アクセントクロス_ph

アクセントクロスとは、部屋の壁紙の一部分を違うものに変えること。効果的なアクセントクロスで部屋を印象づけて、入居促進をはかることができる。今回はキャリア11年の実績を持つ、プロのインテリアコーディネーター、みなやまくみこさんから、入居者に受けるアクセントクロスの使用法、選び方を解説いただいた。今すぐ使えるカタログ品番付でプロの技を伝授する!

アクセントクロスの基本と大家さんがしがちな失敗例

すっかり市民権を得たアクセントクロスだが、選び方では良くも悪くもなる。まずは大家さんがしがちな失敗例を聞いてみた。

「やりがち失敗は、ワンルームの一部屋に、いろんな柄や色のクロスを取り入れているケースです。ひとつひとつの色やデザインは魅力的でも、狭い空間に種類がありすぎるのも、統一感に欠け、落ち着きのない部屋になりがちです。 クロス使いは統一感が大事です。ワンルームの場合でも、たとえ3LDKであっても、水回りも含めて、世帯単位でコーディネートする方が入居者へ良い印象を与えます」

では、どのように統一感を出したら良いのだろうか。ずばりアクセントカラーの決め方のコツはあるのだろうか?

「まず一棟単位(建物で統一)か部屋単位(その世帯ごとに統一)するかを決めます。 たくさんの色・柄使いたい場合は一棟ではなくて部屋ごとにします。 次にコンセプトです。『北欧』『ビンテージ』『レトロ』など決めたら、コンセプトにそって色味・柄・質感を統一させていくのがポイントです」

次にベースとなるクロスとアクセントクロスとの組合せ方法は……。

「賃貸物件の場合はベースに単価の安い量産タイプのクロスを使います。ベースになる面は広く明るく見えるため白かオフホワイトが主流です。

インターネットではメーター350円から380円売られていますが、実際に施工する会社では職人の手間代が含むため、金額はまちまちです。おおよそ1平米の施工費800円~1200円程度が目安となります。そして、アクセントクロスの種類は、1色が基本で、部屋によっては2色のなかで決めるのがルールです」

■量産クロス
今回紹介するのは、サンゲツ「SP」、リリカラ「BASE」というカタログ。どのメーカーもほぼ同じような柄がある。選択するなら織目調か石目調。全体的なあたたかいイメージなら布の織目のようなデザインの織目調水まわりやクールに仕上げたいときは石目調。基本的にアクセントクロスの素材感に合せる。

量産クロス02

上がサンゲツの「SP」、下がリリカラの「BASE」

量産クロス01

上がサンゲツの織目調、下がリリカラの石目調

アクセントクロスは一般的に『1000番台クロス』と呼ばれるものを使います。柄の数、色、素材感の種類が多く、各メーカーの売れ筋のクロスが揃っています。 メーター1000円が基準となっており、量産クロスに比べて、1.5~2倍程度のコストが目安です」

■アクセントクロス(1000番台クロス)
カタログ名はサンゲツ「リザーブ1000」「ファイン1000」。リリカラでは「ウイル」「ライト」「ウォール」。

1000番台クロス

1000番台クロスと呼ばれているアクセントクロスのカタログ

webカタログで見てA4サイズのサンプルを無料で送ってもらうことが可能。またメーカーのショールームでももらうことができる。 その他の注意として、クロスの張替のときに下地が残りやすく、薄いクロスを選ぶと下地の凹凸が出て仕上がりがきれいでないため、なるべく厚手のクロスを選ぶと良い

クロス選びの次は、リビングなどの広い空間から、水回りなどの狭い空間でのアクセントクロスの使用例・選択のルールを紹介する。すぐに使える、9つのアクセントクロスのコーディネート事例(写真付き)と一緒にご覧頂こう。