新人投資家最終_20150206

不動産投資に興味を持ち、物件購入を決意したものの、なかなか条件に合う物件が見つからない。そんな投資家予備軍も多いだろう。

「買う!」と決めてから実際に購入できた投資家は、一体どのようにして物件購入を実現させたのか。

そこで、購入を決意して1年以内に物件取得を実現した新人投資家へ直撃インタビューを試みた。情報収集の仕方、内覧は何軒くらい行ったのか、物件の調査方法、不動産業者との付き合い方、1件目の物件を選んだ決め手は?

カリスマ大家ではない、ごく普通のサラリーマン投資家の物件購入までの道程を詳細にレポートする。

任意売却で都内の好立地に築古区分マンションを取得
〈東京都 井上由美子さん(仮名) 38歳〉

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・種別:区分所有マンション
・所在地:東京都江東区
・構造:SRC造7階建て
・間取り:2DK
・築年数:昭和59年
・総戸数:120部屋
・購入額:1180万円
(別途リフォーム費70万円)
・利回り:9%

作年の1月に不動産投資をはじめる決意した井上由美子さんは、多忙なサービス業に従事している。不動産に興味を持ったきっかけは、仕事上の知り合いが大家さんをしていたこと。

「仕事を辞める気はないけれど、業界的に不安定で、将来に不安がありました。不動産投資は兼業でやっている人が多いということで、もうひとつの収入源を確保したい私にとってぴったりだと思ったのです。

ローンは会社員の間にしか組めないと思っていたのと、年齢もあるし一刻も早く1棟目を買おうと思い、勉強しながら物件探しをスタートさせました」

井上さんが探したのは、2000万円程度の木造アパート。石原博光さんの影響を受けて、築古高利回り物件を狙い、当初は毎日PCに貼りついて物件検索をしていたそうだ。

「実際に高利回り物件を3軒ほど見に行ったのですが、すごく傾いていたり荒れ果てて廃屋のようだったりと、経験値のない私にとってはちょっと怖くて手が出せないと思うような物件が多かったのです。

本当に買いたいと思う物件は見つかるのだろうかと悩んでいるときに、知り合いのツテでとある売買業者さんを紹介してもらいました。

そこは首都圏を中心に区分所有マンションを扱っており、手間がかからないのが魅力だと思い興味を持ち、とりあえず物件を紹介してもらうことになりました」

紹介された区分所有マンションはオフィス街にも電車で10分以内というアクセスの良さと、徒歩圏内に大型の商業施設やスーパー、ホームセンターなどがあり、自分でも住んでみたいと思えるような好立地。

「部屋は40平米強の小規模ファミリー向けです。築は30年を超えていますが、総戸数120戸という大型マンションで管理体制がしっかりしており、共有部も非常にきれいで、大規模修繕もきっちり行われていました。

表面利回りは9%台ですが、物件価格が相場よりも安く、周辺の家賃も10万円台と高めだったので、家賃を少し下げれば長期間空室になる可能性は低いだろうと考えました。

ただ任意売却物件ということで、室内は人が住んでいた形跡が残り、リフォームが必要でした」

自己資金が300万円と限られていた井上さんは、必要な分だけ融資を受けられるかが心配だったとのこと。結局、融資は業者の紹介でノンバンクから期間30年、4%弱という条件で借りることができた。

「融資付けに強い業者さんということで、すべておまかせしていたのですが、今思えばもう少し金利の低い金融機関を自分で探してみれば良かったかなと反省しています。

金利が高いのがネックですが期間が長いので、なんとかまわる計算です。諸費用と頭金80万円を自己資金で支払い、物件は9割強をローンで組むということになりました」

そして2014年の8月に無事決済を完了して、リフォーム工事を行った。リフォームについては限られた予算ということで、どれくらいまで直すかで悩んだとのこと。

「間取りは洋室、和室、ダイニングキッチンという築古物件にありがちな、振り分け型2DKです。

和室をフローリングにして間取りを1LDKにコンバージョンするアイディアもあったのですが、予算オーバーということで、間取り変更はせずに全室クロス塗装、クロス張替、畳の表替え、システムキッチン交換、シューズボックスとウォシュレットを新設という内容になりました」

入居募集と管理については、どうしたのだろうか?

