当に人生と言うのは、何が起こるか分かりません。
私も去年の今頃は、こんな状態になるとは、想像もできませんでした。
私の夢と人生は、めまぐるしく変わって行きます。

しかも相当なスピードで、いつもスリル満点です。
時々、疲れますけどね。

次回は、最新のアメリカ不動産投資の話をしたいと思います。