ユニーク不動産最終_01062015

古今東西、値段が跳ね上がるものには共通点がある。それは、他のものと一線を画した希少性。現在は需要が少なく価値が見出されておらずとも、何かのきっかけで大化けする可能性を孕んでいる。

近年、価値が跳ね上がった不動産で印象深いもののひとつに、尖閣諸島がある。1895年から国が個人に無償で貸出していたこの島々。1932年には1万5000円(現在の価値で約2500万円)で、そのまま払い下げられた

1968年、周辺に豊富な海底資源が眠ることが発覚。中国が領土の主張をはじめ、350億円という買値を提示したこともあったという。最終的には日本政府が約20億5000万円で買い取ったが、それでも投資家としては夢のある話だ。

もちろん、現実的な問題も多いのだが……。

今でも無人島は購入可能

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日本には6415もの無人島があると言われるが、大々的に売買されているものは珍しい。なかでも和歌山県白浜町にある小鞠山島(こまりやまじま)は、好条件がそろう貴重な場所だ。

透明度の高い海に囲まれ、白砂のビーチが広がる楽園のような景観。それでいて本土から船で5分とアクセスもよく、平坦な土地があるので建築も可能である。価格は1億5000万円と決して安くはないが、自分の王国を作る場所としては最適だろう。

アメリカではミサイル基地まで販売中

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次は世界的なレア物件として、ミサイル基地を紹介したい。アメリカのワシントンで売りに出されている地下施設には、1960年台の冷戦期に「タイタンⅠ」という大陸間弾道ミサイルが収容されていた。

約23万平方mという広大な敷地の地下には、キッチン、バスルーム、寝室、発射制御装置を完備したコントロールドームもある。参考価格は150万ドル(約1億8000万円)

核攻撃に耐えられるよう設計されているため、万が一の際にも安心である。ちなみに前のオーナーは、子供たちのサマーキャンプに使用していたそうだ。

平和的な再利用方法に、自由の国アメリカらしい懐の深さを感じる。

小学校がネットオークションに出品!

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少々規律にうるさい日本でも、廃校となった小学校がネットオークションに登場した。

2009年、北海道の新冠町がグラウンドやプール、職員住宅を含む、4つの旧校舎を出品したところ、その内の1つ旧太陽小学校が3000万円で落札

不動産関係会社に買い取られた校舎は、今では「太陽の森・ディマシオ幻想美術館」という立派な文化施設になっている。ネット上で注目を集めたおかげか、その他3校も買い手や利用法が見つかり、販売は終了。

すぐ隣にある新ひだか町など、校舎を売却中の地方自治体はまだまだあるので、再活用のアイディアがある投資家はチェックしてほしい。

日本と欧米、歴史的物件の取り扱いの違い

その他にも、古城が揃う『Castles For Sale』や教会を取り扱う『LoopNet』など、海外には歴史のある施設を売買するサイトが存在する。

住宅、ホテル、カフェ、ウェディング場と再利用の方法もさまざま。確かに、古城ホテルや教会カフェという響きだけで、魅力に感じる人は多いはずだ。

我が国に置き換えると、天守閣カフェ、寺ホテル、神社別荘……といった利用法か。少々罰当たりな気もするが、外国人観光客には大いに喜ばれそうである。

これまで、横浜の伊勢山皇大神宮や青森の弘前東照宮といった文化財が競売にかけられた前例はあるが、全くと言っていいほど市場は形成されていない。

もちろん、歴史的な建物に手を加えることを良しとしない意見も重々に理解できる。しかし、財政難による維持・管理不足で朽ちさせるよりは、観光資源として有効活用した方が、よほど後世に残るのではないだろうか。

日本の文化は世界的に類を見ないほど希少性に富んでいる。今は見向きもされないような田舎の廃墟が、多くの外国人が訪れる人気スポットになる可能性だって十分にあるのだ。

 

素材協力:

・アクアスタイルズ(http://www.aqua-styles.com/
・Missile Base Properties for Sale(http://www.missilebases.com
・新冠町役場(http://www.niikappu.jp/

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