街の片隅で放置され、ただ朽ちていくだけの「戦前古民家」。築年数100年を超える物件ともなると、修繕にも相当のハードルが感じられる。
そんな物件を購入し、店舗にリノベーションして貸し出すことで収益化している投資家がいる。島根県松江市で活動する「さあやん」さんだ。
これまで、約10軒の古民家を再生しているさあやんさん。古民家ならではの味を生かしつつ修繕を施し、地域住民に愛される店舗づくりに取り組んできた。
なぜ、あえて古民家を購入するのか。修繕費もかさむ極度の築古物件で、どのように収益化を叶えているのか? さあやんさんの投資手法にせまった。
築105年の古民家で投資スタート
―不動産投資を始めたきっかけを教えてください
本業のサラリーマン給与以外に、収入の柱が欲しいと考えたのがきっかけです。もともと妻が建築士で、私自身も建物や不動産が好きだったので、不動産投資に目を向けました。
妻は建物に詳しいからこそリスクを懸念して、初めは拒否反応を示していましたが、共通の知り合いである一級建築士のAさんの説得もあって了承が得られました。
その後、妻とAさんの協力を得ながら、物件探しを始めていきました。
―物件探しの基準はどのようなものでしたか
そもそも私が活動している松江市の中心部は売り物件が非常に少なく選り好みできないので、物件が出てきたら基本的には買う、という気持ちで探していました。
ただ、すぐに崩れてしまうようなリスクが大きすぎる物件は避けたいため、妻とAさんと一緒に内見してアドバイスをもらいます。
最低限の基準は、屋根と壁があるか、下水道が繋がっているかです。このエリアで私が購入できそうな価格帯と言うと、そのレベルの築古物件しかないんですよ。ひとまず屋根や壁さえあれば、その他は修繕でどうにかできます。
物件探しを始めてから実際に購入できるまで、3年半ほどかかりました。1棟目の物件は、たまたま売りに出ていた戦前の古民家です。
―1棟目の物件概要を教えてください
購入価格150万円、築105年の戸建てです。相当古い物件ですから、100万円の指値が通ってこの金額になりました。
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