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海外不動産の購入を考える際に、都市部の物件だけでなくリゾート地の物件を検討する人も多いだろう。

リゾート物件を購入して将来の収益性を高めたいと考えるのであれば、各リゾート地の立地や最新の動向、将来性、メリットやデメリットなどを把握しておき、自分の目的に適した物件を検討する必要がある。

今回は、東南アジアで注目されるリゾート地3カ所をご紹介。現地不動産会社に各地の特徴をはじめ、物件価格や利回りの相場など、不動産投資の動向をうかがった。

フィリピン・セブ島

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○セブ島の特徴
セブ島はフィリピンのほぼ中央に位置している、人口350万人ほどの島。フィリピンの中でもマニラなどとは言葉も雰囲気も違い、治安も良い地域として知られる。特に、マクタンのリゾート地区などは世界に誇れるリゾートホテルが建ち並び、世界から人が集まる観光地として人気を集める。

また、市街地に出れば、ビジネスパーク、ITパークなどの洗練された街並みを見ることができるほか、おしゃれなショッピングモールなども。セブ不動産.comの寺田寿永さんは「現在は、モールオブエイシアという世界No.1クラスのショッピングモールも建築中。今後セブがさらに魅力的になるのは間違いありません」と語る。

「ある程度成熟したマニラのコンドミニアム市場と違い、セブはまだまだこれからです。非常に都会的に発展している部分もありながら、ビーチもあるし、ゴルフ場も多いためリタイア後には最適の場所。マニラに比べて、リタイア後の移住先としてちょうどいいとも言えます。『投資して、ある程度回収したら自分が住む』そんな楽しみがあるのがセブの特徴です」と言う。

○セブ島の物件の相場、利回りは?
物件は、地元の人が住むような150万円程度の物件から1億を超える物件まで非常に幅広いが、「日本人が投資として買うのは1000万円程度~3000万円程度のものが多いです」と寺田さんは言う。

利回りも初年度はグロスで8〜10%程度ですが、キャピタルゲインの方が大きいのでこれは年々上昇していくでしょう。また、人口が大きく増えているので、常にインフレ状態が続いています。物件価格の上昇に遅れて家賃が上昇するため、数年後は家賃の見直し、というのが常識。徐々に利回りが改善していくと見られています」

○セブ島の不動産投資のメリットとデメリットは?
洗練された街並みとリゾートが共存するセブ島の物件に投資するメリットは「非常に多い」と寺田さんは言う。

2023年に日本とフィリピンの人口が逆転するといわれていますが、間違いなくその時期は早まると見られています。人口が増えている最中に、不動産価格が下がったという事実は私が知る限りありませんから、大いに期待できます。

実際に利回りも、キャピタルゲインも今は好調です。富裕層に有利な税制も魅力で、固定資産税が非常に安い。相続税対策としても活用できるのも大きなメリットですね」

反対にデメリットについて、寺田さんは「日本人が派手にセミナーで紹介しているような物件は要注意」と警鐘を鳴らす。

「そういう物件はたいてい賃貸需要のない物件。格差社会なので稼ぐ人がいるエリアに投資すべきなのですが、日本人は投資としてどうしてもリゾート物件を買ってしまいがち。リゾート物件はテナントがつかず苦労するので、投資に向く物件を見極めることが大切です。

また、安くて売りやすいことからからスタジオタイプ(広めの1R)を買う人も多いのですが、今後、このスタジオタイプの供給が一番多くなると見られており、競争が激しくなるでしょう。

スタジオタイプは日本なら一人で住みますが、セブはエリート層が数人で借りることも多いんです。セブでは自分のポケットからお金を出して借りる物件はなるべく安い物件を求められるため、家賃の価格も叩かれるでしょう。

したがって、1LDK位である程度高級な物件の方が、外国の役員クラスが会社の経費で借りてくれるため、利回りも良くおすすめです」

マレーシア・ペナン島

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○ペナン島の特徴
マレー半島の西、マラッカ海峡に位置するペナン島は、昔から交易船の寄港地として栄えた歴史ある場所。2008年に世界遺産登録された「ジョージタウン」をはじめ、北部には高級リゾートホテルが建ち並ぶマレーシア有数のビーチもあり、「東洋の真珠」として称される東南アジア有数の観光地として知られる。

近年は、欧米諸国や日本から第二の人生を謳歌しようと定年退職者が長期滞在を楽しむ立地としても人気を集めている。

○ペナン島の物件の相場、利回りは?
ペナン島の相場や利回りについて、マイホーム ロングステイ(MM2H)株式会社のフローレンス・タンさんは「現在、ペナン島の北東地域のTanjung Tokong, Tanjung Bungah, Pulau Tikus及びその他の高級地区の土地価格は1スクエアフィートあたり600〜1200リンギット(日本円で約2万~4万円)程度」と話す。

「ペナン島の住宅および商業地の今年の賃貸収益予測は利回りで2.4~4%程度と減少することが予測されていますが、不動産価格は上昇すると見られています」

不動産価格が上昇する理由は、「土地が狭い」「MM2Hビザの取得者が増えてきたことから需要と供給が追いついていない」ということも要因となっているようだ。

○ペナン島の不動産投資のメリットとデメリットは?
マレーシアは、外国人が不動産購入する際の最低金額が定められているほか、税制面からも「現在の外国人の住宅取引率はわずか5%程度であり比較的低い」とタンさんは言う。

