
PHOTO:kker/PIXTA
「投資家の購入意欲は依然として旺盛です。フルローンで購入する方もいますよ」
こう話すのは、一棟アパートから一棟RC、安価な築古戸建てまで幅広い物件を扱う不動産会社「合同会社なごみ」の担当者だ。
不動産市況が高騰している現在、なかなか物件を買えずに悩んでいる投資家もいるのではないだろうか。しかしその中でも、融資を活用して物件を購入できている投資家は存在する。
金利上昇など買い手にとって厳しい環境下で、買えている投資家は一体どのような行動をとっているのだろうか?
今回は、直近でフルローンに近い融資を受けた3人の投資家の購入物件を紹介する。いまの市況で融資を引くためにはどうするべきか、実際の事例も参考にしてみてほしい。
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物件と金融機関の「相性」が重要
なごみの担当者は、最近は「買いたい」意欲があっても価格が高すぎたり、融資してくれる金融機関をなかなか見つけられなかったりと、目線に合う物件探しに苦戦している投資家の声も聞くと話す。
価格の上昇から「なるべくフルローンで購入したい」という要望も受けるが、「金融機関によっては、審査時に見る条件が厳しくなっているところもある」という。
満室でなければ融資が下りにくい、融資エリアが少し狭くなったなどの例も聞かれる。
そうした中で投資家が物件を購入するには、不動産会社が持つ金融機関とのパイプを活用するのも1つの方法だ。金融機関によって評価基準も変わるため、持ち込む物件と金融機関の相性を考えることも重要になる。
その点、なごみではメガバンクや地方銀行など十数行ほどと取引をしており、仕入れを自社で行っていて物件の強みを把握しているため、投資家の属性も踏まえ適切な1行を紹介することが可能だという。
「融資を獲得するためには、手当たり次第に持ち込めば良いというものではありません。物件の強みと、それを評価してくれる金融機関の組み合わせを考えることが大事です」
では実際、融資を利用して購入できている物件とはどのようなものなのだろうか? ここからは、なごみが関わった物件の購入事例を見ていこう。
Case1.融資が出づらいエリアでも9割融資
投資歴3年のHさんは2024年11月末、なごみの紹介で茨城県鹿嶋市の一棟RCを購入した。
1億円前半の価格のうち、投入した自己資金は1割未満。残りの9割以上は千葉銀行から融資を受けている。
昨今、融資のハードルが上がっているように感じ、「できるだけ多くの融資が下りること」を購入基準の1つとしていた。ある程度耐用年数が残っており、CFも得られる1億円以上の物件を探していたそうだ。

Hさんが購入した物件
<物件情報>
購入価格:1億円前半
所在地:茨城県鹿嶋市
構造:RC造、15戸(3戸空室)
築年月:平成10年築
利回り(想定):約9%
<融資情報>
融資割合:95%以上
金融機関:千葉銀行
金利:1%前半
融資期間:24年
地方で評価が出づらいエリアのため、「やはり金融機関探しがネックだった」と語る。ただ周辺環境や物件の状態などを見る限りは客付けも問題なさそうだと感じ、どうにか購入できないかと融資打診を行っていた。
「6カ所ほど金融機関を回ったのですが、どこも融資承認が下りず…。諦めるしかないかと思っていたところ、最終的になごみから紹介された金融機関で融資を得ることができました」
紹介された千葉銀行はなごみのメインバンク。もともと繋がりがあったことで、今回も融資してくれたのだろうという。
ただ、支店ではフルローン承認が下りたものの、本部稟議では空室がネックで評価が伸びなかった。
融資割合が90%に下がる可能性があったのだが、管理業務も行っているなごみが空室の家賃保証を付けたことにより、95%以上の融資が承認された。
「なごみで物件を買うのは二度目ですが、やはり不動産会社から金融機関を紹介してもらえるのは強いですね。空室もさっそく1室埋まってスタートは順調ですし、CFを充分得られる物件を購入できて満足しています」