保有物件を短期間で売却した結果、借入先の銀行から「出入り禁止令」を出されてしまったという楽待新聞コラムニストのRJ72号室さん。

それでも「今は売り時!」とアツく語るRJ72号室さん

それでも「今は売り時!」とアツく語るRJ72号室さん

それでも「今は売り時!」と熱く語る。

そんなRJ72号室さんが直近で売却した物件はいずれも1億円前後のRC1棟マンション。 どんな物件をどんなタイミングで売却し、一体どれだけの利益が出たのか?

また、「銀行から出入り禁止令」が出た理由は?それまでには実際どんなやり取りがあったのか?など、インタビューを行い、詳しく伺った。

 

これから物件の購入を考えている方にも、売却を検討されている方にも参考になるリアルな物件売買の実例、お見逃しなく!

 

――売却した2物件はどんな物件ですか?

いずれも1億円前後の1棟、RC物件です。

どちらも高金利のS銀行さんから諸費用込みのオーバーローンで借入をして購入しました。

1件目の新宿区北新宿の物件は、私の条件に合わなかった「旧耐震・3点ユニットバス」物件でしたが、物件が欲しい気持ちが先行しており、購入してしまいました。不動産会社から物件購入と銀行紹介がセットだったので高金利とは知りつつ、S銀行からの借入で購入しました。

物件の入居者さんも家賃こそ滞納はありませんでしたが、属性が悪く風紀が乱れていて苦労しましたね。私が取り掛かった「改善」は、草むしり・残置物処理・宅配ボックス設置・掲示板取り付け・チラシ捨て・モニターインターフォン・防犯カメラ・屋上防水+太陽光パネル設置などです。

 

2件目は名古屋市天白区の物件ですが、1件目の反省を生かして、平成築のRC物件を選びました。しかし、またも「洗濯機置き場無し・3点ユニットバス」と言う残念な佇まいでした。しかし、さすが(!?)平成築と言う事もあり、物件の「顔立ち」は、なかなかのイケメンで、道路付けも良く、倉庫・管理人室・オートロック完備でした。

次こそは、低金利の金融機関で融資を実行する意気込みでしたが……

残念ながら、S銀行さんからの「持ち込み物件」だったので、また高金利の銀行さんからの買い入れで購入しました。

 

外観 1件目 所在地:東京都新宿区北新宿
購入価格:9200万円
タイプ:1棟RCマンション
間取り:1R×13戸
平米数:約186平米
築年数:32年
売却価格:1億1650万円

 

20140407_143459 2件目 所在地:名古屋市天白区
購入価格:1億750万円
タイプ:1棟RCマンション
間取り:1R×28戸
平米数:約300平米
築年数:23年

 

――売却した物件の財務状況はどうでしたか?

年間の家賃収入が、1件目は950万円、2件目は1100万円でした。

ただし、4%以上の高金利での借り入れかつオーバーローンなのでキャッシュフローにすると、1件目は180万円、2件目は120万円となり、物件規模の割には少ないキャッシュフローです。

いずれもほとんど修繕されていなかったので修繕費が嵩むことも懸念でした。

――購入から売却まで、それぞれどれくらいの期間保有されていたのでしょうか?

購入から売却まで、1件目は20ヶ月、2件目は9ヶ月で、いずれも超短期売却ですね(笑)

それぞれ短期間しか保有していなかったということもありますが、2物件合計で保有期間中の累積のキャッシュフローは150万円程度でした。

 

どちらの物件もほとんど修繕がされておらず、キャッシュフローは、ほとんど修繕に消えてしまいましたので……。

――売却を決めた理由は何ですか?そもそも、購入時から売却を想定していたのですか?

いえいえ購入当初は売却なんて全然考えていませんでした。試しに楽待さんの「一括無料査定」に出してみたら、高額査定だったので思わず売却してしまったんです(笑)

査定に出してみようと思ったきっかけは、所有物件が「洗濯機置き場無し+3点ユニットバス」だった事と、将来的に掛かるであろう「RCの修繕」に腰が引けていて、常日頃気になっていたからです。

また、1件目の北新宿物件は都心物件のため、実際の資産価値より「不動産評価額」が半分の価値でしか見られないため、私の評価は「債務超過」となり、2棟目の融資が全く承認されず……。

2012年には、実に12行から「融資不可」の烙印を押されました。そんなことも物件を売却しようと思ったきっかけになっていますね。

2件目も、「3点ユニットバス」なので、将来バス・トイレ分離工事を全室行うとなると、少なく見積もっても、60万円×28室=1680万円となり、その他、外壁などの補修などを長期的に見ると、手放したほうが良いとの判断になりました。

 

――売却価格はどうやって決めたのですか?

1件目は、単純に利回りを算出して「その時代に合った」適正な利回りにしました。

2件目は、売却まで時間が掛かりましたが、具体的に目標の手残り金額を算出し、多少「指値」が入る事も想定して金額を決めました。1件目と比べ、経験を積んだ分、戦略的に動きましたよ。

実際に1件目は、150万円の指値があり、2件目にも、480万円の指値が入りました。これは私の想定通りでしたので、あっさり指値を呑みました。

――短期売却をすると税負担が重くなると思うのですが、売却の結果、利益は出ましたか?

39%の短期譲渡税を支払っても手残りがあるように売却したので損はしてないです。

1件目は購入価格に1200万円、2件目は1350万円それぞれプラスして売却しました!
1件目は、S銀行さんからの借り入れの際、諸費用として100万円多く借り入れをした事、そして売却後に火災保険解約金が100万円戻って来た事を加味すると、手残り1200万円という結果でした。

2件目は、1億3980万円で売却しました。諸費用として750万円多く借り入れをした事、同じく売却後に火災保険解約金が100万円戻って来た事を加味すると、1350万円の手残りになりました!