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東京五輪の開催決定以来、不動産の人気エリアとなっている湾岸地域。
2014年7月1日付の毎日新聞でも、「東京湾岸に五輪効果 マンション人気に火」と伝えている。

同記事によると、選手村予定地に近い中央区晴海を中心に湾岸エリアのマンション人気が過熱。招致が決まった昨年9月には、モデルルームの来場者が一挙に3倍になる物件もあったという。

しかし、このように報じられるということは、それだけ地価が上がり続けているということも表している。果たして、東京五輪の発表から間もなく1年ほどを迎えようとしている今も、湾岸エリアの物件は購入に値するのか。

都心のブランドマンションは「低リスク」物件?

まず、投資対象としてはどうか。儲かるか儲からないかは別にしても、都心マンションへの投資は初心者への練習として最適といわれている。

都内で不動産投資セミナーなどを主催する投資家の田中圭介さん(仮名)がこう説明する。

「都心のなかでも、六本木ヒルズ、東京ツインパークなどといった有名ブランドマンションへの投資は、表面利回りが5~6%程度であるのが一般的。そもそも高い利回りが期待できる投資ではないのです」

しかし、これはそれなりの投資資金があれば、都心のブランドマンションは「低リスク物件」であることを示している。

「こうした有名ブランドマンションは、多額の利益が出る投資でありません。ただ、よほどおかしな賃料を設定しない限りは、広告料を支払わなくても1ヶ月以内に賃貸は埋まります。加えて、一棟物件に比べて手間もかからず、売りに出せば短期間で確実に売却できますので、初心者の練習には最適といえるでしょう」

加えて、「六本木ヒルズを持っている!」などと自慢できる効果もあり、自分や家族の住居向けとしても夢のある資産。大きく儲けることは難しいかもしれないが、自分で住むことも考えると、利回り以上に満足度の高い投資といえるのだ。

そのうえで、湾岸エリアのマンションの不動産価値について考えてみよう。

人気増の湾岸エリア 実は投資向きの地域ではない?

前出の田中さんが続ける。

「湾岸エリアは、東京五輪開催に合わせ、一段と活気づくエリアであることは間違いないでしょう。しかしこのエリアのマンションは、もともと賃料利回りも値上がり期待も限定的であるため、投資向きの地域ではありません。そのため、購入して賃貸にまわすのはオススメしていませんね」

では、自分や家族の住居用としてはどうか?

「東京五輪の盛り上がりを肌で感じることができるという意味では、魅力的なエリアであることは間違いないです。ただし現況では、この地域は朝ラッシュ時の過剰な混雑、保育所の慢性的な不足などが指摘されており、増加する高層マンションに対して整備が追いついていないことは知っておきましょう」

もっと細かいエリアで見ていくと、選手村建設が予定されている晴海は、「実際に使える路線が大江戸線のみ」という弱点がある。長期的に見れば、有楽町線も使える豊洲のほうが「買い」という判断を下す人が多いとか。

東京五輪後には不安要素も……

「儲ける」という観点では物足りなさはあるかもしれない湾岸エリアだが、「安定して借り手がつく」「東京五輪の活況を間近で見ることができる」などのメリットはやはり魅力的。

購入を検討する際も、「あくまで、自分が住んでいるあいだに資産価値が下がらないかを考えればいい」という意味ではシンプルだ。

湾岸エリアの不動産会社の営業マン、足立義男さん(仮名)が言う。

湾岸エリアは人気の地域で、間違いなく東京五輪までは残債以上の価格で売却できます。平米あたり100万円を越えるような港区レベルの物件をのぞけば、大きな損を被る可能性は少ないでしょう。ただ、まだまだ発展の途中であるため、公共施設が充実していない、夜間はイメージ以上に閑散としている、といったマイナスポイントはありますね」

また足立さんは、「これはお客さまにはあまり言わないですけど……」としたうえで、次のような予測も話してくれた。

「オリンピック選手村が役割を終えたあとに、宿舎が中古住宅として分譲や賃貸に出されるという計画があるのです。その場合、約1万2000人分もの住居が市場に登場するため、供給が需要を上回り、周辺エリアの不動産価値が下落してしまう可能性は、まったくないとはいえません」

東京五輪の盛り上がりが期待でき、安定して借り手がつく、それが湾岸エリアのマンションが人気な理由の一端であることは間違いない。
しかし肝心の五輪後の状況は、まだまだ予測がつかない部分があるようだ。

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