次は、240万円の物件を“公売”で発見!
購入価格の2倍の値段で売れるお宝物件に……

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公売で購入した240万円の一戸建て(リフォーム前)

物件価格

240万円

エリア

埼玉県東松山市

築年数

36年

広さ

105平米

利回り 表面

 41%

駅徒歩

20分

中さんが次に見つけたのが、埼玉県にあった240万円の、豪邸ともいえる立派な邸宅だ。今度は、「公売」で見つけた。

「公売」とは、国税を滞納したことにより、国税局や税務署が差し押さえている不動産を入札などの方法で売却すること。公売は 自治体のサイトなどを利用して、インターネットで検索でき、最も高額で入札した人に売却される決まりになっている。誰でも参加できるが、滞納者及び公売への参加を制限されている人は参加することはできない。

入札会場へ出向くと、入札希望者は中さん一人だった。その結果、土地35坪、建物105平米という広さ、築25年で再建築可能な戸建てを、希望額の240万円で購入できた。こちらも先ほど紹介した180万円の物件と同じく、必要最低限のリノベーションを実施した。リノベーションの際に、中さんがこだわったのが外壁のカラーだ。

人が住みたくなるような清潔感のある色の外壁にすることがポイント。具体的には、オレンジや黄色、淡い水色やグリーンが好評です。」(中さん)

外壁の塗装は数十万円で済むためそれほどお金はかからないが、外壁の印象を変えることで、入居者が決まりやすくなるという。

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外壁の色を変え、爽やかな印象に(リフォーム後)

実は中さんは、この物件を3カ月後に、購入金額の2倍の価格で売却した。つまり、本来であればまだまだ価値のある物件が、多少見た目が悪いことなどを理由に見向きもされなくなっている現状があるということだ。

「空き家を再生することで、世の中の空き家に対するマイナスイメージを変えたい。もし、古いアパートや戸建てを壊そうとしているなら、その前に一度、リノベーションをしたらどうなるかを考えてみてください。」(中さん)

中さんは、不動産投資歴20数年というベテランだが、実は成功談ばかりではない。かつての失敗についても話してくれた。

「バブルの終わり頃にはじめて収益不動産を購入しましたが、その物件はずっと値下がりしてきました。購入額の半値以下まで下がったこともあります。スキルもなく始めた失敗投資が、今でもトラウマになっています。」

以来、不動産投資で失敗しないための基準やルールを決め、それを守ることで過去の失敗を忘れず、自分を律しているそうだ。

モットーは土地値より安く物件を買うこと。土地値以下で購入できれば売るときに、土地値で売れ、大きく損をすることはない。だから割高な物件は購入しないという。その他、物件を選ぶときに重視しているのは、「都内まで通勤できる」首都圏エリアであることで、確実に賃貸ニーズがあるからというのがその理由だ。

また、外壁の色を思い切って変更し、第一印象を変えること、室内では壁や床を清潔感ある新しいものに刷新するなど、自分流のルールを定めて実践している。

物件価格が高騰していると言われる昨今だが、中さんのように競売や公売などを駆使すれば格安で物件を購入することができる。ただし、大半は修繕部分が多い難あり物件のため、分離発注などで費用を抑えてリフォームすることが、空き家だったボロ物件を高利回りの投資物件として運用するための条件になる。

820万戸存在すると言われている空き家の中にも、やり方次第でお金を生んでくれる、隠れた“お宝物件”が潜んでいるかもしれない。

また、現在は戸建を中心に進んでいる中古物件の流通促進が、アパートやマンションにも波及したり、築古物件への融資条件が緩和されるなど、不動産投資市場で、中古物件の流通が活発化されるためのさらなる取り組みに期待したい。