インタビュー第1弾では、天野さんが「不動産投資を始めたきっかけ」(第1弾をまだご覧頂いていない方はコチラ)、第2弾では「お笑い芸人の投資事情」や「天野っち流の投資に役立つ情報の学び方」(第2弾をまだご覧いただいていない方はコチラ)を伺いました。

最終回となる今回、インタビュー第3弾では「幼少の頃から持っていたお金に対する考え方」「これから投資を始める方へのメッセージ」などを伺いました!!

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小5のクリスマスプレゼントで、「欲しいものは自分で買うもの」と悟った

――とても堅実な経済観念をお持ちですが、経済やお金の運用に興味をもたれたのはなぜでしょうか?

まず「お金とはなんぞや?」みたいな根っこのところで、「お金で人生を左右されたくない!」という考えがありました。
なぜだか、小さい頃から早く自立したいという気持ちが強くありました。
物心ついたときには、自分でお金を貯めて物を買う習慣がついていました。
小さいころから親に何かを買ってもらう行為も好きじゃなかったから。そのころからお金の価値観はずっと変わっていませんね。

小学校5年生のクリスマスに、両親から合体ロボの足だけプレゼントされたんです(笑)。
「あれ、これ合体させるのが楽しいのに、足だけ? そっか、やっぱり欲しいものは自分で買うしかないんだ」とその時に思いましたね。
もしプレゼントされるのを待っていたら、頭・胴体・腕の全てを買いそろえるのに5年はかかります。でも「5年後の自分はこのロボットに興味ないだろうな」って想像しました。
実際に、2年後に興味がなくなりました(笑)。
どうも「買ってもらった! 嬉しい!」という記憶が乏しいですね。
必要なら自分で買う、自分のお小遣いなら文句も言われないし自由に遊べる。その感覚が今もあります。
でも「節約するように!」という風に教育された記憶はないんですね。伸び伸び育ててもらった。
きっと一生懸命働く両親の姿を見て育ったからだろうなと思っています。

常に「自分で何とかしたい」という気持ちがあった

――幼少の頃から、とても独立心が強かったのですね。ご自身で、お金を貯めるために工夫したことなどはありましたか?

普通は高校って、同じ中学から何人かが行くじゃないですか?
僕はあえて自分の中学からほとんど進学しない高校を選びました。別に親に不満があるわけじゃないけれど、常に「どこかへ出て行きたい!」という意識が強かったですね。
「自分で何とかしたい!」という気持ちがありました。
将来は東京に行くつもりでしたから、独り暮らしができるように高校時代からレストランでバイトをして料理を作っていました。

お小遣いを貰うのもイヤで「自分で働いたお金の方がいい!」という感覚でした。
だからオヤジのやっていた会社を手伝ったりして稼ぎましたよ。
そのときに「自分のお金だ!」という感覚が身に付いたのかも知れません。

 

――大人になり、資産運用を始めたことで、お金に対する考え方の変化はありましたか?

不動産を所有する今の自分の立場になって、お金に対して考え方に変化があったのかといえばそれはありません。
元々こういう考えの人間だったんです。いつも先を見る癖があって、ドラマを視ていても、次の展開を読むようなところがあります。
でも、中2くらいから全ての感覚が止まっているんですよ。未だに『少年ジャンプ』も大好きですし(笑)。

いろいろ条件が伴いますが、あるときから「自由とは自己責任を全うしてこそ初めて手に入るんだ!」と気づいたんです。
流れは色々あるけれど人のせいにしたり、時代のせいにしてはいけない。最終的には全て己の責任になるんですよ。

そう思うようになったきっかけは、自分が置かれている状況を気にして、言いたいことも発言せずに我慢ばかりしていたから、その状況が生まれたということに気づいたからです。
よくよく考えたら「自分のせいだな」と。やはり突き詰めれば、ほぼ己なんです。全部自分に返ってきますよね。
尾崎豊の歌から、「自分のやりたいことをやらなければダメなんだ!」っていうメッセージに多大なる影響を受けているのも、そう考える原因かもしれません(笑)。

人間には「余裕」があることが大事

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――自分のやりたいことをやる! ということ以外で、日常の中で大切にされている価値観はありますか?

僕は人間は「余裕」が必要だと思ってます。それは経済面だけじゃなくて「気持ちの余裕も含めて」という考えですけれど。お金でも気持ちでもカツカツしたくないという感覚があります。
だって、明日をもわからない人間と、余裕のある人間がいて「人に優しくなれるのはどっち?」と考えれば、答えは明白ですよね。余裕がある方じゃないですか?
自分のことに精一杯では、周りを見渡すことができません。

例えば芸人が舞台に上がるとしましょう。でも心に「余裕」がない。
たっぷり練習することで、その「余裕」が少しは生まれるかもしれない。だから経済的なことも含めて、全てにおいて、その「余裕」はある方がいいと思います。

自分の価値観に合った投資をする

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――投資のリスクについてはどのようにお考えですか?

