びっくりした募集方法最終_04102015

入居者募集をする際、仲介業者に頼りきりで良いのかを悩んだことがある大家は少なくないだろう。入居者募集は業者が行うことが一般的だが、大家が自ら募集をかけている例もある。また、業者を通じて募集をかけるにしても、大家のアイディアがあるだけでひと味違った募集をすることは可能だ。

これまでに、そのような募集に出会ったことのある人や、実際にその物件に住んだことのある入居者に、“キラリと光る”賃貸物件の募集方法について聞いてみた。

友人や入居者を通じた物件との出会い

「友人の紹介」で物件を見つけたというSさん(女性・33歳)。たまたま物件を探していたところ、友人に「いい物件がある」と紹介を受けたのだそうだ。ごく普通のアパートだったそうだが、なんと「30万円で物件内の好きなところを改装していい」という条件付き。

実は友人はその物件の大家と親しく、大家から「知り合いで物件を探している人がいたら紹介してほしい」と頼まれていたのだという。「改装では、壁紙とクッションフロアの張替えをして、余ったお金で棚を設置しました。おそらく、クリーニングを兼ねての費用だったんだと思いますが、かなりお得でした。」と話している。

これは、知人に「入居者を募集している」と伝えて協力を求めることで、紹介が成り立ったパターンである。人脈が豊富で信頼できる人に協力を仰ぐのが鍵となりそうだ。

Bさん(女性・28歳)は、退去予定だった一人暮らしの部屋を先輩に紹介し、先輩がその部屋に入居した経験があるという。「私は9月末に退去予定、先輩は10月に引っ越す予定だったのでちょうど良いのではとなり、不動産会社に先輩を紹介しました。」と話す。

先輩は「何度か遊びに行っており、きれいなことは知っているので、クリーニングは不要」と言ったそうだ。事前にその部屋を訪れていたため、内見をすることなく部屋の魅力が伝わっていたようである。また、前の入居者を知っていたことによる安心感も、「クリーニングは不要」という判断につながった。

Bさんは入居時に管理会社と契約手続きをした際、「友達などで部屋を気に行った人がいたら紹介してくださいね」と言われていたそうだ。退去とほぼ同時に空室を埋められることになるため、次の入居者が見つかるまでの空白期間を極力短くできるこのケース。

また、実際に入居している人からその物件の良さが伝わっているため、新しい入居者も入居を決めやすいのだろう。入居者を対象に、「次の入居者をご紹介ください」というキャンペーンなどを行うのも良いかもしれない。

大学の周辺にあるアパートで、「代々同じ大学の学生が入るようにする」という募集方法もあるようだ。少し前の話になるが、Cさん(女性・43歳)が学生時代に住んでいた下宿は、不動産仲介業者を通さず、卒業する先輩の後に後輩が入るシステムになっていたそうだ。下宿先を紹介してくれたのは大学だったそう。学生街の物件であれば、大学と提携を結ぶという方法もあるようだ。

初期費用を抑えた家賃を提案

築年数の経った物件でよく使われる方法が、初期費用を抑えた条件を出すというもの。

Aさん(男性・25歳)は、就職時に物件を探していたところ、立地は悪くないが築35年のアパートを見つけた。そのときに仲介業者から提示されたのが「初期費用は家賃1カ月分のみ(5.8万円)」という条件だったという。最初は驚いたAさんだが、「6部屋中4部屋が1年もの間空いており、早く空室を埋めたかった」という大家の本音を聞いて納得した。

大家には室内のリノベーションをする予算はなく、まずは空室を埋めようと考えたらしい。初月家賃をフリーレントとし、敷金、礼金はなし。仲介業者と相談の上、仲介手数料と火災保険料のみで家賃1カ月分のみで入居可能な状態にした。この方法で結果的に他の部屋も埋まっていったので、募集方法としては正解だったのだろう。

「物件の築年数にはこだわらないが、安く引っ越したい」と考える入居者にとって魅力的な条件だったようだ。築年数の経った物件や空室期間が長い物件で、「とにかく急いで空室を埋めたい」という場合には効果的な方法かもしれない。

インターネットを通じたアプローチも

一方、友人知人などの紹介ではなく、インターネット上で大家と直接出会い、物件を見つけた人もいる

Wさん(女性・36歳)は、ペット関係の掲示板の中に物件の募集に関する書き込みを見つけたのだという。間取りや家賃などの情報が提示されていた。物件の大家は、ペット可物件ならペットを飼っている人が見る掲示板で募集をすることが効果的だと考えたようだ。

最初は大家のメールアドレスと電話番号しか分からず「大丈夫だろうか」とドキドキしたというBさんだが、丁寧な応対に安心し、実際に部屋を見学した結果、最終的にはその物件に決めた

特定のニーズに寄せて入居者を集めたい場合には、そのニーズを持っている人たちがいる場所で募集するのも、手段のひとつ。最近ではペット可物件を特集した賃貸情報サイトなどもあるが、ペット可物件の場合には「小型犬・猫のみ」「1頭まで」など、細かい制限を設けている物件も多く、入居者の求める条件も多様なため、より細かいマッチングが必要になる。

「大型犬も可」「散歩に便利な立地」など他の物件にはあまりない条件を持っている場合は、その条件を求める入居者に直接アプローチできれば、募集の効率が上がりそうだ

「知人の紹介」「入居者にとってお得な条件の提案」など、募集のかけ方はさまざま。その結果、想定していたよりも早く空室が埋まったり空室期間を短くしたりすることもできるようだ。業者に任せきりにせず、違うアプローチ方法で入居者を募集するという方法も検討価値があるだろう。