不動産投資家であれば、誰しも一度は感じる不安……「思わぬ出費、空室が続いて、もし、ローンが払えなかったらどうなってしまうのか?」。
その疑問に答えてくれたのは、不動産再生屋 山本こと、山本 秀利さん。
自身もバブルのツケで借金地獄を味わい、これまで数多くの不動産投資家、大家さんの事業再生を手がけてきた。 決して経験はしたくないけれど、知っておきたい不動産投資失敗のその後を、自己破産したケース、借入先が民間金融機関、公的金融機関だったケースにわけ、それぞれどうなるのかを解説!
商工ローン・サラ金・闇金……総額3億4千万円の借金地獄
不動産再生屋 山本こと、山本秀利さんは、自ら不動産による借金を背負い、債務整理を行った経験がある。
「実家は土地を買って建売分譲住宅を売る会社でした。その父の会社に入り、まずは7年間現場で大工仕事をしました。その後、大工兼現場監督、営業・現場管理・不動産業務を担当して、仲介・賃貸管理・立ち退き交渉・競売……とおおよそ不動産屋として行える業務の全てをこなしていました。
バブル前の好景気を経験しましたが、バブル崩壊では、高値で仕込んだ土地が売れなくなり、そこから借金が雪だるまのように増えていきました。」
父の会社を支えるため、悪名高い商工ローンから借金を重ね、崖っぷちに立たされる。
「商工ローンからの借入には、自分だけでなく家族や取引先の会社も連帯保証人になっていましたから、破産してしまえば迷惑をかけてしまいます。
結果、商工ローンでも借入が足りなくなり、個人でサラ金10社くらいから借り、それでも足りなくなったので最後には闇金に手を出して、借金が3億4千万円に膨れ上がり、ついに身動きが取れなくなった時、死んで保険金で借金を返そうと思いましたが、既に保険料も払えず、全て解約している状態でした」
生活が困窮し追いつめられて荒む日々、自転車操業に限界を感じて、山本さんは自ら債務整理に乗り出す。 闇金との交渉をはじめ、商工ローンを相手取り、たった一人で過払い請求訴訟を起こしたのだ。
「今でこそポピュラーですが当時は『過払い金』という言葉がありませんでした。弁護士費用もないですし、そもそも当時は商工ローンを相手に過払い訴訟する弁護士がいなかったので、本人訴訟を行い、和解で請求金の半額を取り戻すことができました。
当時はまだ過払いの『か』の字も知られていない時代です。最後に裁判官から『良く(素人が)頑張りましたね』と握手を求められました。」
その後は、自身の経験を活かして、事業再生のコンサル会社にて、個人から法人までの倒産防止・事業再生のコンサルティングを8年間行ってきた。一体、どんな大家さんが山本さんの元へ相談にやってくるのだろうか。
「返済に困り、相談に来る不動産投資家さんなり大家さんは、ほぼ不動産担保ローンやアパートローンが延滞している状態です。こういう方が6~7割くらい。たまにまだ延滞していない人もいますが1割に満たないです。
延滞の度合いは様々ですが、中には既に競売に入っている方もいます。相談に来たときの状況や、その方の置かれている状況によっては解決方法なり最終的な再生方法を提案し、2割ほどは投資家として、大家さんとして再生できます。
残りはかなり苦しい状態なので、大家業、投資家として再生するのではなく、人として生活できるような再生を目指します」
住宅ローンや不動産の再生コンサルタントと名前をあげているが、事業を再生することに重要視するのではなく、どちらかといえば相談者の生活を再生することを重要視しているそうだ。
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