住宅ローンばれたら最終_20150203

不動産投資をはじめるにあたってネックとなるのは、その資金。よほどの資産家でない限りは、現金購入は難しい……。できれば有利な条件でより多くの融資を受けたいと願うのも当然だろう。とはいえなかなか思い通りにならないのが銀行交渉。

すでに融資をうけている投資家のなかでも高い金利に苦しんでいる人が多い。そんななか、「住宅ローンを使って不動産投資」を行っている投資家がいる。

一体、どうやって住宅ローンを使っているのだろうか。もし、銀行にバレたら一体どうなるのだろうか。タブーを犯した投資家への匿名インタビューを行った。

二戸建てのアパートを二世帯住宅といって借入
〈サラリーマンT・Rさんのケース〉

首都圏に新築アパート投資を行ったT・Rさんは、外資系企業に勤める30代のサラリーマン。昨年、結婚したばかりで奥様と相談して、賃貸併用住宅を建てることを決意した。

「最初はやはり普通のマイホームを考えていました。妻の希望で建売ではなくて注文住宅を建てたいということで、土地について建物について、銀行融資について、いろいろなことを調べていくうちに賃貸併用住宅を知りました」

給与は高いものの将来が不安定な外資系で、マイホームを建てることを考えると、長期間のローン返済が心配だ。できれば収益を生む自宅が欲しい……。

そう考えていたところ、ローン返済分を稼いでくれる賃貸併用住宅を建てれば、マイホームと収益物件を同時に手に入れることができることを知ったそうです。

「すでに土地探しをはじめていましたが、将来を考えるとただのマイホームよりは、『絶対に賃貸併用住宅だ。それしかない』という気持ちになりました」

その結果、都内東部の某駅徒歩8分に手ごろが土地を見つけることができた。自宅フロアと2戸のある賃貸併用アパートを希望したが、2戸にすると相当な狭小となるため、賃貸部1戸と自宅という2世帯の建物になる。

そうして、設計士や工務店とプランを進めていく中で、奥様の妊娠が発覚した。すると、これまで賛成してくれていた奥様が賃貸併用住宅に対して抵抗を示しはじめた

「小ぶりな土地にマイホーム部分とは別に1世帯の賃貸部分を持つ上下の木造のプランを予定していましたが、赤ちゃんがいる生活で階下に他人が住んでいるというのはどうなのか、ということです。

間取りもさほど広くありませんし、なにせ木造ですから音の問題もあります。悩んだ結果、賃貸併用住宅を諦めて2世帯アパートのプランに変更することにしました。しかし、そうなった場合は融資が問題ということがわかりました

というのも2世帯アパートでは収益性は低く、アパートローンは受けにくい。かろうじて受けられそうなローンは高金利で、ただでさえ低利回りなのに、とても収益があがらない。

「もともと自宅にしようと思っていただけあって利便の良い立地です。土地は資産と考えていましたから、ある程度の利回りの低さは覚悟していましたが、低金利な住宅ローンと高金利のアパートローンで比べると雲泥の差です」

そこでT・Rさんは賃貸併用住宅としてまま住宅ローンを組むことにした。金利も1%以下で、メガバンクフルローンで借りることができた。 竣工後は住民票だけを移して、返済がスタート。自分たちは賃貸に住んだまま、1年以上の間、無事満室運営できていたそうだ。それがバレてしまったのは一体なぜなのだろうか。

バレたきっかけはメガバンクの担当者が物件に来たからです。用事があって近くに訪れた際、たまたまアパートの前を通ったようです。アパート名と管理会社の看板があり、1階の自宅部分に子供の済む気配がないことから、怪しまれてあっさりバレてしまいました。 担当者からすぐ電話がきて、直接会って事情を説明するように言われました」

担当者の剣幕から、アパートにしているのがバレたことはわかったが、そのときは何を言われるかわからず、ただ緊張しながら銀行へ向かった。

「妻の妊娠を理由に無断で計画変更したことを誠心誠意お詫びしたのですが、真っ青な顔をして“これはマズイですよ”と何度も言うのですよ。安易な気持ちで申し訳ないことをしてしまったと後悔しました

その結果、そのメガバンクから一括返済を求められた。そして、T・Rさんは金策に走り回ることになる。

「正直、バレても一括返済はないと思っていたので、自分の考えが甘かったです。さいわい別の銀行から金利3%ですがアパートローンを借りることができました。1年間の運営実績が認められたこと、あらかじめ頭金を2割いれていたことが大きかったと思います」

T・Rさんとしては、金利は高くなり収支が悪くなったものの、とにかく借換えができてホッと安堵したそうだ。

「振り返ると1ヶ月たらずの出来事ですが、生きた心地がしませんでした。こんな思いは二度としたくないですね。メガバンクの担当者には本当に悪いことをしてしまったと思っています」

メガバンクに限らず、居住地の最寄りの支店で借りた場合、担当者は自宅を訪れる可能性がある。地域の担当者はT・Rさんのように自宅直接でなくても、近所の顧客をまわっているためバレやすい。

「もともと自宅のつもりでしたから、地域密着でプランを進めていたのです。ただ、これが徒歩圏の支店ではなくて、職場の近くだったり、最寄り駅ではなくて、最寄りのターミナル駅の支店であれば、バレなかったのではと少し思ったこともありますが……悪いことをしてしまったと反省しています。」