「外国人はコンドミニアムの場合100万リンギット(日本円で約3344万円)以上の物件、戸建住宅の場合は200万リンギット(日本円で約6688万円)以上の物件のみ購入が許されています。MM2Hビザ(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム・ビザ、長期滞在ビザの一つ)の取得者は50万リンギット(日本円で約1672万円)以上の物件から購入が可能です。

ペナン州政府は、地元バイヤーの利益保護を目的として3%の課税を外国人が不動産資産を購入するときに課していますが、物件の売買契約の締結日から5年以内に売却処分する場合には、不動産処分利益税(Real Property Gain Tax)として30%が課されます。5年が経過した後は外国人のみ5%が課されます(ただし、マレーシア国民とPR(永住ビザ)は5年以降の不動産処分利益税は免税)。

また、2015年4月1日からは商品サービス税が有効となります。そのため、コンドミニアムの価格は8%~10%程度、戸建住宅価格の場合は10%~15%程度増加すると予測されています」

それでも、ペナン島の物件に投資するメリットはあるとタンさんは言う。「上記の規制や不動産価格の増加により短期的にはさらに落ち込むと思われますが、長期的にみると健康的なFDI(海外の企業に対する直接的な投資のこと)があり、世界遺産の街があり、土地が少ないペナン島は外国人の資産投資家にとってまだまだ投資環境としては最高の場所の一つです」

タイ・パタヤ

Arial View of Pataya Thailand

○パタヤの特徴
パタヤ近郊は、人口増加率がタイ国内でも指折りの都市。ビーチリゾートというイメージが強く、ロシア人・中国人をはじめとする観光客も増加しているが、「実はパタヤは隠れた経済都市」と株式会社タイ・グローバルビジネスネットワーク代表取締役の板野雅由さんは言う。

近郊には10以上の大型工業団地があり、日系企業を含め約2500社が操業しています。実際に2012年の自動車生産台数(タイ)は世界第10位。それを支えるのが、パタヤ周辺の東部工業団地群です」

パタヤから南の工業都市・ラヨーンにかけては、日本人の居住人口も多く、パタヤから少し北にはレムチャバンというタイで最大級の貿易港がある。レムチャバンは輸出入の拠点として発展しているそうだ。

さらに少し北には、日本人学校のあるシラチャーという街もあり、2009年の日本人学校開校以降、工業団地で勤務する家族連れ駐在員が増加してきたと話す。その周辺には「アマタナコン」と呼ばれる日系企業が集まる多くの工業団地が存在しており、板野さんは「見逃せないエリア」と言う。

そのシラチャー、レムチャバンに隣接する最大都市がパタヤ特別市になるわけだが、パタヤが発展する大きなきっかけとなったのは、2011年にタイで発生した大規模な洪水だったそうだ。

「パタヤの所在するチョンブリ県は洪水被害も少なく、それ以降はチョンブリへ工業団地の新規進出が加速しています。そのため、パタヤ周辺の人口はここ数年で飛躍的に増加しました。ラヨーン、シラチャー、レムチャバンといった地域の中心都市として、パタヤが成長を続けているのは必然と言えるかもしれません」

○パタヤの物件の相場、利回りは?
現在、パタヤのコンドミニアムは、バンコク都内郊外の価格と同じか若干割安価格で購入できるという。バンコクの同じ価格のコンドミニアムより平米数が広く、中にはオール家具付き物件も多いのが魅力だ。

「パタヤとひと言で言っても、地域によってコンドミニアムの価格はさまざま。100万バーツ(約300万円)から1000万バーツ(約3000万円)を超える物件まであります。

平米あたりの単価は、パタヤの北部に位置する高級住宅街ナクルア(ウォンアマット)が最も高く、平米あたりで15万バーツ前後、パタヤで最もにぎやかなウォーキングストリートに程近いセントラルパタヤだと平米あたり13万バーツ前後が完成物件の相場です。今後開発の進む、南のジョムティエンビーチへ行くと平米あたり7万~10万バーツ前後と言われています」

賃貸利回りについては、バンコクでの平均約6%に比べ、パタヤは8%前後と、比較的高めなのも魅力の一つだ。

「先に述べた工業団地の存在や、パタヤ近郊へ外国企業の工場進出が増加している点も大きな魅力と言えます。製造業の中心となるパタヤ近郊への高速鉄道(新幹線)の建設計画も現・プラユット政権下で承認されました。首都バンコクからのアクセスも良くなり、近くのウタパオ空港では既に国際線が就航しています。インフラが整うと地価が上がるのは必然ですから、中長期的に見ても、非常に楽しみですね」

○パタヤの不動産投資のメリットとデメリットは?
高速鉄道(新幹線)、空港など交通インフラ整備により、今後地価の高騰が期待できるという点以外にも「パタヤの物件に投資するメリットは大きい」と板野さんは言う。

「アユタヤの洪水被害(国内)、チャイナリスクを避ける動き(国外)を元に、製造業を中心にタイ・パタヤ近郊へのシフトが進んでいるので、今後も人口が増えることは大いに予想されます。

バンコク都内より割安な価格で、300万円台からコンドミニアムを購入できるのでお手頃。ヒルトンやシェラトンなど著名ホテルブランドも進出しているほか、ジャック・ニクラウスが設計したゴルフコースが存在するなど、世界的ビーチリゾートとしても注目を集めているのも魅力です」

ただし、「交通インフラの整備などには時間がかかるため、短期売買に向いていないです。郊外では低層コンドミニアムの開発が進んでおり、立地の選定も重要になるでしょう」とデメリットについても語る。

国によって大きく違いがあるリゾート物件。東南アジアのリゾートエリアの不動産投資を検討する際には、ぜひ参考にしていただきたい。

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