「宮城県仙台市内」にこだわり、9棟190室を保有する不動産投資家がいる。
現在家賃年収1億2000万円、税引き後キャッシュフロー約4000万円という伏見俊一さん(57)だ。
これまで、不動産会社や建設会社、ハウスメーカーなど、長年にわたってこの業界に身を置いてきた。その知見も生かし、規模拡大を進めてきた伏見さん。
「仙台市内」に徹底的にこだわる理由は何なのか。伏見さんの半生を振り返りつつ、その投資戦略を聞いた。
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横浜から仙台へ、拠点を移した理由は
不動産会社や建設会社など、伏見さんがこれまで在籍した会社は他業界も含め10社以上になる。社会人のスタートは、生まれ育った横浜の自動車販売会社だった。
「大学を卒業して、新卒入社したのは平成初期。とにかく働き方はブラックで、深夜2時くらいまで毎日働いていました。そのあと転職もしたけど、やっぱり会社の一部でしかない感覚があって…。それで、独立も視野に不動産業界に入ったんです」
この頃、20代後半だった伏見さんは結婚。それを機に、自分の家を持ちたいと思うようになる。ところが、生まれ育った横浜市では、手ごろな価格で自分の理想の家を建てるのは困難だった。
「趣味で大型バイクを持っていたので、それを保管できるガレージも置きたいな…なんて考えていると、横浜では1億、下手すると2億になっちゃう。これは無理だな、ということで、引っ越すことにしたんです」
引っ越し先を選ぶときに決めた基準は、「横浜より物件価格が手ごろな、東京まで2時間以内で行ける政令区」。これにあてはまったのが仙台だった。
「30歳のときに仙台に越してきて、もう27年ほどになりますね。32歳の時には、目的だった家も建てられましたよ」
仙台に引っ越した時に、市内の建設会社に転職。ふだんの仕事で、地主らを対象としたアパート建設の営業をしていたこともあって、この頃から「自分も土地があれば、不動産投資ができるのに」と思い始めるようになったという。
1棟目では「地上げ」も
伏見さんにとっての「1棟目」は、2016年に建てた新築RCマンションだ。
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