「いろいろ検討した結果、物件紹介でお世話になった業者さんに管理をお願いしたところ、なかなか客付をしてもらえず、時間をロスしてしまいました。

そうこうしているうちにローン返済がスタートしてしまい、済比率が高いので、とにかく空室は困る……ということで、結局サブリース契約を選びましたが、こんなことなら最初からサブリースを選択した方が良かったとちょっと後悔しています」

サブリースなので、空室でも賃料が入るが区分所有マンション1戸では、さほどキャッシュフローは出ない。基本的には売却しなければ、大きな利益を得ることは難しいのが区分投資だ。

次はどんな物件種別に狙いを定めた方が良いのか……。

井上さんは勤めを続けながら、不動産投資とうまく両立ができるようになるべく手間をかけない方向で、地道に買い進めていければと考えている。

資産組み換えを行う先輩投資家から、RCマンションを購入
〈東京都 高橋哲さん(仮名)33歳〉

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・種別:1棟RCマンション
・所在地:埼玉県西部
・構造:RC造4階建て
・間取り:3LDK、2LDK
・築年数:昭和63年
・総戸数:住居9室 店舗1戸
・購入額:約8千万円
・利回り:9%

 

 

 

 

通信機器のメーカーに勤める高橋さんは、一昨年の10月に結婚した奥様と協力して不動産投資を進めている。

高橋さんが不動産投資をはじめたきっかけは結婚。

「これから家庭を支えていくにあたって、給与とは別に収入をつくりたいと思いました。事務職ですし業界的に落ち込んでいるので、比較的に早く上がれるため、時間の自由はあります。

そんなときに、たまたま不動産投資のセミナーに出向きまして『こんな世界があるのか!』と驚きました」

さっそく不動産投資をはじめたいと奥様に相談したところ、はじめは抵抗があったものの、応援してくれることになった。

「はじめようと思ったものの、2ヶ月くらいはどうしていいかわからず動いていません。なんとなく借金が怖いというイメージもありました。本格的に行動を起したのは2014年になってからです」

物件探しをはじめてからは、出勤前の30分、お昼休憩10分、帰宅後30分とコマ切れですが、とにかくマメにチェックした。探していたのは、関東圏にある1棟RCマンション。積算を重視して築30年以内、利回り9%を基準とした

「この基準は、うまくいっている先輩投資家を真似たものです。融資を受けることを前提としていたので、積算価格は重視していました。実際に面談した不動産会社は9社で、物件探しは基本的にインターネットで行いました。気になった物件に問合せをいれて、見に行った物件は10数件でしょうか。

なかなか希望通りの物件はありませんでした。

苦労話といえば、気になる物件を始発で見学にいって、それから会社に出勤したこともあります。そんな風に努力して探しても、自分が欲しい条件にヒットしません」

そんな高橋さんは今の物件を購入する前に、1度だけ買付をいれたことがあるそう。

「スペックでいえば、所有物件と同じ程度ですが、場所が横浜で山のうえにありました。金額は7000万円と安いですが、部屋数が少ないのと空室リスクが心配でした。買えばなんとかなるかなと思ったのですが、買付を入れた段階で3番手くらいだったので、望みが薄かったですね」

買付を入れたものの結局、買うまでは至らなかった。そんなとき、ちょうどタイミングよく、先輩投資家から物件を売却してもらえることになった。

「勉強のために参加したセミナーで知り合った先輩投資家に、売却をする際は譲ってほしいと連絡をしたところ、物件売却を考えていた時期ということで、トントン拍子に話がまとまりました。なんでも、より大きな物件にチャレンジするため、物件売却を考えているという話でした。

埼玉西部にあるローカルな沿線にあるファミリータイプのRCマンションですが、その地域には土地勘がありました。私はその近所の大学に通っており、学生のころ住んでいたこともあります。

愛着のある土地ですし、築20年以上というと大規模修繕が必要な物件が多いですが、ここは屋上防水や外壁塗装が終わっていてキレイでした。しかも満室です。こんな良い話はないと思いました」

自己資金は夫婦で独身時代に貯めた預金が900万円。頭金に1割ほど使って、残りは融資を受けた。

「資金調達は前オーナーである知り合いの紹介で、信用金庫から期間22年、金利2.25%と良い条件で借りることができて感謝しています。キャッシュフローはおおよそ20万円くらいです」

満室で購入したため手間はほとんどかかっていないという高橋さん。物件購入のために動き出してから、10ヶ月後に無事物件を購入することができた。

今後の目標は1年に2棟程度購入するのが目標。

「1億円以下の同じ規模の物件が希望です。ひとまず4棟くらい取得できればいいかなと思っています」