なっちーさん最終_20150203

主婦大家なっちーこと、舛添菜穂子さんは、地元千葉と出身地大阪に戸建を5戸、都内に区分1戸を所有する投資家。ゆっくりとしたしゃべり口調で、どちらかというとおっとりしたイメージの舛添さんだが、その投資手法は「高利回りボロ戸建投資」という泥臭いもの!

利回り20パーセント以上という所有物件は、一部は融資を受けたものの大半は独身時代からコツコツ貯めた預金を投入して取得。大幅値引きを実現させた指値術と、自らが経験した戸建投資にありがちな落とし穴をあますことなく披露いただいた!

就職氷河期にようやく就職できた会社でリストラに合う

大阪出身の舛添さんは、地元の短大を卒業した後、アパレル関連の会社に就職。当時はまだ就職氷河期が続いていたころで、その会社に決まるまで50社以上も就職試験に落ち続けたそうだ。

「なかなか就職が決まらず心が折れそうになりました。1社目の会社は就活がうまくいかない私に、短大の先生が紹介してくださったのですが、お給料は手取り8万円。実家暮らしなので何とかなりますが、この収入だけではあまりにも心もとないと思いました」

しかも、ボーナスが出たのは入社して最初の年だけ。そのうち会社の業績が傾いてリストラされることに

「まず年配社員のオジサンから順に肩叩きがあり、そのうち最若年の私にも声がかかりました。郊外のアウトレットモールで、スーツをワゴン販売するか、退職して親会社に再就職するかの選択を迫られたのです」

親会社に再就職するなら退職金の上乗せがあり、その金額は100万円以上。20代にすれば大金で、おまけに次の就職先も斡旋してくれるとあって、条件は悪くなかったという。

勤めながら財形貯蓄にもはげみ1社目で200万円の貯金ができた。さらに2社目の会社では手取り15万円にあがり、リストラされたとはいえ、意外と好条件に恵まれた舛添さんだが、また同じ目に合うかもしれないと危機感を抱く。

「景気も悪いし、この先15万円の給料だけでやっていけるのか不安を感じていたのです。できれば給料プラスαのお金を稼ぎたいと思い、週末の金曜の夜と土日、それに祝日も喫茶店や居酒屋でアルバイトをすることにしました」

時給は1000円と少し。週末のバイトで5万円ほど稼ぎ、本業と合わせて20万円になり、そのほとんどを貯金に回した。

「買い物をするときも最安値にこだわり、金券ショップを活用しました。ギフト券や交通のお得なチケット、地下鉄も必ず回数券です。11回分が10回分の値段で買えますから。飲食店は割引特典のあるクーポンを利用するのは当たり前でした」

そうした節約生活を送っている中で舛添さんの不安が的中。2社目の会社が倒産してしまう。その後は、失業保険をもらいながらの就職活動。会社都合の倒産で退職したため長めに受給できたそうで、保険が切れるころ、今度は職業訓練に応募して経理の勉強を続ける。

「訓練中も給付金がもらえます。その期間も終わって、いよいよ就職先を真剣に検討しなくてはいけなくなったときに、3社目のブラック会社の社長と出会いました。 このときの手取りは18万円。今までに比べて良かったけれど超ブラック会社です。連日終電までの残業が続き、実家暮らしがままならず1人暮らしもはじめました」

さすがにこのハードな勤務形態では飲食店のアルバイトはできなかったが、すでに貯金が数百万円に達していた。

結婚して関東へ、そしてパートしながら物件探しの日々

これまでの投資といえば、FXに手を出して50万円ほど失敗経験がある舛添さん。結婚が決まってブラック会社を退職することになったころに、テレビCMで新築ワンルーム投資を知る。

「購入には至りませんでしたが、不動産投資があることを知って、是非やってみたいと思いました。そこから勉強のスタートです。私にできる投資法を探すべく、必死に本を読み漁りました」

加藤ひろゆきさんで戸建投資を知り、石原博光さんで地方木造投資を学び、はじめての物件は“高利回りの中古戸建”に決めたそうだ。

「当時は1戸で入居がなければ0というマイナス思考はなく『むしろ戸建は広いしファミリーを狙える!』と前向きでした。また、後で知るリフォームの難しさもあまり考えていませんでした。

その後、結婚して主人の住む千葉に引っ越して、パートもはじめます。デパートでバックを売る仕事です。事務職から販売員となって一生懸命バックを売ったところ、エリア別で成績2位となりました。報奨金もいただきましたが、300万円売上げてわずか2500円です。やはり不動産投資をがんばらねば……と思いました」

