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シンガポールにあるコンドミニアム。一部屋辺りの販売価格は7200万円~1億400万円

国内の人口減少に対する懸念など、様々な理由から海外不動産に投資をする不動産投資家が増えている。

海外で投資物件を検討する際は、「コンドミニアム」が選択肢の一つになる。コンドミニアムとは日本で言う「分譲マンション」のこと。
しかし、日本のマンションにはあるが海外のコンドミニアムにはないものや、逆に海外のコンドミニアムにはあるが日本のマンションには付いていないものがあるため、特に海外に住んだ経験が少ない海外不動産投資初心者にとってはその違いが分かりにくいことが多い。

しかし、海外のコンドミニアムを購入してその物件のオーナーになるのであれば、日本国内に住んでいたとしても間取りや設備などをきちんと熟知しておく必要がある。
そこで今回は、シンガポールの一般的なコンドミニアムの「間取り」「設備」「敷地内施設」を例に、日本のマンションとの違いを紹介する。

写真で紹介したコンドミニアムは1998年築の物件。中古価格で一部屋7200万円~1億400万円ほど(90万~130万シンガポールドル。※1シンガポールドル=80円で計算)

間取りは「ベットルーム」の数で判断

日本では、物件1ユニットの間取りを「2DK」「3LDK」などと呼ぶが、これは日本独自の呼称。海外のコンドミニアムの場合は、「2ベッドルーム」「3ベッドルーム」とベッドルームの数でカウントする。

ベッドルームは「マスターベッドルーム」と「コモンルーム」に分類される。マスターベッドルームは部屋の奥の方に位置する広めの寝室(主寝室)を指し、室内にバスルームが設置されている。コモンルームは比較的狭めの部屋で、シャワーやトイレは併設されておらず、使用する際は室外のバスルームを利用しなければいけないというタイプ。

 

また、シンガポールの場合はメイド文化が浸透していることもあり、物件によっては「メイド用の部屋」が付いているものもある。日本では馴染みのないメイド部屋だが、専用のバスルームが併設しているなど使い勝手が良さそうな反面、コモンルームよりも狭いのが一般的だ。

日本の単身者向けマンションに見られる「1R」や「1K」といった、部屋が1つのみという物件は、シンガポールでは「Studio」と呼ばれている。Studioの多くはキッチン・ダイニングスペースと寝室のみで、日本の「1K」もしくは「1DK」のような間取りである。

ただし、シンガポールにはStudioタイプの物件が少ないことから、単身者の多くが2ベッドルームや3ベットルームを複数人でシェアして住んでいるという特徴がある。昨今、日本ではシェアハウスが流行しているが、シンガポールではそちらの方が主流であるから驚きだ。投資物件を購入する際は、シェアしやすい間取りかどうかもチェックすべきだろう。

室内設備

20年以上前に建てられたコンドミニアムの多くは一般的な鍵が設置されているが、昨今建てられた比較的新しいコンドミニアムは、カードキーが一般的だ。オートロック式で、敷地内に入る際や建物内に入る際にもカードキーを使う。また、玄関扉の前に防犯用の柵扉を設けて二重鍵にしている場合もある。

シンガポールでは日本と同じように靴を脱ぎ、裸足もしくはスリッパなどで過ごす人がほとんどだが、シンガポールの物件には、いわゆる「玄関」というものはなく、扉を開けるとすぐリビングスペースが広がる。そのため、扉を開けたところで靴を脱がなければいけない。物件の間取り図を見るときは「どこが玄関?」と感じてしまうかもしれない。

 

キッチンの設備は日本のものとほとんど変わらない。ただ、シンガポールの場合は、キッチンには必ずダストシューターが設置されており、ここからゴミを投げ入れれば1階までゴミが落ちる仕組みとなっている。物件を購入する際は、ダストシューターが問題なく使えるかもきちんとチェックすべき事項だ。

キッチンのそばには、多くの場合ランドリールームが設置されている。ここには、洗濯機が設置され、室内干しができるスペースが確保されている。シンガポールのコンドミニアムの場合、全てのユニットに必ずベランダが設置されているわけではない上に、たびたびスコールも降ることから、室内干しをすることが多い。日本にはない文化の一つと言えるだろう。

 

バスルームには、シャワーとトイレ、洗面台が設置されている。日本のようにシャワーとトイレが別の部屋になっていることはめったにないのも特徴の一つだ。

 

また、シンガポールは常夏の環境ということもあり、エアコンが各部屋に付いているのは当然のこと。日本よりもエアコンの使用頻度が高いことから、エアコンクリーニングも欠かせない。もちろんここでも、きちんと機能するか、年式が古すぎて入れ替えが必要ないかなどもチェックしたい。なお、エアコンクリーニングの費用は、家主負担(家主一部負担)にしている物件もある。予算が回せない場合、家主負担を検討してみるのもよさそうだ。

 

敷地内の施設

エントランスには必ずセキュリティボックスが設置されており、住人以外の人や車が敷地内に入る場合には、セキュリティチェックを受けることになるのも海外らしい文化の一つだ。また、プールとジムはほとんどのコンドミニアムに完備されている。ジャグジーやサウナなどを備えるコンドミニアムもあり、中には日本式のお風呂があるコンドミニアムもある(ただし水着着用)。

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コンドミニアムの中にあるジムの様子

 

他には、バーベキューピット、日用品や食料品を販売するミニマートや、多目的施設として使えるファンクションルーム、図書ルームなどを備えるコンドミニアムもある。物件を購入し、賃貸に出す場合、これらの物件が競合相手になることも頭に入れておきたいところだ。

 

一つの国について言及しただけでも、日本とは多くの相違点がある海外物件。海外のコンドミニアムについて理解を深めるには「実際に現地に住んでみること」が一番。しかし、それが難しい場合であっても、日本のマンションとの違いを知るために必ず現地に足を運んで部屋や各設備、競合となる周辺の物件をチェックすることをおすすめしたい。