トランクルーム菅井さん最終_03092015

トランクルーム・貸しガレージ・貸しコンテナなど、「レジデンス」(住居)ではなく、いわゆる「倉庫」を貸し出すストレージ投資が密かにブームを呼んでいる。300万円程度から手軽にはじめられる新しい投資だが、果たしてその実態とは?

ベストセラー『お金が貯まるのは、どっち!? お金に好かれる人、嫌われる人の法則』の著者、元メガバンク支店長で不動産投資家、カフェのオーナーでもある菅井敏之さんにインタビュー!

首都圏と関西にて、トランクルーム50室以上の運営実績を持つ、菅井さんに「ストレージ投資の本当のところ」をお伺いした。 

ビルトイン型のトランクルームからスタートしたストレージ投資は
1年で初期費用を回収

菅井さんは新築・中古を合わせてマンション6棟を所有、年間7000万円の不動産収入がある。初のストレージ投資は、自身の所有物件の1階にビルドインのトランクルームを作ったことからはじまった

「2004年に1棟目の投資物件として、世田谷区に鉄骨マンションを新築しました。駅から近くて便利な立地ですが、1階は半地下のようなつくりで、日当たりが悪いのです。レジで貸し出すためには、家賃をよっぽど下げないといけませんし、利便はいいものの裏通りにあるため、テナントにも向きません。

どうしたものかと考えた結果、思いついたのがトランクルームです。

調べたところトランクルーム専門の管理運営会社があり、ビルドイン型のトランクルームであれば、リフォーム費用300万円ほどで開始できることがわかりました」

このように、日当たりの悪い1階で入居付に苦労しそうだから……と、はじめたトランクルーム。最初から収支計算をしっかり行ったわけでもなく、どちらかといえば苦肉の策ではじめた投資ではあるが、オープン以来ほとんど満室が続いているそうだ。

pic01

世田谷区の物件に設置した、ビルドイン型のトランクルーム

「高い利回りに期待してはじめたわけではないのですが、結果的には高利回りで運営できています。月の賃料が30万円ですから、初期投資は1年で回収しています。

月々の管理費用は10%とレジの管理に比べてコストがかかりますが、募集から管理運営まで、そっくりアウトソーシングできますから手間がかかりません」

そもそも、ストレージ投資の特徴といえば、貸すのは「物を置くスペース」だから、キッチンやバスルームなど高コストな水回り設備がいらず、騒音やゴミ出しマナーといった、人が生活をしていく中で発生しがちな入居トラブルとも無縁

必要なのは空調など温度管理とセキュリティで、かかるコストは電気代程度だとか。

借りて下さっているのは、近所の方々です。一般の利用もありますが、駅前なのでいろんな需要があるようです。税理士事務所や医院の書類保管庫として使われたり、手狭になったオフィスの倉庫代わりに使われたりと、様々な使われ方をされていますね。

募集方法は管理業者によるインターネット上での告知と、現地に設置してある看板くらいです。意外にもアナログな看板からの問合せが多いそうですよ」

思った以上の成果に味をしめた菅井さんは、トランクルーム事業の拡大を目指す。次に、2006年に横浜市で新築したRCマンションの1階に、同じようなビルドイン型のトランクルームを設置

設備費用は約100万円で、都内ほどではないが月額の賃料収入が約10万円、高利回りをキープしている。

pic02

横浜市の物件に設置した、ビルドイン型のトランクルーム

pic03

トランクルーム、外観の様子

「横浜のトランクルームも成功物件です。駅からほど違い近隣商業エリアで行う新築マンション投資で、1階をトランクルームにするのは、非常に良いと思いました」

郊外型ガレージの成功から地方でのストレージ投資に挑戦

続いて、菅井さんは横須賀市にある中古RCマンションの1階もリフォームすることに決めた。もともとはテナントだったところ、退去をきっかけに貸ガレージに転用

「世田谷区、横浜市の物件ではビルトイン型のトランクルームにしました。小さなスペースを有効利用するような、いわば都市型のストレージ投資です。

横須賀市は郊外で立地も高速のインターから近いという特性があるので、広々とした貸しガレージを2室つくりました

なお横須賀のリフォーム費用は300万円、賃料収入は月20万円。都心では小スペース型のトランクルーム、郊外ではガレージとニーズに合わせたストレージ投資は大成功となった。

pic04

横須賀市の物件

pic05

1階をリフォームして貸しガレージに

この成功に気を良くした菅井さんは、所有する1棟物件の1階をトランクやガレージとして貸すのではなく、ストレージ事業用に、賃貸した物件を転貸しようと考えた。

首都圏では家賃が高いので、トランクルームで転貸するには収支が合いません。そこで目をつけたのが関西です。大阪であれば好立地の物件でも家賃が安いし、また1階のテナントはなかなか決まりにくいせいか、家賃交渉も可能です」

そうやって借りたのが、大阪市内私鉄沿線駅徒歩3分にあるマンションの1階にあるテナント。10万円程度で借りてトランクルームにリフォーム、地元の管理会社も見つけて、大阪でのストレージ事業を開始したのが2012年。

家賃の支払いが10万円ですが、家賃収入は18万円です。現状で空室があり満室になれば家賃収入27万円が見込めますので、まだまだ収益の上がる余地があります。新築はもちろんのこと、転貸でトランクルームを行うのも良い投資だと思います。

とはいえ、トランクルームに適した物件を見つけるのは簡単ではありませんが……」

土地は地道に探すしかないようだが、管理を任せる業者はどのように探したらよいのだろうか。菅井さんに伺うと次のように話してくれた。

■良い業者の目安

・稼働率の高い業者
・コストが明朗で権利関係がきちんとしている業者
・管理能力が高く、リーシング力のある業者
・セキュリティがしっかりしている業者

■悪い業者の目安

・業務委託できる内容が乏しい業者(投資家の手間がかかる)
・コンテナの仕入コストが高い業者(初期費用がかかる)
・最初からコンテナやパーテーションを数多く販売してくる業者(需給バランスを考えない)

pic06

大阪市のテナントをトランクルームに

このように新築から中古、転貸まで経験している菅井さんだが、ストレージ投資はまだまだ魅力があるそうだ。実際に最近、多くの投資家から注目を集めているという。

そこで150拠点でストレージ事業を行っている日本レンタルボックス協会理事の徳永暢也さん(株式会社アンビシャス代表取締役)にもお話を伺った。