「トラブル見本市」のような全空物件を購入し、大失敗してしまったという森崎達夫さん(仮名)。
前編では、物件購入の経緯と、その後発覚した物件の瑕疵、空室を埋められないまま月30万円のローン返済に苦しんだ過程を振り返った。
管理会社を変更することで何とか空室を埋めることはできたが、その後「入居してからしか分からない」さまざまな欠陥が発覚し、合計で500万円もの追加支出を強いられることになる。
森崎さんが購入した物件には、どのようなリスクが潜んでいたのか。どうすれば失敗を防ぐことができたのだろうか?
「入居しないと分からない」瑕疵が大量発覚
森崎さんは物件についていた管理会社Aとの契約を切り、個人で不動産会社を経営するBさんに管理を一任することにした。
Bさんの尽力により、徐々に空室は埋まっていったのだが…。
「入居がつけばつくほど、さまざまな場所で瑕疵が明らかになっていきました。設備を使ってみないと分からない不具合もある、ということに気が回っていませんでしたね…」
入居がついて水道の使用を始めたところ、しばらくして蛇口が詰まるトラブルが発生。水道管の上部に詰まっていた異物が流れだして蛇口に詰まったのだという。
業者に水道とつながる貯水タンクを調べてもらうと、タンクの接合が甘く水漏れも生じていることが発覚した。修理には数十万の費用がかかっている。
さらにその後、排水桝から水があふれてしまい、調べてみると排水管が逆勾配になっていることが判明した。実は地盤沈下が起きており、物件が傾くほどではないものの、排水管の位置に影響を及ぼしていたのだ。
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