パートの時給は900円からスタートして、少しずつ上がっても930円。成果を出しても報われない現実にショックを受けたそうだ。このころにはご主人にも「不動産投資をはじめたい」ということを、少しずつカミングアウトし、セミナーにもどんどん通うようになる。

「気づけばパートをしながら、インターネットで物件検索を続ける日々が2年過ぎていました。関東と大阪と両方で探し、実際に現地へ見に行ったりもしましたが、買付までには至りません。相場がわからないし怖かったせいもあります。このままでは買えないのではないかと焦りはじめたころ、戸建1号の大阪吹田市の物件を見つけます」

いつものように寝る前に物件検索をしていたところ、実家がある大阪府茨木市からほど近い吹田市で、駅から徒歩5分の築35年のボロ戸建が500万円で売られていたそうだ。

「魅力的だと思いましたが、自己資金として使えるお金は、国債を切り崩した500万円なので、諸費用やリフォーム代金を考えるとぜんぜん足りません。 気にはなっていたけれど、問合せをしないままでいたところ、法事で大阪に帰省することになり、ついでに物件を見ることにしました」

情報に気づいてから数ヶ月は経っていたが、幸い売れ残っていた。その理由を聞くと、最初は1000万円から売り出されていたものの、買い手がつかず徐々に下がっていったそうだ。

売りに出てから時間が経っていたせいか『400万円くらいでどうですか?』と業者さんの方から提案をいただきました。その日は室内が見れず、後日、私の両親とネットで検索した近所のリフォーム業者さんにも同行してもらい、写真を撮ってもらいました。写真で見たところ、室内の状態は良く思えました。

この物件ではリフォームについて後々トラブルになるのですが、すでに見学の段階からその兆しはありました」

というのも、リフォーム業者を同行させたことについて、仲介業者から『うちもリフォーム業者と提携しているから、言ってくれれば連れて行ったのに!』と苦情が出たのだ。

「私としては自分が呼んだ会社でないと信用できません。でも、とにかく大阪の業者さんはストレートに意見をいいます。物件そのものは気に入ったので、すぐに買付をいれました。350万円で指値したところ、業者さんの口添えもあり無事通りました

平均利回り23%!! 保有物件全てを大公開!

○戸建1号:大阪府、350万円、利回り22%

なっちー戸建1号 (1)

なっちー戸建1号 (2)

 

 

 

 

 

○戸建2号:千葉県、320万円、利回り21.7%

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○戸建3号:千葉県、270万円、利回り25.7%

なっちー戸建3号 (1)

なっちー戸建3号 (2)

 

 

 

 

 

 

 

○戸建4号:千葉県、360万円、利回り23%

なっちー戸建4号 (2)なっちー戸建4号 (1)

 

 

 

 

 

○戸建5号:大阪府、380万円、利回り30%

なっちー戸建5号 (1)

 なっちー戸建5号 (2)

 

 

 

 

○区分マンション:東京都、500万円、利回り16.5%

なっちー区分 (3)

なっちー区分 (2)

 

 

 

 

 

 

戸建1号購入後のトラブル
リフォーム会社が激怒して工事ができない!

大阪で行われた契約は年が明けた2012年1月の終わり。仲介業者へは指値交渉の礼として仲介手数料を3万円プラスして支払うことした。

「ようやく1戸目の物件を買うことができましたが、そこまで長い道のりでしたが、ここからもまた苦難の道がはじまります。リフォームについては書籍で詳しく書いていますが、かかった費用は税金を含めてもトータルで488万円でしたから、自己資金500万円ちょうどです。

でも部屋をリフォームして満室になるまで、半年以上もかかってしまいました。 というのも売買の仲介会社の社長さんは、自社で物件管理やリフォームを行うことを前提にして、指値交渉してくれたのです。私はそういう背景を理解しないまま、リフォームの見積もりをとりました。

そのとき、とある著名投資家さんのリフォーム術の本を読んでいて、本に書いてある内容からリフォーム費用は50万円程度かと予想していました。ところが出てきた金額は90万円のため、つい『本にはこう書いてありますよ!』と言ってしまったのです。クレームというよりは、『どうして?』という気持ちだったのですが、結果的に業者さんを激怒させてしまいました

今なら何でも本の通りに行くわけがないことを理解しているが、当時は疑問を素直にぶつけてリフォーム業者と険悪になってしまった。そこで紹介で新たなリフォーム業者に見積もりをお願いすることになる。

