「収入が激減し、個人資金はショート寸前でした」
管理会社などで17年のキャリアを積み、2022年8月に新潟県で「マンション管理士」として個人事務所を開業した澤田亮さん。開業1年目は特に、このニッチな業界で生計を立てる難しさを痛感したと話す。
マンション管理士の仕事は、管理組合と連携してマンション管理を適正化していくこと。日々たくさんの管理不全マンションと向き合っている澤田さんだが、実はアパート経営を行う大家でもある。
マンション管理士の知識は、不動産投資にも役立つのだろうか? マンション管理士の目線では、収益物件をどのように評価するのか?
そんなマンション管理士の実情や、大家業との関連性、気になる現在の経営状態について、澤田さんに詳しく聞いた。
「マンション管理士」ってどんな職業?
―まずは「マンション管理士」という仕事について教えてください
主にマンションの管理組合と連携して、適切な管理を目指すお手伝いをしています。マンション管理に関するコンサル業のようなイメージです。
例えば、区分所有者から徴収されている管理費や修繕積立金の額が適正か、修繕は長期修繕計画通りに進められているか、などを確認します。
もし問題があれば、どのように解決すべきかを考えて管理組合に提案し、実行の支援まで行います。
―管理会社とはどのような違いがあるのですか?
管理会社は、共用部分の清掃、設備の保守・点検、管理費・修繕積立金の徴収など、管理業務を実行する役割を担っています。
一方でマンション管理士は、管理会社が行っている仕事を評価して、必要があれば軌道修正を図るという仕事です。管理組合には管理会社の仕事を報告する、管理会社には管理組合の要望を伝える、という両者の潤滑油のような役割もあります。
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