
PHOTO: Hirotama/PIXTA
物件を百数室以上持っていたり、家賃年収が数千万円超だったりする不動産投資家に話を聞くと、口をそろえて「今後、規模を拡大していきたいなら、『財務の知識』は必須だ」と指摘する。
特に、「『BS(貸借対照表)』や『PL(損益計算書)』の見方は必ず知っておくべきだ」という。
BSやPLは、企業の経済活動をまとめた「成績表」である。こうした財務の知識は、不動産投資―つまり、賃貸経営にも応用することができる。規模拡大している投資家たちは、この考え方を使って、金融機関に自分たちの財務状況をアピールしたり、不動産投資戦略を練ったりするのだ。
今回は、不動産投資初心者に向けて、BSやPLを不動産投資に応用した場合の考え方の基礎を解説していく。まずは「ざっくりと」で構わない。基本を押さえていこう。
なぜ財務の知識が必要なのか
「財務の知識」という言葉に、拒否反応を示す人は決して珍しくない。不動産投資家の中にも、「税理士などにお願いをしておけば、自分がきちんと理解しておく必要はないんじゃないか?」と考える人もいる。
だが、不動産投資歴30年の大家、MOLTAさんは「不動産投資家である僕たちがやっていることは、ビジネス。ビジネスをやる上では、経営者がお金の流れを把握できなければ、そもそもそのビジネスが成立しません」と語る。
MOLTAさんが考える、「不動産投資家が財務の知識を勉強すべき理由」は、具体的には3つあるという。
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