投資にリスクはつきものですよね。

でも、投資をせずに貯金しているより、お金を使った方が経済もまわりますよね。
普通にテレビを視ていたら皆さんも気づいているはずですよ。だって、いくら貯金をしても金利がいくらにもならないことは誰もが知っていることでしょ?
それなのにATMでお金をおろしたら100円の手数料がかかってしまうなんて……「何これ?」って不思議じゃないですか(笑)。

だから、無知でお金を動かさないのと、情報を知った上で動かさないとでは大きな違いがあるでしょ?
家賃もそうですよ。そこで行動を起こすかどうかの違いじゃないかな。

実際には気づいているけれど見ないフリをして何となく蓋をしちゃう人がほとんどだと思います。未だに「お金の話はタブー!」という、そんなイメージが根強くありますもんね。

ではどんな投資をしたらいいのか、それは様々です。
株や投資信託と不動産でいえば、目に見えるか見えないかでしょうね。その違いは大きいですよ。どっちが自分に合っているのかというのもあると思います。
先ほども言いましたが、見知らぬ国の全く知らない会社に投資する勇気があるのか?
それとも実際に現場へ行って「ああ、このビルなら貸すことができる!」と思えるか?
それはもう自分の感覚ですよね。

僕は本当に自分が知っていることにしか手を出さない。あまり掛け離れたことは無理です。それはもうギャンブル。僕にとって、知らないことに投資することはギャンブルです。

でも株で損を出したこともありますよ。
投資である以上、やはりリスクはありますからね。少しリスクをとっているけれど、それを上回るだけの知識とか、情報が入ってきます。

やはり人間って自分がリスクをとっていることの方が真剣になれると思います。
何もリスクがなければいろいろな情報があっても右から左にファ~と流れてしまう。リスクがあるから少し損をしても続けることができる。それは、単に負けを取り戻す意味ではないですよ。
何も賭けていないレースを見るのと、自分が1万円を賭けているレース、どっちが真剣に見ますか?
恋愛もそうでしょ?本気の女性に対しては5万円のコース料理だって惜しくない!

投資は全て自己責任! 堅実にやっていれば必ず額は増える

――これからの日本経済はどうなっていくと予測されますか?

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僕は経済のスペシャリストではないから専門的なことはわかりません。
でも、オリンピックも決まって「これから日本もいい感じになるかも!」と期待されていますよね。
とはいえ昨今は予想もつかないニュースが世界中から飛び込んできますからね。遠い異国では戦争も……。
これらも僕たちの生活や経済と繋がっています。ロシア情勢も含め、世界の全てが繋がっていますから、そういう意味では目が離せませんね。

マイナスのニュースも多くて楽観視はできないけれど、基本的に気運が上向いているように感じます。

アベノミクスというだけで、実際にはどこの会社も業績が伸びていないのに気運だけで株価が上がったじゃないですか。
ある意味で世界は、その気運のようなもので動いていますから。

ただ浮かれてお祭り騒ぎで終わってしまうのは問題ですが、前向きな気持ちで「じゃあ俺たちも頑張ろう!」「あれ、ちょっとボーナス増えるらしいよ!」と、その人が思った時点で既に気運は良い方向に動いているんですよ。

そういう気運が景気を良くしていくと思うな。だってカツカツで世の中に気運がないとき「不動産投資でもやってみようか?」なんて発想はしないですよね。

 

――最後に、これから不動産投資を始めたいという方へのアドバイスをお願いします!

投資を行うにおいて、一か八かの感覚ではなく、本当に「余裕」が大事だと僕は思います。「この額なら失ってもしょうがないか」という余裕です。
「少し貯金もできたし、ちょっと動かしてみようか?」くらいのレベルから始めた方がいい。堅実にやっていれば必ず額は増えますから(笑)。

あとは本当に自分が興味のあること。それを突き詰め、ひたすら勉強をして、知った上でやる分にはいいかもしれない。でも、それには必ずリスクが付きまといます。
誰かに脅かされて不動産投資をやっている人なんていないでしょ?
だから、それは全て自己責任だということ。これを心掛けておくべきです。

僕自身については、今後、所有物件を増やしていくという具体的なビジョンはありません。
本当にすごい物件があったら考えますけど(笑)。
本格的に不動産経営をやろうとすれば本業が疎かになるかもしれない。そう考えると、もっと年齢を重ねてからですね。

相方のウドちゃんなんて、僕が不動産オーナーとして成功した暁にはその物件に「住みたい!」と言っていました。どんなコンビ関係だか(笑)。相方が大家さんって変な関係でしょ?
ウドちゃんの夢は僕が経営する喫茶店の雇われマスターなんですよ(笑)。
1棟マンションを買って、マンションの1階を喫茶店にして、物件の管理もしてもらおうかな。雇われマスター兼マンションの管理人。
彼は柔道の有段者で強いから警備も兼ねられるかも!一人で3役もこなしてくれるならいいかもしれませんね。
何年後になるかわからないですが……僕が1棟物件を買って、そんなことが実現する日が来るかもしれません(笑)。

 

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天野ひろゆき(あまの・ひろゆき)

1970年生まれ。愛知県出身。
趣味は料理、漫画&映画鑑賞と経済の動向をチェックすること。

1991年(21歳)相方のウド鈴木とコンビ結成
1996年(26歳)初めてのマンションを購入
30代半ば、住み替えをきっかけに不動産投資を開始

2013年『ウドちゃんでもわかる マネー芸人・天野っちの「アマノミクス」的蓄財術』出版

公式メルマガ「天野人語~メルマガでしか言えない話~」好評発行中
http://yakan-hiko.com/amano.html

インタビュー終了後、「キャイ~ン」で記念撮影!