pic09長らく借り手が決まらず、決まったとしてもすぐに退去者が出てしまう物件。
条件を下げても一向に状況が改善しないとしたら、それはもしかしたら“心霊”のせいなのかもしれない―—。

部屋を案内した営業マンが挙動不審だったのは知っていたから…!?

都内に暮らす会社員の仁科さん(27歳/女性)は、居住中の1DKのマンションでたびたび起こる不可解な現象に悩まされていた入居者の一人。上京して初めて飛び込んだ、街の小さな不動産屋で紹介されたのは、周辺相場より1万円以上も安いお値打ち物件だった。

「駅徒歩5分、角部屋、南西向きのオートロックマンション。『この条件ではなかなか出ませんよ』と言われて。今思い返すと営業の人、部屋を案内するときにやけにそわそわしていて挙動不審だったなって思うんですよね……」

上京したばかりで「右も左も分からない状態だった」という仁科さん。不動産屋に勧められるままに契約した物件の“異変”に気付いたのは、入居後1週間ほど経ったある日のことだった。

「かねてから付き合っていた彼氏がうちに遊びにくることになったんです。ご飯を食べたり、テレビを見たりして、しばらく一緒に過ごしたあと、彼氏が神妙な面持ちで言ったんですよね。『何かこの部屋、変。良くわからないけど、落ち着かない』って。引っ越したばかりで荷物も散らかっていたからかなぁと思ったんですが……」

仁科さんの彼氏が感じたのは、抽象的な表現でしか伝えることができない“違和感”のようなものだったのかもしれない。

 

「その夜ですね。私、霊感はまったくないし、幽霊なんて見たこともないんですが、昔から疲れているとたまに金縛りにあうことがあったんです。その日も彼氏と一緒に寝ていて、金縛りにあってしまって。ただ、その日は『首を絞められる感じの金縛り』で……。普段はただ体が動かなくなる程度だったので『こんな金縛りもあるんだ』と驚きました。

そんなに長い時間じゃなかったと思うんですが、ハッと目を覚ましたら、隣に寝ている彼氏が脂汗を流しながら、ひどくうなされていたんです。そんな姿見たことがなかったから、大慌てで体を揺すって叩き起こしたら、『夢の中で老婆に首を絞められていた』って……」

その後、仁科さんの部屋に泊まりに来た友人たちも、さまざまな悪夢にうなされ、金縛りにあうケースが頻発。さらに誰もいないはずの隣室から水が流れるような音や、「ドンドン」と壁を叩く音まで聞こえるようになったという。

 

「気がついたら、誰もうちに遊びにこなくなっていましたね、彼氏まで……」。

○○ができたら心霊現象がピタリと止まった!!

不可解な現象はそれだけに収まらなかった。

「電化製品が勝手に反応するんです。何もしていないのにテレビが付いたり、コンポのボリュームが急に大きくなったり。イヤホンで音楽を聞いていても、途中でブツブツと雑音が入りますし、音飛びもひどくて。不思議なことに、新しいプレーヤーを買っても同じ現象が起こるんです……」

電磁波が電化製品に影響を与えることはあるが、はたして……。
仁科さんは真剣な表情で続ける。

 

「私が一番気持ち悪かったのは、真夜中、玄関に置いてあるおしゃべり人形が勝手にしゃべりだすようになったことです。触ったり、傾けたりしないと作動しないはずの人形が、何もしていないのにおしゃべりをするんです。『タスケテー!』とか。もう、何なのって……」

一時は寝不足が続き、真剣に引っ越しを考えたという仁科さん。不動産業者を通じて大家にも相談を持ちかけたが、「そんなことを言われるのは初めてのケース。状況が確認できないことには……」と、取り合ってもらえない始末。しかし、そんな不可解な現象が、ある出来事をきっかけにパタリと無くなったという。

 

「道路を挟んだ家の向かい側に大きなマンションが建っているんです。そのマンションのエントランスのすぐ横に、土がむき出しになっている2帖分くらいの不自然なスペースがあって。何だろう、ゴミ捨て場にでもなるのかな、とずっと不思議に思っていたんです。

入居して半年くらい経ったころですかね。1週間ほど帰省して帰ってきたら、そこに小さな鳥居が立てられていたんです。それができてからというもの、これまでが嘘みたいに何も起きなくなって……」

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心霊現象が原因の場合、違約金無しで賃貸契約を解消できるのか?

仁科さんがその後、郷土資料などを掘り下げて調べたところによると、このあたり一体はかつて大きな寺の所有地だったという。「場所までは特定できなかったけど、墓地の上に建てられていた可能性もあるのでは……」というのが、彼女の見解だ。現在は不可解な現象に悩まされることもなく、同じ部屋で平穏な暮らしをしている。

なお、不動産管理会社に「心霊現象が起こることを理由に解約はできるのか」を聞いてみたところ、以下のような返答があった。

 

「解約自体は可能ですが、場合によっては違約金を支払わなくてはいけないことも。例えば、入居した月の家賃が無料になるといったフリーレントの物件。1年以内に解約する場合は、フリーレント期間の家賃を支払わなければいけないという契約になっていることもあるので、物件の契約書をきちんと読み、解約予告期限が設けられていないか調べた方がいいですね」(某不動産管理会社のTさん)

 

また「心霊現象が起こったことが理由で前入居者が退去した場合、次の入居者に伝えるべきか」という疑問については「聞いたことがないので、不要だと考えている大家や管理人も多いのでは」とも。

「家賃も安いし、何も起きなければいい部屋……」(仁科さん)。
しかし、悲しいかな、現在も彼氏と友達の足は遠ざかったままである。

 

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