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自分の希望に見合ったマンションやアパートを見つけ、念願のオーナーになったのも束の間、実はその物件に大きな「落とし穴」があったというケースもあるだろう。たとえば欠陥住宅だったり、過去に何か事故があったり……。

そのような物件のオーナーになると、どれだけ苦労するのだろうか。
想像するのも嫌なものだが、そのような悲劇のオーナーに、 “落とし穴”物件のエピソードを聞いた。

1億円台の物件に大きなひとつの欠点が……

会社の経営が軌道に乗ったことをきっかけに、不動産経営にチャレンジした安田さん(仮名・43歳)。「オーナーになりたい」と考え出してすぐ、彼はひとつの物件を見つけ、すぐに購入へ動いたという。

「まだ築10年にも満たない物件で、外見も非常にいい状態でした。どうやら前オーナーの都合で突然売りに出したようなのですが、一目見た途端、僕はすぐに飛びついてしまいました

このとき、安田さんはまだ不動産経営に興味を持ち始めたばかり。目の前に現れた理想的な物件に、「思わず焦ってしまった」という。そしてその焦りが悲劇を招いた。

他の人も欲しがる人気物件と不動産会社に言われ、あろうことか中途半端な内見のみで購入してしまったんです。購入してみると、やはり想像通りのいい物件。でもすぐに問題が起きました。1階の部屋すべてで、床からカビが生えたんです。これには驚きました」

購入からわずか1ヵ月、日当たりもよく風通しもよい物件なのに、大量のカビが生えたという。すぐに調べると、建築基準に問題はないものの、床と地面の距離が短く、それがカビにつながっていると分かった。

「結局、自己負担で改装することにしました。床の全面張替えや床下換気の効率を上げるために構造を変えたり……。全部で450万円ほどかかりましたね。その結果、カビは生えなくなり入居者も増えたので一安心ですが、購入前にきちんと調べるべきだったと反省しています」

不動産には「瑕疵(かし)担保責任(※外部から容易に発見できない欠陥がある場合、売主が買主に説明する責任)」があるが、安田さんは「きちんとチェックしなかった自分が悪いので」と、前のオーナーを追及するつもりはないという。

どんなに良さそうな物件でも、一度は疑ってきちんとチェックすることが大切。それをつくづく感じさせられるエピソードだ。

水漏れの多さを隠したまま売ろうとした前オーナー

瑕疵担保責任があるとはいえ、その責任を果たさないまま売る悪徳オーナーもいる。つまり、欠陥を隠す行為だ

念願の中古アパートを購入した前川さん(仮名・50歳)。だが購入から2年ほど経ったころ、アパートでは水漏れアクシデントが多数発生してしまったため、業者を呼んで全面的に修繕を行った。

「そのときはそれで済んだのですが、ある日知り合いの管理会社に行ってその話をすると、とても驚いていたんです。実は、前オーナーは、もともとこの管理会社にアパートの管理を依頼していたそう。管理会社が『アパートを売る際は、水道が老朽化しているので、直してから売るか、売る前にその事実を伝えるべき』と話していたそうです」

前オーナーは、それを「わずらわしい」と感じたのだろう。突如、この管理会社と契約を切り、別の管理会社に仲介を依頼。そして前川さんがこのアパートを買うことに。そのとき、水道の老朽化については一切説明されず、もちろん修繕もされていなかった。

管理会社の人は「まさか説明のないまま売られていたとは思わなかった」と、びっくりしていたという。

前川さんは、瑕疵担保責任による損害賠償の請求を検討中。ただし購入から日が経っているため、うまくいくか分からないという。

霊感に強い内見者により、衝撃の過去が発覚

過去に入居者が自殺していたり、事故死していたりする場合、その部屋は事故物件として特別な扱いをされる。

当然、不動産を買うオーナーも物件にそのような過去があったなら、もちろん購入する前に知っておきたい。しかし鈴木さん(38歳・仮名)は、その過去を知らずに、ある1棟中古マンションを購入してしまったようだ。

中古マンションを購入した鈴木さんは、それと同時に管理会社も馴染みのところへと変更。そして1年ほど経ったとき、ある事件が起きたという。それは管理会社からの電話で始まった。

「マンションの内見に来た人が、執拗に『ここで自殺した人がいませんか?』と聞いてきたようなんです。管理会社には『そんな話は一切聞いていない』と伝えました」

鈴木さんはこの電話が来たとき、「そんなわけがない」と思っていたという。また管理会社も、鈴木さんが購入してからこのマンションを見始めたため、過去の状況は知り得ない。

だがその後、管理会社が独自で調べると、内見者の予感は当たっていた。

「どうやら数年前、共用部分のスペースから飛び降り自殺をした人がいたようなんです。マンションを売った前オーナーと前の管理会社は、それを隠していました。さらに僕もすぐ管理会社を変えたため、完全にその事実が埋もれてしまったんです」

鈴木さんはこの地域に住んでいたわけではなく、馴染みの管理会社も本来のエリアからは離れていたため、飛び降り自殺の情報はまったく知らなかった。しかしその過去は、内見者の霊感によって発覚したのである。鈴木さんは、前オーナーや管理会社への責任を追及する方向で、弁護士と今後の対処を相談しているという 。

今回の調査でわかったのは、中古物件における老朽化や事故を前オーナーが隠したまま売るケースが多いということ。今まさに物件を探している人が、同じような目に遭わないことを祈るばかりだ。