「友達のご主人が不動産業者で、そこからの紹介ということで、安心しきっていました。ところがこれも大失敗でした。前の業者よりも高い120万円だったのです」

見積もりをとるたびに高くなることに驚いた舛添さん。前の業者に頼みたくても、険悪になってしまって頼めない……。そこで新たに親友から、また別の業者を紹介される。

「一斉に相見積もりをとらず、順番にやっていたので、とにかく時間がかかります。親身に相談に乗ってくれるからといって『安い』わけではないことを学びました。この間も空室は続いていますから、このままでは繁忙期を逃してしまいます。私は購入前以上に焦っていました」

そして、次の業者から80万円の見積もりが出て、ようやくリフォーム会社が決定した。2月半ばに工事を行い、3月早々に募集スタート。なんとか繁忙期にはギリギリ間に合うことができた。

今度は客付に失敗……繁忙期を逃してしまう

客付(入居者募集)はリフォーム業者を紹介してくれた、友人のご主人の不動産業者へ依頼。不動産業者間の情報サイト「レインズ」と、「スーモ」や「アットホーム」といった大手情報サイトへ掲載された。

「でも、一向に問合せがこないのです。その業者さんは賃貸もやっていますが、どちらかといえば売買が専門だったようです。私自身も競合物件の家賃を研究することもせず、だいたいで家賃を7万円と決めたのですが、それも良くなかったようです」

募集をかけても入居希望が現われないことに焦りを感じた舛添さんは、何度も店に電話をいれるが、どうもレスポンスがない。

「聞いたら家賃交渉をしてくる方に対して、『お断り』していたようなのです。交渉前提で高めに設定したので、お客様が門前払いされていることに気づいたときはショックでした」

しかし、その会社とは別に「レインズ」を見た、吹田市の駅前業者が募集をかけており、そこへ申込が入る。

決まったのは9月です。家の建て替えの間の仮住まいということで、短期貸しですが、まったく動きのない夏場のため、仕方ないと割り切りました」

広告費はもともと頼んだ知り合いの業者、実際に客付をしてくれた駅前の業者へ半月ずつ支払って、なんとか満室を達成。

「最初の入居者さんは3ヶ月契約を翌年の3月まで延長して、半年間住んでいただけました。お会いしたことはありませんが、私にとっては初めての入居者さんだから嬉しくて、お礼のお手紙を添えてお菓子を贈ったところ、お歳暮には豪勢な蟹と海老をいただきました

退去時も駅前の業者さんに立ち会っていただいたのですが、そのときに入居者さんと電話でお話しました。私は感謝の気持ちでいっぱいになり、お互い涙のお別れとなりました」

退去後は今度こそ繁忙期に埋めようと、今度は駅前の業者を中心に自分で営業活動。その努力は実らず、次は5月の入居となった。

リフォームをしたとはいえ、設備を入れ替えたわけでもないため、ピカピカの新品同様とはいかない築35年の戸建、そう簡単には入居が決まらない。外国人を入居可にするかどうかで悩んだこともある。

「インドの方の入居申し込みをいただいたのですが、かつて仲介もやっていた知り合いの方に相談をしたところ、宗教的な慣習で強烈なお香を焚くそうです。タバコのように部屋に匂いがしみついてしまうということでした。

またその人から『そのインド人は日本語をちゃんと喋れるの?』とも聞かれ不安が募りました。それくらい、インド人を含む外国人の問合せは多かったのです。正直、自主管理で外国人の対応ができるかと聞かれると、まったく自信がありませんでした」

申込みがきて、業者からは決断を迫られているときに、日本人の姉妹2人の申込みが入った。

「私の物件のある駅は住宅が少ない地域で、姉妹はお母さまが近くに住まわれているのですが、近所で犬が飼えるお家を探していたようです。ペット可の一戸建ては、条件にピッタリということで、家賃交渉もなく入居いただくことができました。この方には今でも住んでいただいてます」

こうして、ようやく戸建1号は安定的な収益を生むことができるようになった。 不動産投資をはじめようと決意してから3年。物件を取得してから1年半が経過していた。

人気の戸建物件には大きなデメリットがある!

戸建1号を取得してからは、うまく軌道に乗せてからは、勢いよく買い進めている舛添さんだが、高利回りボロ戸建投資はけして簡単ではないという。

「よく戸建賃貸は供給が少ない分、客付には強いという風にいわれていますが、私が投資する千葉や大阪の郊外では当てはまらないと思いました。古い戸建に手ごろな家賃で住みたいという需要は必ずあるとは思いますが、それはそんなに多いものではないのです。 タイミングを逃せば私のように何ヶ月も決まらないことがあると思います。

だから、戸建賃貸だからといって、アパートやマンションなどの共同住宅よりも有利だと過信するのは危険だと思います」

結局のところ、戸建は区分マンションと同じように、入居がなければ収入は0となってしまうため、いかにきちんと埋めていくかということが課題となる。

「また家賃についても繁忙期を逃してしまうと、かなり割安にしなければレスポンスがいただけないこともあります」

築古だけに修繕費、リフォーム費もかかることにくわえて、この空室リスクも考えると、やはり物件をなるべく安く購入するのがリスクヘッジになるという。

「私の目標利回りは表面で20パーセントです。実際にリフォーム費がかかりますから、実質で20パーセントというのは難しいのですが、20パーセントを目指して買うことにより、結果的に15パーセント以上の物件を手にいれています

高い収益性が確保できれば、修繕費や空室にも耐えることができる。RC造でよくいわれる積算は気にせず、あくまで収益性を追求するというのが、なっちー流の戸建投資だとか。

「融資を使うのであれば担保価値は大事かもしれませんが、私は現金購入がメインです。また、昨年の秋に購入した戸建5号ではじめて融資を使っていますが、そのときも積算ではなくて、事業実績が重視されていたように感じます。私のやり方でも融資が使えるということは、もっとスピードを求める方もチャレンジができますよね」

次は、物件を安く購入するための物件の探し方と、指値交渉テクニックを披露。

気になる“なっちー流指値交渉”とは?

舛添さんの物件探しは主にインターネット。探し方は500万円以下の物件を購入したいと考えていても、あえて1000万円までの物件をチェックしていること。価格帯を狭めてしまえば件数が限られるが、金額の幅を大きくすることで多数の物件がチェック対象となる。

「たとえば予算オーバーの物件でも売れ残っているうちに徐々に金額を下げていくこともあります。 そうやって1000万円くらいから徐々に値段が下がってきている物件は交渉の余地があると思います」

実際に見に行くのは500万円台が多いが、実際に購入しているのは270万円から380万円と、100万円以上か半額近い指値も成功させている。

では、具体的にどのように指値交渉を行っているのだろう。

「まず建物の状態から交渉の余地がないか探し出すことです。戸建1号では140万円の指値から給湯器が古いことで、さらに10万円ほど差して、結果的に150万円の指値ができました。

また戸建5号は760万円が580万円に下がっているところを、たくさんある残置物をこちらで処理することを条件に200万円の指値が通りました

それ以外には、売主さんがお住まいになっている状態であれば、ご本人と直接お話しすることもあります。戸建4号ではおばあちゃんが一人でお住まいでしたが、良い形でコミュニケーションをとることができました。

そして、業者さんを通じて『このすてきなおうちを大事にします。ぜひ売ってください』とお願いしたところ、580万円から220万円の指値に成功しました」

このようにして5戸の戸建を格安で購入した舛添さんだが、買い逃した経験はそれ以上にある。そこから学んだのは、結局のところは業者次第ということ。

「業者さんによっては『指値なんてとんでもない』と思っている方もいらっしゃいますから、業者さんに話してみて、交渉の余地がないか探ってみるのが一番だと思います。 大事なことは仲介業者さんから売主さんへいかに気持ちよく話を持って行ってもらえるかです」

今、人気を集めている戸建投資だが、安い金額の物件に人気が集中して、投資家による奪い合いが行なわれているのも事実。舛添さんのように大幅指値を実現して、「激安戸建」を自ら作り出すのも手かもしれない。

 

なっちーph

主婦大家なっちーこと
舛添 菜穂子さんのプロフィール

大阪出身で千葉県在住の主婦。独身時代からコツコツ貯めた現金を使って2012年大阪吹田市にてボロ戸建を購入して不動産投資開始!

そのときの失敗経験を活かして2013年から2014年にかけて、大阪1戸、千葉3戸の戸建と、都内に区分1戸を買い進む。 現在の家賃月収は30万円を突破。

著書『パート主婦、“戸建て大家さん”はじめました! ~貯金300万円、融資なし、初心者でもできる「毎月20万の副収入」づくり』(ごま書房新社)

ブログhttp://ameblo.jp/naaachin0225/